六月二十七日@ブダペスト

朝早く起きて三マイル走る。ここのところ寒くて走りやすい。走ってしまえば楽なのに、走る前に億劫になる感じは、お風呂に入りたいのに入るまでにダラダラする感じと似ている。

今日は最後のラボミーティングの予定だったが、なくなったので午前中もフリーに。実験に関する事務手続きのことでメールなどやり取りするが、指導教員が忙しいようで返事が返ってこない。その間に読む論文もたくさんあるのだが、なかなか気が進まない。

自分の研究のほかにも、七月上旬に参加するサマースクールのために、読まなければならない論文がたくさんあるが、もっと読む気になれない。二年前の今頃は、イギリスで修士課程に在籍していて、たかだか週三本の論文と数十ページの統計の教科書を読むだけでもヒィヒィ言っていたが、本当に何が辛かったのかわからないぐらいである。多分イギリス生活が楽しいと思っていたけど、無意識的にストレスだったのもあると思うが、今やらなければならないことから考えると、本当に暇な時間だらけだったなと思う。しかしながら読むスピードは一向に早くならない。英語でも日本語でも。

午後もなんとなくダラダラして、何にもやる気が出ないので、パソコンやUSBの中身を整理するという、頭を使わないタスクに切り替えて黙々と作業する。五時からは毎週恒例のコロキアムがあり、今日は客観性(自分の信念と事実の違い)をどう認識するのかということを、比較心理学・発達心理学の観点からアプローチしている人の話だった。話の中で出て来た、自分の信念が間違っているかもしれない、もしくは相手の信念が間違っているかもしれない、あるいはそもそも自分と相手の信念どちらかが間違っているのかどうか、などと言う論理が頭の中でごちゃごちゃになっていまだによくわかっていない。自分と相手の信念と客観性をどう表象しているのか難しい問題だなと思った。

夜は家で食事をし、またマストドンなどで誰かと会話する。なんだかマストドンに入り浸っているうちに、常連さんじゃないけどいつもいる人がわかるようになり、マストドン内でのつながりが徐々に濃くなって感じがして不思議な気分。