五月十一日・十二日@ウィーン

五月十一日

明日ラボミーティングで数億年ぶりに実験結果を発表するのだが、今日は指導教員と二人でチェックすることにする。スライド作りをまた先延ばしにしてしまい昨夜日付が変わる頃までやり、朝早めに起きて最終チェックする。が、本番は明日なので気持ちは楽である。

なんだか昔より全体的な不安が減ったので、あんまり焦らなくなった。不安だったり焦燥感があると別に実力は変わらなくてもとてもパフォーマンスが落ちる気がする。スライド作りを日付が変わる頃までやったと書いて普通はいつまでやってんだという効率の悪い感じに見えると思うが、昔は三時ぐらいまでやったりしていた。

先生とミーティングして自分が詰まったところやわかりにくいところを一緒に相談して、明日に向けて調整する。とは言えラボミーティングで、七月に控える学部全体の進捗報告会と比べるとすごくカジュアルな雰囲気なので、悩むところがあればみんなに聞けばいい。一つ進歩したなと思うのは「みんなに聞けばいい」と思うほど用意しなくても英語で議論できるようになってきたことかと思う(もちろんいまだにわからないことは多いのだが)。

午前にミーティングが終わって、まだスライドの調整などもあるのにすっかり終わった気になって散歩に出かける。Twitchでストリーミングしたらネットの友達が何人かきてくれてドイツ語の話をしながら近くの庭園を歩く。

帰ってきてスライドの調節をする予定だったのだがまた先延ばしし、なぜかマイクラをし始め(もうだいぶすっきりしたのに…)、そのあとはネットの友人と恋愛相談などを聞いていたらすっかり八時ぐらいになる。

夜ご飯は大家さんの(暫定)彼氏が、仕事で使った魚(撮影用)を食べるというのでお呼ばれして、テラスで三人で食べる。この二人の関係はいまだにわからないのだがまぁよく来るので一応彼氏的な感じでいいと思うのだが、二人とも自然体だし話が必ずしも合うわけではないらしいけど雰囲気もいいので、別にずっと一緒にいればいいのになと思ったりする(彼氏がどう思ってるかは知らないが、大家さんは一年ぐらい一緒にいるけど胸がドキドキするようなそういう恋愛じゃなくてなんだかいまいちしっくりこないらしい…)。

その後もう一人の同居人も帰ってきてみんなでワインやビールを飲みながら話す。やっぱり近くにいる人と時間を過ごすのはいいなぁと思う。定住して人間関係を構築するのが苦手だったが、そろそろどこかに住み着きたいが、どこに行けばいいのかわからないし、相談すべき人に連絡しづらくて連絡もできない。

五月十二日

ラボミーティングで一時から発表である。スライドはもうできているのだが、説明を足したいところがあるので、大学に行ってから最終調整する予定である。理想的には発表の数日前にはスライドができてて…というような感じなのだがそれに辿り着ける日は来るのだろうか(なんか結婚なり子供なり他人とスケジュール調整をする必要が出ない限りできない気がする)。

朝ごはんはここのところずっとプロテインバーを食べていたがようやく食べ終わる。私はプロテインバーが嫌いだと確信する(クッキーみたいなお菓子を食べるよりいいのかもしれないが、お菓子の代用にはならなさそうだ)。

今日は大学からズームする予定だったので(発表者なのでちゃんとしたネット環境があるところにいた)、大学に行って抗原検査をしてもらう。陰性結果がないと大学に入れないので、もうこの検査も生活の一部になりつつある。時間がかかるわけではないが面倒くさいし、多少万一陽性だったらどうしようという気持ちもある。

一時まではギリギリまでスライドを調整したり、統計の理解が曖昧だったのでチュートリアルのYouTubeを見たりする。昔(三年前ぐらい)YouTubeで統計のビデオをいくつか見たことはあったが、今日見ると思ったより良さそう(自分にとってわかりやすい)教材がたくさんあって、これを気に見てみようかなと思い始める。Courseraなども昔やっていたのだが、いつも続かないのでYouTubeもそんなにコツコツ見れる気もしないのだが…。

発表は思ったり緊張もしなかったし、おおよそ議論できた気がするし、まぁ全体的に特に可もなく不可もなくだったのかなと思う。色々有益な意見ももらえてよかった。とりあえずラボミーティングは怖くないので精神的ダメージは少ない。

その後も色々やることはあるのに結局マイクラをしてしまい(頭を使わない単純作業として最適なんだということに気づいた)、時間を溶かして一日終わる。