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ちょっと欲を出したから

洋服を減らさなくちゃいけない。
あふれた洋服たちが、床に散らばっている。

が、片付けるのがとても下手なあつこ。

洋服も捨てられずにぐずぐず。

ようやく思い立って捨て始めると…。

「この洋服売れそうだなぁ」と、ココロの声が聞こえてくる。

メルカリで。
ーーーー

よほどのブランド品でもない限り、すぐに売れるはずもない。

売れるんじゃないか?
と、欲を出したばかりに、結局洋服は減らない。
とほほ。

ーーーー

やっぱりこれじゃだめだ!
と一念発起した日曜日。

入るかどうかわからない、いくばくかのお金のために部屋が汚いのはだめだ。

捨てよう。

今年着用しなかったものはもちろん捨てる。
高くても捨てる。

そして。

気に入って買ったものでも、
アイロンをいちいちかけないと、見栄えが悪いものも捨てる。
あつこが1番嫌いな家事の1つがアイロンなのだ。

外出用のおしゃれ着なら、ともかく。
日常着ているものはお手入れが簡単でないと。

ーーー
油断すると、また
「売れるんじゃないか」と言う気持ちが
むくむくと。

まずい!
洋服がタンスの中に逆戻りしてしまう。

捨てると決めた服をすべて。
理科系夫の部屋に、投げ込むように持っていった。
もう自分の部屋に入れない。
入れないんだ。
メルカリにも出さないんだ。

ーー
夫、洋服の山に
「なにこれ」
と驚く。

あつこ「それを今、片付けると、またタンスに逆戻りさせちゃいそうだから。
今夜一晩、ここに置かせてください」

夫、しぶしぶ承諾。
あつこの部屋が汚いのを知っているから。

そして、翌朝。
区の繊維ゴミのルールでは
「洗って、乾かしてからたたみ、ひもでしばる」

玄関で、
ありがとうと言いながら、
きちんとたたむ。
何も考えず、機械的に紐をかける。

ーーーー

部屋に戻る。
少しだけスペースが広くなった。

売れるんじゃないか?の罠にかからないように。

カメの歩みでも。
少しずつ、少しずつ、きれいに。

(うすうす気がついていたよ。
「メルカリで売れる」は
あつこの執着心の成れの果てだってね)

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