見出し画像

#25 ボリビアでの毎日の中の、ちっちゃな幸せ色々。

2022年5月30日 lunes
-
最近は仕事が、中盤の追い込み?まとめ作業??というか、プロジェクトのプランを固めていく段階に入って、バタバタしていた。なかなか息つく暇もなかった、そんな毎日の中でも、「あは♡」と頬が緩むよな幸せを感じる瞬間があったりして、救われる。

今、ボリビアの障害を持った子たちとのデザインプロジェクトを進めている。一度は施設の訪問を断られながらも、ゴリ押しの説得に説得を重ね、コラボレーションの企画に漕ぎ着けた経緯があって、申請を担当してくれた生徒以外は、私がどういうふうに担当者を口説き落としたか、のプロセスを見ていない。そんな中、一人の生徒が「一回は却下されたのにどうやって、12週も一緒に活動できるようになったの?」と、そのプロセスに興味を持って、質問してくれた。難しい状況がある前提で、どう状況を打破していくのか、に関心を持ってくれたことに、まずうれしくなった。彼は、プロジェクトを形作る際の、周囲の環境や、システム作りにも関心があるようで、そんな質問をよく投げかけてくる。こんなふうにプロセスを積極的に学んでいる生徒の姿が見られるのが、最近の喜び。先週末には、奈良のGood Job! CenterへZoom訪問し、その際も彼は「障害を持つ子たちとのより良いコミュニケーションの取り方」や「プロジェクトをディレクションしていく際に気を付けること」などについて質問していた。

画像1

このプロジェクトに関しては、その調整や準備に奔走し、大変ではあるが、私にとっては癒し効果も絶大で、まだ2回しかワークショップをしていないが、2回目の訪問時には、顔を見るなり子どもたちがハグしてきて、活動の途中でも「アツコー」と抱きついて離れない子や、手をつないでくる子。「ママー」と甘えてくる子に「ママじゃないよー笑」とキャッキャ言う時間が、愛に溢れていて、癒されている。

画像2

私にAmor(愛)をくれたメロディーという女の子。

画像3

別の子は私の絵を描いてくれた。下の四角に入った丸々は、Feliz(幸せ)らしい。「あなたは幸せを持ってる!」と言って。
彼女たちは私が帰る準備をしている時も、ずっとそばについてきて、離れなかった。すでに、また会いたくなっている私。

画像4

画像5

画像35

-

ミーティングの当日に担当教員ふたりから参加できない旨の連絡を受けたある土曜日。こういうことは多々あるのだが、その日は、それだと予定していた活動を行うのが難しく急遽ミーティングをキャンセルし、時間ができた私は泳ぎに行くことにした。
午後2時頃に着くと、ほとんど人のいないプール。「やった!」と悠々と泳ぐ私。すると隣のレーンに小さな女の子ふたりがやってきた。私に話しかけてきたその子たちは6歳と8歳の姉妹で、ふたりとも日本の名前を持っていた。お姉ちゃんが「イヨリ・ケイコ」妹は「ナオミ・アツコ」と、私と同じ名前。そんな偶然もあってか、彼女たちの好奇心もあってか、プールの中でずっとおしゃべりし、泳ぐ競争をしたりして遊んだ。私の爪を見て、「私、この色好き!」というお姉ちゃん。

画像15

私の平泳ぎと同じスピードで泳ぐ妹にもびっくりした。(しっかり泳げる子どもを見たことがなかったので。)
最後に彼女たちのお母さんと話をし、「定期的に泳ぎに来るから、また子どもたちと遊んで、日本のことを教えてあげてほしい」と言われた。
こんな出会い、楽しい。
この日は、この施設を持っているクラブチームのサッカーの試合があったらしく、施設を出る時間と試合終了が重なってしまった私は、バスに乗るのをあきらめ、歩いて帰ることにした。

画像11

画像12

アジア食材に出会える市場が途中にあるので、そこに寄る。
お店のお姉さんは、ゴーヤ、と、インゲン、を日本語でなんというのか教えて、と聞いてくる。そんなやりとりをして、最後に「NIRA!」とアピールされた。うーん、、という私に「これはあげる!」と、ニラをひと束サービスしてくれた。うれしい。

画像13

画像14

-

一年生を対象にしている授業で、りんごの色を観察、収集してカラーチャートを作る回で、一人の女子生徒が本当に楽しそうに色を集めていた。その様子を、かわいいなー、と見ていた私。みんなが集めた色で100色のカラーチャートを作る作業では、みんなワイワイと、色の配置を決める。

画像6

台紙の上に順番に色を埋めていき、

画像7

完成までのカウントダウン。

画像8

全ての色が埋まると、みんな歓喜。「おおー!!!」と、写真を撮りまくる彼ら。

画像9

画像10

私が最後に「みんなで撮ろう!」と記念撮影。
形にして喜ぶ、この感覚は大事。それを経験してもらえて、幸せ。

-

書道のワークショップをした。
楷書の基本だけ、サラッと説明し、最後は各自好きな言葉を練習し完成させる、というもの。みんなの書く文字がなかなか良くて、文字の選択も、なんかいい。

画像16

画像17

「オタクス」と見本を書いた私。ん、なんですか?「オタクたち」と、オタクの複数形と言う生徒。笑。

画像18

彼女は次々と「なんでその文字?」という作品を繰り出す。

画像19

これは「お兄ちゃん」のつもり。

画像20

カオスになる練習の用紙。これはこれで、いい感じ。

画像21

定番の、自分の名前書きたい、てやつ。それにしてもいろんな文字の見本を書いた。「こんな言葉書くと思わんかったわー」の連続。

画像23

「Te quiero[テ キエロ]=あなたが好き」の意味。

画像23

画像24

画像25

画像26

画像27

-

カバンを買った。100ボリ(約1800円)
めずらしく丁寧な作りで革も柔らかい。生地とタッセルの毛糸がボリビア色。品のある感じで気に入っている。気持ちが上がる久しぶりの買い物。

画像35

このカバンを買った夜は Larga noche[ラルガ ノチェ]と言って、夜遅くまで美術館が開放され、アーティストのパフォーマンスや、イベントなどが街の至る所で行われていた。静かに過ごしたかった私は人混みを避けつつ、一人でぶらぶら夜の街を歩いた。途中、ホットワインをもらえて、少しハッピーな気分になった。

画像34


-

トレッキングシューズも買った。以前、5000m超の山に登った際に履いていた普通のスニーカーは結構くたびれてしまったので。(そらそうだ。。)ロドリゲス市場の小さなお店で見つけた唯一のサイズの掘り出し物。うれしい。

画像29

おかげで、昨日のトレッキングでは一歩一歩しっかり歩けた。やっぱり靴は大事だ。

画像30

画像31

画像32

画像34

山登り用に買ったが、普段使いに履ける、と気づいた今日。そう、基本、山の中に住んでいるのだ。激しい坂道と、舗装もきちんとできていない道が大半のここでの生活には、トレッキングシューズが最適。これで、足元固めて生き延びていけそうな気がする。

-

ATSUKINO(アツキーノ)

2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/

この記事が参加している募集

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?