なぜ、ネット記事が夫婦関係改善に役立たないのか?
「ネットの記事やアツさんのポッドキャストを聴くのを最近やめているんです。どうしても不安を煽られてしまって、妻に有効じゃないアプローチを取り続けてしまうんです」
先日、妻との関係に悩むある方からそんな言葉をいただきました。
夫婦関係改善に関するネット記事やポッドキャストを聴いていると、どうしても不安を煽られてしまう。
まるでそんなことを言われているかのように感じる。
不安になる気持ちを打ち消すように、ネット記事のアドバイスを実行するのけど、自分の妻には効果がないように思える。
きっと行動が足りないからだ。もっと行動しなければと、さらに行動を重ねる。
だけど、妻はますます離れていく。
ぼくもぼんやりと考えていたんですが、万人に通用する「具体的」な改善方法ってないんですよね。
では、いったいどうすれば自分たちにとっての夫婦関係改善方法は見つかるのでしょうか?
◇
一般的には男性は家事育児への参加が足りないから、もっとそこに力を入れましょうと言われますよね。
実際、ぼくもそうしていました。
ですが、そうすると「家事育児」をすることが目的化して、点数稼ぎのような意識になっていくんです。
妻が洗い物で困っている。よし、ここで皿洗いをすれば自分の株が上がるぞ。妻からの評価も上がるに違いない。
だけど、実際は妻から褒められることはないし、妻へのアピールが透けて見え違和感を抱かれがちです。
もちろん、夫側の家事育児負担率が低く、妻側に負担をかけている場合は積極的に関わった方がいいですが、どこまで何をして欲しいのか人それぞれ異なるんです。
ネット記事は「夫婦関係に悩む人」全般がターゲット読者になるため、多くの人に共通する課題が書かれていることが多いです。
料理、掃除、洗濯、保育園の送り迎え、子供の宿題のチェックなどなど。
これらの課題に夫が関わっておらず、不満を抱いている女性がターゲット読者です。
記事を読んでもらうためには(この記事、私のことが書いてある)と思われる必要があるので、夫に不満を抱く女性が共感を抱きやすいような構成になっています。
夫への不満を喚起させ、その不満に寄り添うことでカタルシスを与える。
あえて不満を煽るような書き方がされていることもあります。
それを読んだ男性は、(ここに書かれていることをやらないと夫婦関係は破滅するのか……。やらないと!)と焦りを感じます。
ネット記事は、女性にカタルシスを与え、男性には不安を煽るようにできているからです。
意識してそう書いてはいませんが、もしかしたらぼくの記事にもそういったものがあるかもしれません。
そして、記事に書かれていることを行動しても、うまくいく人といかない人がいます。
「夫婦」という言葉で簡単にくくられますが、人間はみんな性格が異なるので、関係改善に有効なアプローチもそれぞれ異なるんです。
そのアプローチが具体的になればなるほど異なってきます。
皿洗いをして欲しい、子どもの習い事の送り迎えをして欲しい、風呂掃除をして欲しい、料理を作って欲しい。
みんなそれぞれです。
逆に夫にやってほしくないこともあります。
今しかない子どもとの時間を大切にしたいから、寝かしつけは自分がやりたい。保育士さんと話すと子どものことがよくわかるから、保育園の送り迎えは自分でやりたい。
夫婦関係改善のための「具体的な行動」については、他者の意見を鵜呑みにしない方がいいんです。
それよりも、もっと根本的な部分に目を向けた方がいいです。
◇
妻が夫に不満を抱く時は「切り離されたような寂しさ」を感じる時です。
頼りたかったのに断られた。優しくして欲しかったのに冷たくされた。助けて欲しい時に見捨てられた。
いろんな方とお話ししましたが、根っこはとてもシンプルです。
ここに向き合うんです。
”自分の妻”は、いつ、どこで、どういう時に、「切り離された寂しさ」を感じたのか?
本当はどうして欲しかったのか?
これはどんな本にも記事にも書いてありません。ぼくのポッドキャストでも話されていません。
なぜなら、それはあなたとあなたの妻の間にしか存在しないからです。
これは不甲斐ない自分と向き合う作業でもあります。
至らない自分を直視することは辛い作業です。
ですが、ここを乗り越えないと、このステップを踏まないと、次には進まないんです。
妻との会話の中にきっとヒントはあるはずです。
反射的に反発を感じることもあるでしょうが、それはネガティブサイクルの入り口です。
情けない自分を客観的に見つめ、妻が求めていたあなたの姿を追求するんです。
そして、日々の行動に落とし込むんです。
あなたの妻が求めていることは、そんなにたくさんないはずです。
なぜなら、「情緒的な繋がり」が基本にあり、そこを満たすことができればいいからです。
料理、掃除、洗濯、育児。
何もかもができる夫がいい夫じゃないんです。ぼくだってできません。
妻に「切り離された孤独感」を与えない夫がいい夫なんです。
妻との「情緒的な繋がり」を意識できる夫がいい夫なんです。
そこを基本にすれば、「あなたとあなたの妻にとっての」最適な夫婦生活がきっと見えてくるはずです。
うまくいくことを祈っています。
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