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#27 病み上がりに極寒のウユニ塩湖へ。そして、星空のなかの温泉にて泳ぐ、ボリビア旅(前編)

2022年7月4日 lunes
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7月1日からボリビア、ウユニ塩湖を含むポトシ県の南(チリ、アルゼンチンのボーダー付近)のエリアを回る3日間の旅へ出かけた。一ヶ月ほど前に「そろそろ旅に出たい!」と思い立って、大家さんの友人(ウユニ旅行を専門に扱っている方)に相談。行きたいところを伝え、ツアーを組んでもらった。
私のリクエストは以下:

- Salar de Uyuni(ウユニ塩湖)
- Agua Termal (温泉)に入りたい
- Laguna Colorada [ラグナ・コロラダ]=赤い色の湖。フラミンゴが見られる
- Laguna Verde [ラグナ・ヴェルデ]=緑色の湖。アルゼンチンとのボーダー付近にある
- Sol de mañana [ソル・デ・マニャーナ]=活火山のエリア

これらの場所を含めたプランを作ってもらい、行きは、ラパス−コチャバンバ−ウユニのフライト、帰りはウユニ−オルロ−ラパスのバスで。旅のことを知人に話すと「温泉、入っているときは最高だけど出たら寒すぎて地獄らしいですよ」と言われる。うるさい!だまれ!!

旅行会社とプランの調整をしていた先週末、久々の高熱が出た私。

朝から38℃を超えて、びびる。その後39℃まで上昇。3600m超で39℃超は、死ぬかと思った。

意地でもウユニに行きたい私は、週末ずっと安静に寝る選択をする。心配してくれた大家のエリカさんが、玄関にチキンスープを置いていてくれた。ほんと、ありがたい。

けっこう、もりもり鶏肉が入っていた。

ゆっくり休めたおかげで週明けには体調も戻り、旅の準備をはじめる。

金曜日の朝、5時半にタクシーで家を出て空港へ向かう。早朝にもかかわらず、わらわらと人が動いている空港。極寒と聞いていた今の時期のウユニに備え、これでもかと着込んでいるので、暑い。まずコチャバンバへ飛んでから、空港で軽く朝ごはんを食べる。

バターたっぷり重めのクロワッサン。おいしくは、なかった。

一時間ほどのフライトでウユニへ到着。簡素な空港に降り立つ。

ついにこの地に足を踏み入れる。

空港に着くと出迎えの車が来てくれていて、そのまま旅行会社のオフィスに連れて行ってもらう。ようやくラパスから脱出し、遠く離れた別の町にいる、という高揚感がひしひし。オフィスに着くと他の旅行者がすでにおり、ガイドの男性を紹介される。空港で水を買い忘れた私は「あ!水を買いたい」とガイドに言い、近くの商店に連れて行ってもらう。「¡Casera! Dame el agua. (カセーラ、お水ちょうだい!)」と言う私に「カセーラ!?」と笑うガイド。見知らぬ女性にむけた呼びかけの言葉で、地元の人しか使わない。私は高地に備えてのチョコと水を購入。旅の始まり。

小さな町、ウユニ。水を調達できて、よかった。

大きな荷物は車の上に積み、合計5人の旅の仲間と共に車に乗り込む。まずは廃線になった鉄道を訪れる。ラパスにいるとそこまで感じることがないが、やはりポトシに来ると鉱物採掘の歴史が、(今でも人力での採掘作業は行われているが)色濃く見える。

まるで映画のセット
要所要所で目にするサインのグラフィックが、かわいい。

次に小さな塩の工場に向かい、軽く見学してから、ランチ。
なんでこの仕上がり?というお土産のオブジェ。絵付のクオリティ。

何個も見ていると、このイラストがだんだん可愛らしく見えてくる。
塩でできた、たてもの
壁を舐める。しょっぱい。
袋詰め作業の体験。塩を詰めて袋の口を火で炙り、封をする、というもの。

ランチは期待してはいなかったものの、あたたかいごはんが用意されていて、びっくり。ベジタリアンの二人の女の子たちにも美味しそうなメニューが、別にちゃんと用意されていた。

野菜もたっぷり。テーブルセットがされていてびっくりした。
私はしっかりお肉をいただく。

ランチの後は少しおみやげを見ながら散歩。この店主の子ども、1歳4ヶ月の赤ちゃんが私のカメラに興味を示す。癒しのひととき。

このあとずっとカメラをつかみ、離してくれなかった。

いよいよウユニ塩湖へ向かう。車の外の景色がだんだん白くなってくる。10,000km平方以上もある広大すぎる湖を高速で飛ばす。どこまで走っても白い世界が広がっている。

冬で乾季の今は観光客も少なく、水を張った反射は見られないものの、人が少なく静かな塩湖を堪能できたので、かえってよかったな、とおもう。
先週は-20℃くらいまで気温が下がった、と聞いていた私は、想像できない寒さにびびっていたが、昼はそこまで寒くない。ガイドの誘導のもと、みんなでいろんな写真を撮って遊んだ。

無印の広告写真を思い出しながら
一ヶ所、大量の旗が立っているスポット
2014年に、ここでダカールラリーがあったらしい
セルフで撮ってみた。セット時、水平がずれているのも気づかないくらい眩しい白。
トリック写真、ビデオを撮るべく、ガイドがいろいろ仕込む。
逃げろー!
小人になったよ

この後 Isla Incahuasi へ。塩湖の真ん中に突如現れるサボテンの島。
なぜこんなところに?と、地球の不思議を感じる。巨大なサボテンは1000年以上かけて育ったもの。時間のスケールもすごい。

そろそろ日が沈む時間。サボテンのシルエットがきれい。

夕焼けの時間が近づき、塩湖でのサンセットを楽しむべく、少し水の張った場所へ向かう。とにかく景色が、色が、美しい。

一日私たちを乗せて走ってくれた車
旅の仲間たちの影とウユニの夕焼け
まわりの色がどんどん変わっていく
なんだかんだ、いっぱいジャンプしたなー、この日。
進化論。
夜の始まりの空。空気がつめたく、美しい。

初日は、San Juan[サン フアン]という町にある、塩でできたホステルに泊まる。ベッドも壁もテーブルもイスも塩。ゴリゴリした壁で指の節を削ってしまった。。

塩でできたベッド。と、塩の壁。
塩のテーブル、とイス。床に敷き詰められているのも、塩。

この日の夕食は、スープと、ピケマチョというボリビアの料理。ガイドの男性、イヴァンのプライベートな話なども聞きつつ。寒くなる前にシャワーを浴び、早い朝に備え早々と就寝。一日目から盛りだくさんの旅。恐れていた寒さはそれほどでもなく、私は湯たんぽの暖かさも手伝って、気づけばぐっすり眠りに入っていた。
〈後編へ続く〉

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ATSUKINO(アツキーノ)

2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/

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