十一月二十九日・三十日

十一月二十九日

今日は先輩の博論の公聴会(英語ではdefense)。朝の十時から、一回の大ホールで集合。これで同じラボの先輩のディフェンスを見るのは三回目だが、今回は特に研究のテーマが近い先輩だったので、自分の将来をちょっと思い描きながら見ることができた。もちろん、自分が学部全員の前、そして外部からの審査員二名の前で、立派に発表をこなし、質疑応答できるとは到底思えないのだが。

発表自体は四十五分、そこから一時間ほど外部審査員からの質疑応答があり、最後には全体からの質問。だいたい全て合わせて二時間半ほどのディフェンスだった。前の先輩が三時間ぐらいかかっていたので、なんだか短く感じたような気もしたが、自分の研究分野と近いので、集中して聞けたのもあるかもしれない。

午後は、同じラボの先輩の実験の中間発表。ジョイントアクションの合理性(と訳して良いのかいまいちわからないが、Rationalityのこと)についての研究で、ベイズ統計を使った解析の発表だった。同じラボの先輩の発表なのに残念ながら話についていけない。

そのあとは自分の実験の準備などをするがかなり心身共にきているのか、気分が悪い。明日がピアノのレッスンなので少しドビュッシーの月の光を練習する。

十一月三十日

朝から確率の授業。今日で最後の授業であり、後半部の授業はマルコフ連鎖から始まって、分枝過程(Branching process)で最後となった。マルコフ連鎖は初めてなのでまだ全くわからないが、試験まで時間があるので復習したい。よく認知科学で出てくるモンテカルロ法も少し解説してもらったので、本当に助かった。次回は自分たちの研究の発表をする予定。

午後、やる気はあるのだが気分がとにかく悪く、これはヨーロッパ特有の冬季鬱だなと三年目にして実感する。ポスドクの先輩がお昼ご飯に誘ってくれたので、二人ともお気に入りのパン屋さんに行き、先輩の話を聞いたり、私のことを話したりする。このポスドクの先輩は最初苦手だと思ってたけど(単純にネイティブスピーカーだから)、一番研究分野が近くて今は一番話しやすい。話すのが早くて何言ってるのかわからない時もあるが。

ご飯のあとは気分が悪く、本の虫の本を読んでnoteの記事を書く。休んでる暇はこれっぽっちもないのだが、如何しようも無い。

五時からはピアノのレッスンで、月の光を弾く。最近はたまに大学のグランドピアノを使って練習するようになったのでまだマシだが、やっぱり電子ピアノと違って本当のピアノはタッチが違うので、すごく小さな音などのニュアンスが下手くそすぎていつも同じことを先生に注意される。とろけるようなかすかな音で弾くのが理想的なようだが、私の場合は大きすぎるか、ゆっくり弾きすぎて音が鳴らない。音がなるギリギリの速度で鍵盤を押すというのはかなり難しい。

家に帰って、適当にご飯をすまし、早く寝る。