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人生は2秒毎にドッスンが現れるマリオカート?夫婦が幸せになる7つのステップとは?

夫婦関係学ラジオは四年目に入り、さまざまな専門家の方のお話を聞いてきました。

同時に100人近くの夫婦関係に悩む男女からもご相談に乗ってきました。

こういった専門家やご相談者さんのお話、それから専門書の読み込みを通して、なんとなく「夫婦が幸せになる方法」が見えてきたんですね。

それを7つのステップに分けてみたので、よろしかったら参考にされてみてください。

それぞれのステージにおける課題はあるんだけど、だいたいこの順番でクリアしていけばマリオのクッパみたいなラスボス(2人のネガティブループ)もやっつけられるんじゃないかなって思ってます。

時にはノコノコにやられてちっちゃくなったり(マンマミーア!)、パワーアップきのこゲットして無双気分になったり(ヤッフー!)色々あるけど、夫婦の旅路って山あり谷ありな冒険物語だなって思ってます。

では、行ってみましょう!夫婦が幸せになる7つのステップです。

「自己理解」からすべては始まる

パートナーの言動ににモヤモヤするんだけど、なにがイヤなのかどうして欲しいのか、自分でもわからない…。どうすればいいの?

そんなことってありますよね。責任感が強くて真面目な人ほど「こうあるべき」という思い込みに縛られて、自分の本音に気がつけないんです。

自分の気持ちが自分でもわからないから相手にはもちろん伝わらなくて、だけど夫婦というとても距離感の近い存在だからこそ気がついて欲しい。

ああ、なんでこの人は分かってくれないのか…!(自分でもなにが課題がわかってないのだけど)

と思い悩んでしまう。

ぼくの妻も小学校関連のタスクをひとりで抱え込み、ぼくに伝えられず一人モヤモヤを抱えていたことがありました。えぇ、実は我が家もそんなことばっかりなんですよね。

パートナーへの不満が生まれると、つい怒りや回避といった本能的な感情に心を乗っ取られてしまうけど、その下にある気持ちを掘り起こしていくんです。

闘争と逃走の下にある柔らかな気持ち。

本当はもっと大切にしてほしかった。寂しかった。悲しかった。優しい言葉をかけてほしかった。笑顔を向けてほしかった。

そこに気がつくことがファーストステップです。

愛着ニーズを「共有」し合う

「本当はこう感じていた。本当はこうして欲しかった」といった自分の柔らかな気持ちを夫婦でお互いに伝え合うんです。

こういった感情は愛着ニーズと呼ばれ、攻撃性がないため相手も受け止めやすいんです。

それに、普段の生活で愛着ニーズって口にしないですよね?

「本当は寂しかったんだ」

とパートナーに伝えるにはとっても勇気が要ります。せっかくオープンハートで話してるのに相手からバッサリと切り捨てられたらものすごくしんどいですよね。ピーチ姫を助けたと思ったら炎を吐かれるようなもんです。

ぼくも妻に愛着ニーズを伝えるときは涙が出そうになって、うまく話せないんです。いままでもなんども泣いてしまって、なかなか言葉が出なかったんですが、受け止めてもらえる安心が増えるにしたがって、少しずつ楽になりました。

次のステップがまさにそれで、愛着ニーズの共有を「受容する(受け止める)」ステージです。

お互いの愛着ニーズを受け止めあう(受容)

お互いの柔らかな気持ちから出てきた愛着ニーズを受け止め合う。それが受容ステージにおけるアクションです。

ガマンして相手に無理やり合わせるのではなく、(ああ、この人はそう感じていたんだな)と受け止めるんです。

どうしてもぼくら人間は「こうあるべきだ。心がどうあろうが"あるべき姿"に合わせるべきだ。」と考えがちですよね。

でも、そう感じちゃってる気持ちにいいも悪いもないんですね。

ああ、そうなんだな。そう感じちゃうのもムリもないよな。誰だってそうなってもおかしくないよなと、情緒的に受け止めるんです。

常識やあるべき姿にとらわれず、理屈ではなく感情で受け止める。夫婦を動かすものは論理ではなく情緒だからです。

そのときに助けになるのは好奇心です。

この人はなぜこう感じるんだろうと、好奇心を持ってその人の心の底に降り立ち、寛容さを持ってそこにある柔らかな気持ちを受け止める(受容する)んです。

自分とパートナーに慈悲を向ける

自分と相手の気持ちを受け止めることができたら、それらの気持ちに慈悲を向けるのです。

慈悲というとうさんくさいと感じる人もいるかもですが、最近の心理学会ではコンパッション(思いやりや慈悲と訳される)という概念が注目を集めているんです。これは向こう10年間で一般的な概念になるはず。

コンパッションを使ったコンパッション・フォーキャスト・セラピーは認知行動療法よりもよい結果を出したり、不安定な愛着スタイルの改善やパーソナリティ障害の症状をやわらげるといった事例も報告されています。

ただ、慈悲(コンパッション)の実行はそう簡単じゃなくて、小学校の標語にある「みんな仲良く」を唱えればできるようになるわけじゃないんです。

もしそうなら、日本人はみんなコンパッションを持ってるはずですが、現実はそうじゃないですよね。

他者への思いやりって案外むずかしいものです。なぜなのか?それは自分自身への思いやりという概念が学校や家庭での教育からスッポリ抜け落ちているからです。

うちの子の小学校の学級通信にはこんな言葉が書いてあります。

「自分に厳しく、他人に優しく」

これ、はたして教育の真理と呼べるのでしょうか?

自分に厳しさばかり向けていると心の余裕がなくなり、他人に優しくする気持ちなんて出てこないですよね?

仕事、家事、育児に忙しい毎日を送るぼくらならイヤというほど、そんな現実にぶち当たってますよね。

自分への思いやりをゼロにしたまま生きるのって、ドッスンが2秒ごとに現れるマリオカートみたいなもんです。スターを永遠にゲットしない限り、そんな道走れるわけないですよね。

パートナーに慈悲を向けられないときは、まず自分自身に思いやりを向けるんです。これはセルフコンパッションというコンパッションにおける重要な概念です。

その次に他者に対して思いやりを向ける練習をし、慣れてきたらパートナーに思いやりを向けるんです。

コンパッション(思いやり)は生まれついた能力ではなく、あとから身につけられるスキルなんです。

詳しくはこちらの記事に書いています。

ぼくが受けたトレーニングはこちら。本格的に学びたい、集中して学びたい方にはおすすめです。


コンパッションある「行動」を取る

次は実際に思いやりある「行動」を取るステップです。いままでなら、(なんで自分ばっかり?この人が悪いのに…!)とモヤモヤしてたかもですが、コンパッションが習得できていれば、被害者意識におちいらずに済みます。

なぜなら、コンパッションによる慈悲ある行動は内側からの欲求だからです。

そうしなければいけないから。

パートナーからそうするよう言われたから。

そういった外からの動機ではなく、内側からあふれる思いやりが動機であるため自然と慈悲ある行動が取れるようになるんです。

もし、それが難しい場合はセルフコンパッションを練習することで実現しやすくなります。

パートナーを「観察」する

次のステップは「観察」です。自分の行動が相手にどういった影響を与えているか観察するんです。

マリオカートでは緑の甲羅をやたら投げまくっても相手にあたらないですよね。よーく狙いを定めないと壁に当たって自滅することだってあります。

自分の行動が「パートナーが発している愛着ニーズに応えるものになっているか」を見定めるんです。

よかれと思った行動が実は見当違いなんだけど、こちらに悪いからと本当の気持ちを伝えてくれないことってよくあります。

ぼくは女性の相談者さんから「うちの夫の行動が見当違いなんだけど、それを指摘するとすねて家のことやらなくなるのがイヤだから言い出せない」なんて話を何度も聞きました。

妻がセルフコンパッションを習得すれば自尊心も向上して、イヤなことはイヤと言いやすくなるのですが、そうでない場合は夫だけが妻の本音を知らないままだったりするんです。

(せっかくやってるのになんだよ)と思う人もいるかもですが、パートナーシップにおいて重要なものは好奇心と寛容さです。

なぜ、こうされるのがイヤなんだろう?なぜ言えないんだろう?

などと、ポジティブな好奇心をたずさえて、相手を責めずにただパートナーを観察するんです。

うちの妻は台所で一緒に料理するのが好きじゃないんですが、ぼくはそこに寂しさを感じてたんです。

だけど、妻をよーく観察して、妻からも言葉を引き出して分かったんですが、妻は狭い台所を2人が行き来するときに背中がぶつかったりするのがイヤだったそうです。

相手にぶつかると気を使うし、料理に集中できなくて時間もかかってしまいますよね。

それがわかってからは妻のうしろには立たず横に立ち、洗い物などを担当することにしました。

そして、最後が「最適化」です。

ふたりの形に合わせてコミュニケーションを最適化する

世のなかには夫婦関係改善本が山のようにあふれていますよね。だけど、本を読んだだけで改善できた人はそうそういないんじゃないでしょうか?

なぜなら、世界中の人間のパーソナリティはそれぞれ異なっており、そんな異なる2人が織りなすケミストリーもみんなバラバラで、どれひとつ同じものはないからです。

もちろんいくつかに分類することはできますが、完璧に同じ関係性な方はいないはず。

パートナーが発する愛着ニーズ、そしてそれに応えるための行動の組み合わせは夫婦の数だけ異なるんです。

自分たちが親密さを感じられる距離感はどれくらいなのか?

その距離感を実現させる言葉と行動はなんなのかか?

行動・観察で理解した「望ましい関わり方」を自分たちなりに最適化させていくんです。

どの本にも答えは書いておらず、この旅に終わりはなく、自分たちのパートナーシップを探索し続けるんです。

しんどいと思う人もいるかもだけど、冒険をすればするほど自分とパートナーの扱いに慣れてくるはず。

マリオではクリアできないステージがあっても、なん度もやればクリアできるようになりますよね。コツをつかむからです。

パートナーシップにもコツがあるんです。そしてそのコツはあなたたちだけのものなんです。

そう思うとこのゲームを楽しめるような気持ちにもなってきませんか?

ヒアウィーゴー!なんて元気よくはなれないかもだけど、少しずつ前に進むことはできるはず。

ぼくも一歩一歩進んでいきます。少しでも参考になれば幸いです。

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この話は夫婦関係に向き合いやすくなるポッドキャスト「夫婦関係学ラジオ」でお話ししています。よろしければ家事や通勤のおともにぜひ。

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