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一億総編集者時代がやってきた

編集者。

この職業名を聞いて何を想像しますか? 「本作りをする人」をイメージする方が多いでしょう。この note を書くにあたり、「編集」って何だろう、と思い、グーグル先生に聞いてみました。

諸種の材料を集め、書物・雑誌・新聞の形にまとめる仕事。また、その仕事をすること。

おそらく予想通りの定義だと思います。ぼくは英語教材の編集者として、10年ほど活動をしています。編集を仕事にして食べているので、上の定義に当てはまると言えます。ですが、この10年間、編集の仕事をしてきて思うのは、「この定義は古いよね?」「仕事じゃなくても編集をしている人、いっぱいいるよね?」ということです。

昔読んだ『はじめての編集』(菅付雅信著)という本に、次のような一節があります。

今、人々は自分の人生を編集して発表しているのです。それが良いことなのかどうかはわかりません。ただ、生きていく上で、以前よりも編集のスキルが求められる時代になったことだけは確かだと思います。

編集の仕事をしていなくとも、「編集をしているな」という実感があるのは、Facebook と Instagram を更新するときです。

Facebook は自分の人生を切り取って、文章なり動画なりで表現をします。Facebook は知り合いに見られることもあり、ネガティヴなことは書かず、ポジティヴな面を切り取ることが多いです。

Instagram だって同じですよね。切り取るジャンルは人それぞれだとしても、自分の人生の一コマを切り出して、文章を添える。ただ単に順番に写真をアップするだけではなく、一連のストーリーを意識してアップする人もいます。面白そうな人のプロフィール画面に行ったときに、「おお、9枚で1枚の写真になってる」ということは今ではよくある話です。

自分の人生から材料を集め、見せ方を考えながら、まとめた内容を世に発信する。これって編集そのものだと思うんです。今やそこかしこに編集者がいると言っても過言ではありませんね。自分のことを編集者と考えたことがなかったとしても、この話を聞いたら、「編集をやってるじゃん」と思えるはずです。

こういう風に考えると、むちゃくちゃ面白い時代がやってきたと感じます。今までは文章や画像を垂れ流して発信していたのが、編集という観点を交えながら、発信することになるわけです。情報の取捨選択をし、頭の中でこねくり回し、世に発信する。情報の質が間違いなく上がっていきますよね。

編集を仕事にしなくとも、趣味で編集をする人がどんどんと増えていってほしいです。というか、日々、増えているのは間違いない。編集者とだけ名乗っても、「何の編集?」という質問が返ってくる時代になるかもしれませんね。うかうかしていられない。

今まで編集とは無縁だった人も「自分は編集者だ」と意識しながら発信をしてみてください。世の中の見え方が変わってくるかもしれません。人生の出来事を集めて、編んで、自分だけの発信をしていきましょう!

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渡邉 淳/porpor(英語学習コンシェルジュ)

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