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家事分担の不公平問題はなぜ起こるのか?有償労働と無償労働の観点から考えてみる。

こんにちは。

以前、夕飯の支度に疲れてしまうのでピザをデリバリーしたら、部屋からのそのそ出てきた旦那が値段を聞いて、ピザ代が高いと文句を言うというツイートがバズっていました。

デリバリー代5,400円の中には、食事代以外の値段も含まれており、夫は妻と同じ目線に立たないと理解ができないと、記事は書いたのですが、今回は別な視点から書いてみようと思います。

労働には「有償労働」と「無償労働」がある

社会学や経済学では、お金を稼ぐ労働のことを「有償労働(ペイド・ワーク)」と呼び、それ以外の労働を「無償労働(アンペイド・ワーク)」と呼んでいます。

では、子どもがいる家庭にとっての有償労働と言えば、会社で働くことだったり、自営業であれば自宅や勤務先での労働がそれにあたります。

では、無償労働とはなにかと言えば、これが家事育児にあたります。

家事育児だけでなく、公共料金の支払いや、子どもの学費積立であったり、家の中のメンテナンスなどもあります。

家庭内の無償労働がどれだけあるか、ざっと思いつく限り書いてみますね。

◾️家庭内の無償労働
・子どもを起こす
・朝食を作る
・子どもに朝食を食べさせる
・家の中からゴミを集める
・ゴミをゴミ集積所まで運ぶ
・子どもの幼稚園や保育園や学校の支度をさせる
・食器を洗う
・ダイニングとキッチンを片付ける
・幼稚園や保育園に子どもを送る
・家の中を掃除する
・洗濯をする
・洗濯物を干す
・布団を干す
・昼食の準備をする
・(子どもが家にいれば)昼食を食べさせる
・食器を片付ける・買い物に行く・夕飯の準備をする
・幼稚園や保育園に子どもを迎えに行く
・子どもに夕飯を食べさせる
・食器を片付ける
・ダイニングとキッチンを片付ける
・お風呂を沸かす
・子どもを風呂に入れる
・体を洗ってやる
・子どもが風呂から出たら体を拭いてあげる
・保湿剤を体に塗る
・パジャマを着せる
・遊びの相手をする
・絵本を読み聞かせる
・添い寝や抱っこなどして寝かしつける
・洗濯をする
・ダイニングやリビングの掃除をする

他に、育児以外では
・子供の学費のシミュレーション
・子どもの習い事を考える
・子どもが病気であれば病院に連れて行く
・年齢に応じた育て方(しつけなど)を調べる。

などなど、いくらでも出てきます。

育児に関しては、だいぶ細分化して書きましたが、それぞれの細分化された工程が地味に大変だったりします。

圧倒的に無償労働の方が労力がかかる

ぼくは三男が生まれた時に、3ヶ月の育休を取りましたが、そこでやっと家庭内の無償労働のほぼすべてを経験することができました。

その後、仕事に復帰しましたが、復帰して最初に思ったことは「家事育児より仕事の方がめちゃめちゃ簡単」ということでした。

仕事に関しては、(やり方が分からなくて悩みに悩んで鬱になる)ということはほぼないです。

初めての仕事でも、だいたい「引き継ぎ」を前任者から受けますし、同じ部署の誰かに聞けば色々と今までのやり方などを教えてくれます。

ですが、家庭内の労働に関しては、特に育児に関しては、誰も「引き継ぎ」をしてくれないですし、同じ部署の同僚も存在しません。

たった一人っきり(夫婦なら二人)で、始めての労働にあたらないといけません。

今までやったこともない労働(育児)を、誰からも親切丁寧に教えられることもなく、たった一人で行うんです。

これが、オフィス仕事より簡単なわけがないんですよね。

しかも、育児という労働には、子どもの命がかかっています。

子どもがなんらかの事故で亡くなる事件はしょっちゅう起こりますし、そんなことになったら悔やんでも悔やみきれません。

オフィス仕事で誰かが亡くなるなんて、そんなしょっちゅうないですよね。

仕事中の死といえば、せいぜい過労死ですが、すべての職場で起こっているわけではありませんし、最近は働き方改革で減ってきていると思います。

育児に比べると、オフィス仕事というのは、本当に恵まれた環境だなとしみじみ思います。

正解が分からない中、誰にも相談できず、近くに親が住んでいなければ頼る人もおらず、たった一人で暗闇の中を走らなければならない。

子育てがこんな環境であること自体が間違っているわけですが、現実はこうなのです。

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