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夫の収入の方が高くても、家事分担比率で妻がモヤモヤする本当の理由

妻との家事分担比率の問題って、揉める元になりますよね。

「夫の収入の方が高いとか関係ない」

と言う話も出てきます。

確かにそうだとは思うのですが、なぜ女性がそのように思うのかについて、今日は詳しくご説明しようと思います。

最近、進化人類学者ヘレン・フィッシャーさんのTED動画を見返していました。

この中でヘレン・フィッシャーとセラピストのエステル・ペレルさんがおっしゃっていたある言葉が、ぼくは気になりました。

現代は、両性を平等に扱う男女関係になり、女性も自由選択、個人の権利、自己充足と幸福を追求するモデルに変わっている。

ここに、ヒントがあるなと思っています。

人類の夫婦関係が平等になったのは1万年ぶり

古代の男女関係というのは、子どもが4〜5才になったら親の手を離れコミュニティに中で育てられ、そのカップルは別れ、別なパートナーを見つけまた子作りをしていたのではと言われています。

当時の食事の60~80%は女性が採集してきた果物や木の実であったため、稼ぎを食糧と定義するなら、女性の方が稼ぎが多かったわけです。

そして、今から1万年前に農耕が始まり、ヨーロッパで小麦の栽培が始まります。

木を倒して領地を広げ、畑を耕し、収穫物を市場に運び、お金に変えるなど、男性の仕事が一気に増えました。

男性の仕事が増え、権威が増してくることで、次第に家父長制がじんわりと人々の間に自然に広まっていきます。

そして、その家父長制や男性優位主義は、1万年が経った現在でも、今のぼくらの生活の隅々に色濃く残され、ぼくらの社会を形作っています。

稼ぎの差と相手に対する態度

「夫を捨てたい」という、夫側としては恐ろしい悪魔のような本があります。(さらに恐ろしいことに、この話は実話です)

ぼくは、この本の中で忘れられないシーンがあります。

それは、夫が妻の家事レベルについて不満を漏らすのですが、妻からはこう返されるのです。

私の方が稼いでいるんですけど。(夫より妻の方が収入が多い)

こう言われて、夫は「うっ…」と言葉に詰まり、なにも言えなくなってしまいます。

これって、夫としては家父長制の呪いに縛られていて、「妻は家事をきちんとやるべきで、夫はなにを言ってもいい」と心のどこかで思っているんですよね。

だけど、時代は変わって、女性の方が収入が多いケースもあるわけです。

この家父長的なセリフ(家事をきちんとやってくれよ)が通じたのは、日本ならば明治から昭和までの話です。

当時は、男性と女性で収入差が大きかったですし、なんなら女性はほぼ人間として扱われていなかった時代でしたので。

そんな時代のセリフを現代で使うのは、実に滑稽だなと感じたため、このシーンがずっと頭の中で残っています。

では、女性の方が稼ぎが少なければ、男はなにを言ってもいいのでしょうか?

家事・育児の不満は「自己充足」の不満

ここまで読んでいただけた方ならば、きっとそうではないことに気がつかれているかと思います。

妻よりも自分の方が収入が多かったり、外での仕事量が多いからといって、妻に家の仕事をすべて押し付けたり、負担を妻側が多く請け負うことがすんなり通ることはありません。

これって、今の時代では「当たり前」と扱われてしまいますが、なぜだと思いますか?

妻が外で仕事をしていないなら、家のことは全部やって欲しい。
そして、それに対して妻が文句を言うのはおかしい。

この理屈が通らないのは、なぜだと思いますか?

ぼくは、パートであっても専業主婦であっても、「自分自身」の幸福を追求する時代になったからだと思います。

もちろん、過去においても、女性は自分の人生の喜びや、幸福を追求したかったとは思いますが、厚労省が「3歳児神話」を作り上げるようなこの国では、堂々とそんなことを主張できなかったと思います。

でも、今の時代ならできるのです。

なぜか?

共働き世帯の方が増え、キャリアウーマンという言葉が死語になり、女性が働くことが当たり前になったからです。

働くのはなぜか?

それは、個人の幸せのためであったり、生きがいのためであったりします。

働くことで社会とつながる感覚を感じ、自分が誰かの役に立っているという実感を感じることができます。

さらに言うなら、「生きている実感」を感じられるのです。

そんな時代に生きている女性は、たとえパートや専業主婦であっても、自分の幸福や自分の人生の充足を堂々と求めるようになってきているのでは?

というのがぼくの仮説です。

そして、それらを「堂々」と求めることができず、性別による役割固定概念に縛られている女性は、自分の心の中の自由を求める声と、母として妻としての責任感がぶつかっているのだと思います。

そして、それが妻の「モヤモヤ」を生み出すのです。

あなたの妻がパートや専業主婦の場合は、あなたが知らない間にあなたの妻は、自分自身でも言葉にできないモヤモヤを抱えているかもしれませんね。

妻との関係に悩む方の参考になれば幸いです。

音声配信では、もうちょっと細かく話していますので、こちらも聞いていただけると嬉しいです。(複数のプラットフォームに流していますが、内容は同じです)

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1/25(木)の日記

aのコピー

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