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男も女も知らない”夫婦の恋愛の終わり”

「もう、あなたに恋愛感情はないの」

妻にそう言われ、悩みを抱えた男性がぼくのところにやってきます。

なぜセックスをしたくないのかと妻に問い、妻から「恋愛感情がないから」と言われる。

だからしたくないのだと。もう家族なのだと。

”恋愛感情がなくなればセックスはしたくなくなる”

この”恋愛感情”はどこからやってきて、どこへ行ってしまったのでしょうか?

この記事では、夫婦関係を改善したくてぼくが必死で調べた”夫婦の恋愛が消える原因と対策”についてまとめています。

夫婦関係に悩む男性の参考になれば幸いです。

すべての恋は4年で終わる。

妻と出会ったばかりの頃、ぼくは妻に夢中でいつも妻のことばかり考えていました。

仕事も前向きにがんばることができ、この世で一番幸せだなと思えるほどの幸福感をつねに感じていたんです。

はじめてふたりで行った鎌倉旅行では、中身がほぼ同じ「るるぶ」と「じゃらん」の両方を買い、待ち合わせ駅で大切に握りしめていたほどでした。

妻も同じ気持ちを抱いていたと思います。

ですが、結婚から4~5年が経ち、双子のお世話に翻弄される日が始まると、ぼくらの間にあったはずのあふれるような恋愛感情はどこかに消えてしまったのです。

熱病におかされたようなあの感情はいったいなんだったのか?

色々と調べてわかったことは、”人は4年で恋から冷める”という残酷な事実でした。

人は恋に落ちると、脳内に「PEA(フェニルエチルアミン)」、別名「天然の惚れ薬」と呼ばれる興奮性の神経伝達物質が大量に分泌されます。

PEAは、ドーパミン(脳内麻薬と呼ばれるほどの強い快楽と多幸感を作り出す)の分泌も促すため、ますます相手に対してときめきを感じていきます。

ドーパミンは、性衝動に関係するテストステロンというホルモンの分泌もうながします。

若いころはPEA分泌のピークのため、あふれ出るドーパミンとテストステロンに身を任せ、勢いで結婚してしまうわけです。

逆に30代を過ぎると結婚に慎重になりますよね。これは恋愛に関するホルモンの分泌量が減ってくるからだそうです。

「結婚は勢い」という言葉の背景には、このロジックが隠されているんです。

このPEAが永遠に分泌され続ければ恋から冷めることはないのですが、残念なことに同じ相手に対しては3~4年で効果が切れてしまうそうです。

恋愛がだいたい3~4年でマンネリ化することってありますよね?

あのマンネリの原因はPEAの効果切れなんです。

世界的な離婚のピークは結婚から4年後

世界各地の国勢調査の結果によると、結婚して3〜4年目に離婚する人が多いことが分かっています。

これは1947年から1989年までのデータです。離婚のピークが結婚から4年後に集中していることが分かるかと思います。

出典:ANATOMY OF LOVE (Helen Fisher)

こちらは、2003年から2012年までのデータです。過去のデータと比べても大きな変化はなく、結婚から3~4年で離婚のピークを迎えていることがわかります。

出典:ANATOMY OF LOVE (Helen Fisher)

このデータを見るまでぼくは、離婚というのは熟年離婚という言葉に代表されるように、結婚後何十年も経ってからすることが多いと思っていたんです。

ですが、実際はまったく逆で、結婚から数年で離婚をするケースの方が多かったんです。

結婚から4年後というのは、ちょうど恋愛ホルモンであるPEAの効果が切れるタイミングと重なりますよね。

離婚のピークタイミングと恋愛ホルモンは大きく関係しているんです。

それから、結婚してすぐに子どもが生まれた場合は、結婚4年目はこどもが3才くらいなので、めちゃくちゃ大変な時期ですよね。

ふたりで協力して子育てをしていかないといけないのに、恋愛ホルモンの効果が切れてしまっているので、「相手のために行動する」ことが自然にできなくなってしまっているケースって多いんじゃないかなって思うんです。

恋に落ちていれば相手のためならどんなことでもできるけど、恋からさめていればそうはいかないですよね。

それがたとえ、ふたりの子どもであったとしても、辛い育児や家事を相手に押し付け合ってしまうんじゃないのかなって思うんです。

まさにぼく自身がそうだったように感じています。

恋愛は幻覚

世界的ベストセラー「愛を伝える5つの方法」という本にこんなことが書かれています。

心理学者ドロシー・テノフ博士は、恋愛という現象において長期にわたる研究を行いました。多数の恋愛カップルについて調査研究した結果、恋愛から来る執着心の平均寿命は二年である、という結論を出しました。

出典:「愛を伝える5つの方法」ゲーリー・チャップマン

著者は恋愛は幻覚だと言い切ります。

本物だと思った恋愛体験に、一体どんな変化が起こってしまったのでしょうか。実は、悲しいことに、もともと幻覚に過ぎなかったのです。

出典:「愛を伝える5つの方法」ゲーリー・チャップマン

恋に恋するあの高揚感や幸福感。

それらが永遠に続くと思っていることが幻覚なんです。

PEA、ドーパミン、テストステロン、そういったホルモンの効果によって人は恋に落ちる。

生物として人が恋に落ちる目的は、恋によって性衝動に直結しているテストステロンが分泌されていることからわかるように”繁殖”です。

繁殖のために人間の体にプログラムされているスイッチが”恋愛”なのだと思うんです。

恋愛とは、繁殖のためのプログラムでしかない。

繁殖のための行為が終われば恋愛の必要性もなくなるから、人は同じ相手には4年で飽きるのではないかなと思うんです。

繁殖適齢期に達したヒトが、子孫を残すために遺伝的にマッチする異性を探し、生殖活動をする。そのための発動プログラムとしての恋愛感情。

恋愛ってそういったものでしかないのかなって思うんです。(恋に落ちた時の高揚感が素敵な体験であるのは間違いないですが)

じゃあ、子どもができた夫婦はみんな関係性がさめてしまうのかというとそうではないですよね。

出産後に関係性が悪くなる夫婦もいれば良くなる夫婦もいる。

この現象はなぜ起こるのか?

それは、人が生物として子を育てるためのプログラムが別にあるからなんです。

そのプログラムとは”アタッチメント(愛着)”です。

そして、アタッチメントのスイッチはオキシトシンというホルモンによって起こると、ぼくは考えています。

人が繁殖するためのプログラムと、子を育てるためのプログラムは別にあるんです。

だから、恋愛感情だけでは子どもが生まれたあとの夫婦は関係性をたもつことができないし、そもそも恋愛感情は消えていくのだから、そんな不安定なものにすがってはいけないんです。

恋愛が終わってからが、夫婦の愛を育てるタイミングなんじゃないのかなって思っています。

子どもが生まれて4年が経ったころに、ぼくはやっとそのことに気がつきました。

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