見出し画像

あなたは一人じゃない。"common humanity"があなたを孤独から救い出す。

パートナーがまったく話を聞いてくれない。

家事育児に積極的に参加してくれない。

心のこもった会話ができない。

そんなとき、たったひとり、氷河を漂う氷の上にたたずんでいる気持ちになりますよね。

凍てつく北の海でひとりぼっち。理解者どころか人の気配すらしない。

生を感じられない極寒の海で、ただただ身を縮こませる。

夫婦の葛藤は人を強い孤立感へと連れ去ります。生きる希望を見失うこともあるはず。

そんなとき、ぼくらはどうすればいいのか?

そのヒントが"common humanity"、日本語では"共通の人間性"です。

共通の人間性とはなにか?なぜ人を葛藤から救い出すのか?

これを知ると、夫婦の葛藤による罪悪感や劣等感から解放されて、スッと楽になるはず。

辛い出来事があったとき、世界から切り離され、まるで自分ひとりだけが辛い思いをしていると考えがちですよね。

夫婦の葛藤ならば、こんなに苦しい思いをしているのは自分だけで、まわりの人たちは幸せそうに見える。

公園でパパとママが子供をほほえましく見つめている。だけど、自分はひとりぼっち。悲しい気持ちにさいなまれる日もあるはず。

インスタを見れば夫婦円満カップルの投稿が目に飛び込んでくる。幸せな夫婦はたくんいるのに、なんで自分は違うんだろう。

ブリザードのような冷たい劣等感におそわれ、心の奥まで凍りついていく。

だけど、こういった苦しみを誰もが、それこそ世界中の人々が感じていると思えたならどうでしょう?

あなたの隣に住んでいる人も、あなたの街の人々も、あなたの隣りのデスクの人も、あなたの会社の人々も、さらにいうなら国をまたいだ外国の人々も同じく苦しみを抱いているはず。

ぼくもいささか楽になったとはいえ、いまだに夫婦の葛藤には苦しめられています。

あなたが抱えている苦しみは、過去から現在にかけて人種や国籍を問わず、多くの人々が体験している苦しみである。

それどころか、この先に未来においても、夫婦間の葛藤は人類に普遍的な悩みであり苦しみであるはずです。

"ぼくら"は同じ苦しみを共有している。

あなたはひとりじゃない。だから、だいじょうぶ。あなたは、ひとりぼっちなんかじゃない。

"ぼくら"の苦しみはともにあり、あなたのなかにぼくが内包され、ぼくのなかにあなたが内包されている。

だから、だいじょうぶ。あなたはひとりぼっちなんかじゃない。

これが、"conmon humanity(共通の人間性)"と呼ばれるコンパッション(慈悲や思いやりと訳される心理学会の新しい概念)の要素です。

自分と他者がつながっている感覚が孤立感を消し去り、あたたかな優しさに包み込まれる感覚を覚えるはず。

ちょっと難しいかもなので、もうちょっとわかりやすく言いますね。

ぼくがこの記事を書いているのは、2024年5月31日の午前7時42分、通勤電車の中です。あわただしい朝の時間をくぐり抜けて、やっと電車に飛び乗りました。

満員電車とまではいかないけど、仕事に向かう人々でいっぱいで気持ちいい空間とは言えないですよね。金曜日なので疲れた顔をした人をたくさん。ぼくもいささかお疲れ気味です。

もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも仕事に向かう途中かも知れない。もしくは仕事から帰る電車のなかかもしれない。もしくは、自宅で家事や育児に追われているかもしれない。

だけど、この文章を通じてぼくとあなたは確かにつながっている。

結婚していること、子供がいること(いなくたって)、生活を支える仕事があること、ぼくらはそこから大なり小なりの苦しみを共有している。

苦しみの内容はそれぞれだけど、同じ内容の苦しみもあるはず。

苦しみは一人で抱えるには重く冷たすぎるかもしれない。氷河から切り出した氷塊のように。

だけど、その氷塊を抱えているのはあなただけじゃない。ぼくもあなたの横に立ってその重く冷たい苦しみを抱えている。ふたりで持てばその重さはやわらぐはずですよね。

そして、ぼくらのまわりには他の人もたくさんいる。仕事に家事に夫婦関係に、いくつもの葛藤を抱えたぼくらが。

あなたはひとりじゃない。ぼくらはともある。だから、だいじょうぶだからね。

なんか宗教くさいとかスピリチュアルくさいと思うかもだけど、コンパッションは東洋思想が元ネタになっているので、仏教的な要素が強めです。

だけど、紀元前5世紀から続く仏教のエッセンスは現代に生きるぼくらにも役立つと思うんですよね。

ぼくらはひとりぼっちじゃない。同じ苦しみを抱えている。だから、だいじょうぶ。

そう思えることで、今日を生きる勇気がポカポカと心の中に広がっていくような気がしませんか?

よろしかったら、試されてみてください。一人氷河を漂っていたとしても、それが幻想であったことに気がつかされるはず。

だいじょうぶ。あなたはひとりぼっちなんかじゃない。

あと、コンパッション専門家である東京成徳大学大学院 応用心理学部臨床心理学科 准教授の石村郁夫先生のご出演回でも詳しくお話しいただいているので、ご興味ある方はぜひ。


(この記事がいいなと思っていただけたら、フォローやスキをいただけると嬉しいです☺️)

この話はポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」で少し違う角度で話しています。聴いていただくと夫婦関係にもっと向き合いやすくなるかなと思います。通勤や家事のおともにぜひ。

-Spotify

-Voicy

-Apple Podcast

-Amazon music

-YouTube

夫婦関係学ラジオ本編(月曜配信)の深掘りニュースレターを無料発行しています。夫婦関係への深い知識を得られるレターを毎週メールボックスにお届けします。

今なら「じわりと素直な気持ちが湧き出る井戸掘りワーク」が特典でついてきます。

以下リンク先から過去レター閲覧と読者登録をどうぞ。

では、また明日お会いしましょう〜👋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?