夫婦関係の「ミニ専門家」を目指して。
自分の経験をシェアすれば、多くの人の悩みは解決すると思っていた。
だけど、そんなことはなく、他の人の相談を聞けば聞くほど、わからないことが増えていった。
あたりまえだけど、人はみんなそれぞれ違っていて、パートナーもそれぞれ違っている。
異なる者たちの無限の組み合わせから、多種多様な悩みが生まれてくる。
同じように聞こえる悩みでも、その人ならではの色がついている。
誰にも共通する完璧な解決方法なんてない。
ぼくは、2019年6月から夫婦関係改善方法をnoteでポツポツと書いているけれど、去年はそんなことを思い知らされた一年でした。
この記事では、去年までのぼくの夫婦関係研究を振り返り、これからどうしていくかをまとめようと思います。
◇
気軽に始めた夫婦関係相談が、実はとてつもなく重いものを背負っていたということに気がつかされたのも去年でした。
個人の幸せだけではなく、パートナーの幸せ、そして子どもたちの幸せにも大きな影響を与える”夫婦関係”。
ぼくもそうでしたが、夫婦関係はあまりにも身近すぎるために、その大切さに多くの人が気がついていないのだと思います。
夫婦間の亀裂は、音を立てない嵐のように忍び寄り、気がつけばすべてをなぎ倒し、夫婦だけでなく子どもたちにも大きな被害を与える。
時には、立ち上がることが困難になるほどに。
時には、子どもたちが愛着障害を抱えるほどに。
これほどまでに大きな影響を人に与えるにも関わらず、「夫婦関係とはなんなのか?」という問いの答えはブラックボックスに閉じ込められ、多くの人の目に触れる機会がない。
人類の誕生から20万年。文明の誕生から1万年。
こんなにも長い間、人は夫婦を営んできたにも関わらず、いまだに悩まされている。
おそらく、夫婦関係の悩みの解決方法には、ある程度、普遍的な答えがあるのだと思う。
その答えの一つが愛着であることは確かだと思う。
今年は、愛着についてもっと学びたいし、発信していきたいと思っています。もっと多くの人に愛着の存在を知って欲しい。
臨床歴25年のベテラン臨床心理士である上遠さんへのインタビューは、夫婦の愛着の育て方について詳しくお話しいただいているので、きっと多くの気づきがあると思います。
ただ、誰もが夫婦の愛着を簡単に育てられるわけではないと思うんです。
パートナーに心を開けない人もいる。自分自身に対してさえ、心を開けない人がいる。
自分の心とつながれないから、パートナーの心とつながれない人がいる。
なぜなんだろう?
今年はここにもっとフォーカスをあてていきたいと思っています。おそらく、大人の愛着障害が影響している気がするんです。
育ってきた環境の影響によって、自分の感情を素直に感じられなくなってしまった人が多いんじゃないかと。
そして、自分自身がそこに気がついていない。
自分の感情とつながらなくても生きていくことはできるから、多くの人は困らなかったんだと思います。
だけど、結婚し、子供が生まれ、否応もなく、他者と密接に関わるようになったことで、いつか気がつくんです。
なぜ、妻と心と心でつながれないんだろう?
なぜ、夫と心と心でつながれないんだろう?
なぜ、素直に気持ちを伝えられないんだろう?
なぜ、こんなにも、ぼくらは分かり合えないんだろう?
一人で暮らしていては、決して感じることがなかった疑問が生まれるんです。
夫婦というありふれた関係性であるにも関わらず、こんなに近くにいるにも関わらず、なぜ、ぼくたちは分かり合うことが難しいんだろう?
なぜ、夫婦というものは、これほどまでにもどかしいものなんだろう?
◇
愛着が夫婦関係の再構築の鍵になるのは間違いないと思いますが、その鍵の使い方は人それぞれみな異なるのだと思います。
愛着障害を抱えている人もいれば、そうでない人もいる。
愛着障害があったとしても、その度合いは人それぞれ異なるはず。
自分が愛着障害であることに気がついていない人もいるはず。
こんなにも多様な人がいて、さらにパートナーも異なる愛着の癖をそれぞれ持っています。
その組み合わせによって、無限の愛着の質が生まれます。
夫婦関係改善方法には、ある一定のセオリーがあるとは思いますが、それぞれの夫婦に合わせてカスタマイズする必要があるのだと思うのです。
だからこそ、多くの人が自分に合った解決方法を求めて、本やネットの海を泳ぎ続けることになるんだと思う。
本やネットには、均質的な答えしかないにも関わらず。
今年は、それぞれの夫婦に合わせた解決方法も研究していこうと思っています。無限の組み合わせがあるので、いくつかのグループに分けながら。
また、夫婦の亀裂の入り具合も人それぞれですよね。
初期症状の軽いヒビもあれば、今にも土砂崩れが起こりそうなケースもある。
それぞれのステージによって、ふたりが必要とする行動やケアも変わってくるんです。
ぼく、以前は、夫婦はお互いに話し合う時間を持てばなんとかなると思っていたんです。
お互いに困っていることを素直に伝え合い、お互いを支え合う行動を取っていけば解決すると。
だけど、人によってはパートナーがまったく口をきいてくれない場合もあるんですよね。ずっと無視をされていたり。
過去の傷つきの体験がずっと尾を引いていて、許したくないという感情が化石のように固まってしまっているケースもある。
そんな人に「話し合いましょう」と言っても、まず話を聞いてくれないし、攻撃的な態度をやわらげることはないんですよね。
それに、パートナーの浮気によって、夫婦関係に大きな亀裂が入ってしまっていることだってある。
そんな状況では、冷静な話し合いなんてできないですよね。
夫婦の愛着の傷には、軽度、中度、重度などのレベル分けがあり、それぞれのレベルに合わせたケアが必要になってくるんです。
時には、トラウマ治療を必要とするほどに。
今年は、夫婦の愛着の傷の修復方法に関して、レベル別に原因と解決方法を研究していこうと思っています。
多くの専門家の方にインタビューをしながら、夫婦関係のミニ専門家を目指していこうと思っています。
今年も、夫婦関係の改善方法に関して、多くの方のヒントになるような発信をしていこうと思っています。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
あなたにとって、幸多き一年となりますように。
令和5年1月5日
アツ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?