十二月二日@ブダペスト

今日はお昼からBMEというブダペストの工科大学にある認知学部の修士の学生に授業をする日。授業といっても一時間ほど自分の研究分野のことか関心のあることを話すだけでいいのだが、全然授業に慣れないので準備に苦労する。ちゃんと時間もかけることができなかったので、あまり納得せぬまま出かけることにする。

朝どれだけ時間がなくてもヨガを欠かさないようになってきた。とは言え時間がない時は時間がないのでまともなヨガはできないのだが、Adrieneの5〜10分シリーズをするだけでもだいぶ心地よい。

特にパソコン仕事で肩とか首が凝ってるので、下のヨガは良い。

そろそろ出かけるかと思って窓の外を開けるとものすごく雪が積もっている。こんなに雪が降ると知らなかったのでまだ準備もしておらず、普段通りの靴で行く。場所によっては足首以上積もってるところを歩かなければならず、ずぶ濡れになる。なんとかトラムに乗り込んで三十分以上で工科大学につく。

授業はまあまあ。自分の満足度も足りないし(十分に準備できなかった後悔と申し訳なさ)、聞いてる方の満足度も足りなかっただろうが、今できる自分のレベルはこんなものなんだなぁと感じてしみじみした気持ちになる。歳を食ったのかあんまり後悔することもなくて、ただ現状をみて受け入れるようになってきた(いいのか悪いのかわからない)。去年の果てしなく内容の薄いプレゼンに比べたらすごく改善できたと思うが、それでもまだまだ全然足りないと思う。昨年度は自分の分析だけしていて全く文献を読まなかったような気がした。

雪の中、自分の大学に帰る。明日の先生とのミーティングのための準備をしようかなとか思っていたが、なんせ朝四時ぐらいから起きてて疲れているので集中できず。

夕方は、教授陣の中から今日は数学モデリングなどをやってる理論家の先生の経歴の話をシェアする会があったので行く。一見履歴書だけをみると、学部から博士課程まで行って、そのままアカデミアのポストについてるように見える彼らの華々しい経歴も、具体的な話を聞いてると全然真っ直ぐではなくて私などは励まされる(日本の私の知っている教授陣はごくストレートに見えるのだが、実際どうなんだろうか)。

その理論家の先生は、学部の途中に何回も休学し、イスラエルに行って映画作りの勉強をしたり、また大学に戻ってきてはやめようと思ったり、自分の父親が映画監督であり親族もアーティストばかりなのもあって、真剣にそっち方面にキャリアを変更しようかと考えたが、結局自分の興味や人々との縁、パートナーとの関係などもあって、結果的にはアカデミアで生きることを決めたようだ。

数学と神経科学だけやってきた人に見える割と天才系の先生だったのだが、あぁ先生も人なんだなぁという(なんだか失礼な気もするが)、そういう気持ちになる。

夜は家でたくさん牛肉を食べてまたヨガをして寝る。とりあえず授業の出来は満足じゃなかったけど、今年も逃げずにBMEの授業に行けて頑張ったと思う。またBMEの方にはそういう機会を与えてくれて感謝である(うちの大学は博士課程しかいないので教える機会が皆無なのだ)。