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知られざる呉服業界の光と闇!孤独な女性は要注意?

ぼくは新卒で呉服販売員を一年半していたんですが、まあ光と闇のコントラストがえげつなかったんです。

綺麗じゃない話なのであまり表に出てこないと思うんですが、どんな職場だったか書いてみようと思います。

闇の部分から話すと三つありまして、一つはブラックな販売手法です。全部の店舗がそうじゃないですが、販売クロージング時に1人のお客さんを3〜5人の販売員が囲って買うまで帰さないなんてよくありました。

年に2回、京都で大きな展示販売会があるんですが、日本中からお客さんと販売員が集まるので、あちこちでそんな光景が繰り広がれていましたね。

ぼくらの店舗は路面店でお客さんの数が少ない(他の店舗はイオンなどに入ってるので、お客さんはどんどん獲得できる)ので、囲み販売によるデメリットの方が大きいのでやってなかったです。

だけど、クロージング時には販売員が3人くらい来て、最後の締めをすることはよくあるんですよね。ただ、あまりにしつこいともう来てくれないので、潮時をわきまえるようにはしてました。

ショッピングセンターに入ってる店舗はお客さんに困らないので、魚を食い尽くすかのようにお客さんの財布を荒らしまくっている店舗もありました。全部じゃないですけど。

二つ目はノルマへの厳しさです。給料手取りは12万円くらいしかなく、あとは売り上げに応じた歩合です。ボーナスなんて存在しません。

直近3ヶ月の売り上げが1,000万円超えたら、次の3ヶ月間の給料が毎月プラス5万円になるとかですね。

12万円じゃ生活なんてできないので、ノルマを達成するしかなく必死でお客さんを開拓していました。それから店長の給料は店の売り上げによって決まるので、店長は店長で販売員の売り上げを上げるのに必死です。

売り上げを上げるためのノウハウを教えてくれる店長もいますが、なかには販売員を壁際に追い詰めて30分間説教し続けるなんて、今の時代には完璧アウトなマネージングしてる人もいましたね。

当時、ネット上ではぼくらの会社はブラック企業ナンバーワンに輝いており、1年間で3人に1人は辞めていきました。

ラッキーなことにぼくが働いていた店舗の店長はそんなことがなく、親身になって女性向けコミュニケーション術を教えてくれました。

語弊がある言い方になるけど、モテない男性は後輩を叱り飛ばし、モテる男性は後輩にも親切に対応していた気がします。

女性向けの仕事なので、女性の心をつかめないと結果は出せなかったし、上にも行けなかったんでしょうね。

三つ目は色恋トラブルです。既婚者の女性客と関係を持ってしまい、夫にバレ、会社にクレームが入りクビになった同期がいました。

他には常に4〜5人の女性客と関係を持ち続け、枕営業をしている同期もいました。店長クラスになったらそんなことできないですが、二年目とかだと仕事にもこなれてきてそういうことをしちゃうんですよね。ただ、そんなことするのは一部の人間だけでしたが。

ただ、お客さんとどうしても心理的に近づくので、そういった機会はいくらでも作れちゃうのも事実です。

次に光の部分ですが二つありまして、一つ目は「エンターテインで溢れている」です。

エンターテイメントじゃなくて、エンターテイン。人を楽しませることですね。呉服を売るには実は知識は重要じゃなくて、いかに目の前の人を楽しい気持ちにできるかが重要なんです。

ああ、この人といると楽しいなと思ってもらえて、呉服への興味がちょっびっとでもあれば、買ってもらえます。

逆に、呉服に興味があっても販売員との相性が最悪だとぜんっぜん売れません。笑っちゃうくらい売れません。

どれだけ、目の前のお客さんと心を通わせるか、いかに感情を共鳴させるかが大切なんです。

そのためには、目の前にいる人を楽しませることに徹するんです。自分のことばかり考えていてはダメなんです。

販売員同士もお互いを楽しませようと常に考えていて、会話はいつも楽しかったですね。

それから店の売上をあげるために一致団結するので、販売員たちの結束も固くてそのチーム感はとっても心地よかったです。今、ぼくは普通の会社で働いてますが、あれほどの一体感を感じた経験は他にはないですね。

二つ目は「爆上がりするコミュニケーション能力」です。

毎日、街中の家を訪問しまくり、月に一回の催事では朝から晩まで一週間販売し続け、毎朝先輩とロープレをしていたので、女性向けコミュニケーション能力はめちゃくちゃ上がりました。それは夫婦関係にも活かせているし、職場でも活かされている気がします。

男性って女性の話をちゃんと聞かないんですよね。論理的に理解しようとしちゃうと女性との会話は成り立たなくて、情緒的に聞かないとダメなんです。

エモーショナルリスニングというか、女性と話す時はリスニングのチャネルを変えないとダメなんですよ。

そのせいかぼくは職場で女性と仕事する機会が自然と増えて、取引先の女性からの口利きでいい条件での転職することもできました。

そんな感じで、呉服業界はかなり光と闇のコントラストが激しい世界でしたね。

それから、呉服にハマる女性の特徴を最後に言うと、「呉服に強い興味があるか、孤独か」のどちらかでした。

話を聴いてもらえる人が呉服の販売員しかおらず、通っているうちに唯一の居場所になっていく。そして、販売員はその心の隙につけ込んでいく。そんなこともありました。

もう二度と戻りたくないですが、学びの多い場所だったなと懐かしく感じる時もあります。

この話は今朝の夫婦関係学ラジオSHORTでも話しているので、聴いていただけると嬉しいです。

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