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「哲学」を持て。――『ハートドリブン』読了

■読了日記 Vol.1『ハートドリブン——目に見えないものを大切にする力』

[約4000字 所要時間約9分]

僕の恩人、サークルの先輩Rくんにお借りした『ハートドリブン~目に見えないものを大切にする力~』/塩田元規(幻冬舎・2019)をやっと読了。

ハートドリブンというタイトル通り、1ページ目から最後のページまで、熱い魂と筆者の温かい心をフルスロットルで感じ取ることのできる本だった。

■学びの概要

▷STEP1.内面と丁寧に向き合うこと。

「リーダーの器以上に組織は大きくならない。」

自分の生きがいについて語る小さな内側の声に耳を傾けること。ネガティブな感情もその存在を認めること。夢や目標を持つことが”高さ”なら、自分の内面にある感情に丁寧に深く向き合うことは”幅”を広げること。

▷STEP2.哲学を持ち、哲学を貫くこと。

内面深くと向き合い、内面にある感情のWhyを徹底して考え抜くことで哲学を持て。目に見えない哲学や思想を持ち、信念を持って突き抜けろ。

▷STEP3.「義理合一」

「力なき哲学は、無力。哲学なき力は、暴力」

哲学はアップデートしながら、スキル、能力、力を付けよう。夢を追いかけても、実現するには自分に力がないといけない。ただの夢想家で終わってしまう。

自分が信じた哲学を通し抜いた経営者の”成功例”

今、就職を前にしたこのタイミングでこの本を読めて本当に良かった。

去年11月、Twitterで自分の気づきを発信すると決めてからずっと内面には「おれにはスキルがない。Twitterはすごい人にあふれている。そんな中で、何のスキルもないペーペー大学生が偉そうに呟いていていいのか」という気持ちがあった。

そう思うのはきっと内面を語ることがTwitterには向いていないこと(現にnoteで内面語ることが多い)、そして何より、自分の感情や哲学が明確でないうえに、自分自身の理解が薄いことが原因だった

それでも自分の心にある思想や哲学というのは自分が長い人生を”幸せに”歩むうえで絶対に必要になると信じていた。

『7つの習慣』や『生き方』などの名著を読んでいても、本当に人生に成功している人たちには共通して、人生の指針となる哲学が存在していたから。

「起業したい自分」

「内面の充実こそが人生においては大事と考える自分」

「哲学や夢だけじゃ生きてはいけないと考える自分」

こういった色々な自分がいるけど、信じるものを持ちながら”現場”を感じたことのない自分にのしかかる不安は大きかった。だから、この『ハートドリブン』は自分が信じた哲学を通し抜いた経営者の成功例として、自信を持たせてくれるものだった。

「自分のやり方は間違ってはいない」と。


本を読んでの学びを書き連ねていきます。

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STEP1.内面と丁寧に向き合うこと。

「リーダーの器以上に組織は大きくならない」

優しい心を持った熱い太陽のような著者が、この本で伝えたいことはたぶんここだ。「自分の哲学を信じたい起業家たちよ、『感情を鍵に、心の扉を開いて』内面の器を大きくしろ」ということだ。

■心に残ったのフレーズたち

「怒りや寂しさの感情があってもいいんだ。それを切り捨てずに、丁寧に扱うことが大切なんだ」/ P.141

「経営者、起業家、リーダーは、自分の内面が変わると、自分のありかたが変わり、会社・組織の大きく変わっていくことを体感していると思う」/P.76

「抑圧された感情も自分の中にあるのに、それをなかったことのように扱うと、その感情を体現している人を見たときに、それを許せないという怒りのような感情が出てくる。抑圧している自分の中に、本当は自分もそうありたいという想いがあるからだ」/P.142

「自分の内側にある違和感に気付く。最初は言語化できない感情でいい。その感情は自分の進化への可能性だ。」/P.225

■学び

不安や葛藤、苦しみから逃げないこと。世間一般には、ポジティブな感情を持つことが推奨されるし、なにせ今の時代はコミュ力戦国時代。だからこそ、自分と見つめ合う時間を大切にし、今どんな不安や葛藤、苦しみを抱えているか、認識すること。ポジティブな感情を認識することも大事だけど、本当の自己認識のためにはネガティブな内面を認めることが大事。

この本を読んでから、心に浮かぶいろんな不安をノートに書くようにした。

これは言ってみれば不安を”ちょっかい”と”壁”に分ける作業だ。効果てきめんで、たいていの不安は”ちょっかい”のように書き留めることで消えていく。しかし、根強く脳内を支配して何度も現れる不安は、今までにも何度か脳内を支配していた”内面の壁”であることに気づいた。この”気づく”が大切で、存在を認識することで自分の応対が変わる。「まぁた来たなこの不安ヤロウ!内面の進化を進めるサインだなこんにゃろう!」と不安を可愛い味方のように認識できるようになった。

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STEP2.哲学を持ち、哲学を貫くこと。

内面深くと向き合うだけではいけない。これは就活で言う自己分析だけ終えた状態だ。その先にある”ビジョン”=企業で成し遂げたいことを描くためにも、内面にある感情が起こる理由=Whyを徹底して考え抜くことが大切だ。

「なぜ、自分はこの感情を抱いたのか?」

「その先にどんな状態を望んでいるのか?」

これが哲学になっていく。そうして得た哲学を貫くには、多様なものを受け入れる、心の器があってこそ。STEP1で内面を深く見つめることが大切な理由はここにある。

■心に残ったフレーズたち

「”Goodは、Greatの敵”、自分の内側からスタートし、魂の込められたものじゃないとダメだ。自分が信じることを表現していかないと先はない」/P.132(『ビジョナリーカンパニー』参照)

信念を持って突き抜けられるか。そして、自分が関わらないものが突き抜けるのを受け入れられるか。」/P.134

「もし自分が大切に思っている人が全く関心を寄せなかったとしても、それを手に入れたいと思うだろうか?」/P.169

■学び

最後の言葉はすごく自分に響いた。自分の大切な人に、思いを告げた。

当然驚かれ、自分の思いを言葉にすることはいわゆる「意識高い系」の人がやっていることだと思われた。もちろん理解の範疇外だと、興味ない、と。今までの自分であれば深く傷つく事件だったと思う。

それでも心が折れなかったのは、きっと自分の思いが強かったから。今までなんでもできるGoodな人間にあこがれていた。でもそれじゃ大切な人を自分の力で幸せにはできないって、自分に力がなければ大切な人は守れないって思ってるから、「哲学」を見出してGreatな人間になりたいと心から渇望したんだ。

まだまだ心がブレているのはきっと、自分の哲学が荒波にもまれることがないことと、その哲学を貫き通す力がない自分がいるから。

「早く働いて自分の哲学を証明したい」っていう自信満々な自分と、「このまま未来があるという可能性の中に生きていたい」自分が葛藤している。

この葛藤こそが次のSTEP3、義理合一につながる。

義理合一

STEP3.『義理合一』

「力なき哲学は、無力。哲学なき力は、暴力。」

『義理合一』とは、著者が大切にする渋沢栄一の言葉。「大儀と利益、その一見、二律背反することを統合するのが経営者の仕事だ」という内容だ。自分はきっと、この言葉の登場を心待ちにしていた。

■心に残ったフレーズ

「夢を追いかけても、実現するには自分に力がないといけない。ただの夢想家で終わってしまう。」/P.91

諦めるっていう選択肢は、最初から諦めていた。覚悟を決めたら、やると決めたことをやればいい。肉体的にはしんどかったけど、走ればよかった」/P.98

■学び

自分の力不足は認識している。というか、のうのうと生きるペーペー大学生が、圧倒的な力と現場を知る人たちの土俵で戦うこと、比較すること自体がナンセンス。それでも、今では420人近くが自分の言葉を見て、フォローという一歩を踏み出してくれたのだから、やってみないと分からんものだ。

「義理合一」には今まで見て来たとおり、1.内面と深く向き合い感情を丁寧に扱うこと、2.哲学を導き出し信念を持って貫くことという土台が大切だ。

あとは、その哲学を信じて社会にボッコボコにされよう。やるからには全力で。全力で上司の仕事を真似しよう。全力でお客さんのために働こう。全力で仲間のために働こう。自分の哲学という灯台さえ見失わなければ、1年後、3年後、気づいたら実力はついている。

まとめ

STEP1.内面と丁寧に向き合うこと。

「リーダーの器以上に組織は大きくならない。」

自分の生きがいについて語る小さな内側の声に耳を傾けること。ネガティブな感情もその存在を認めること。夢や目標を持つことが”高さ”なら、自分の内面にある感情に丁寧に深く向き合うことは”幅”を広げること。

STEP2.哲学を持ち、哲学を貫くこと。

内面深くと向き合い、内面にある感情のWhyを徹底して考え抜くことで哲学を持て。目に見えない哲学や思想を持ち、信念を持って突き抜けろ。

STEP3.義理合一

「力なき哲学は、無力。哲学なき力は、暴力」

哲学を磨きながら、力を付けよう。夢を追いかけても、実現するには自分に力がないといけない。ただの夢想家で終わらぬように努力するんだ。

最後に

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。Twitter以上に自己内面を明らかにしていくツールとして書いているnoteを、わざわざ時間を取ってお読みいただけていることが本当にうれしいです。心から感謝申し上げます。

『ハートドリブン』にも感謝をしています。我ながら、この本を読むタイミングが自分の中では最高でした。おそらく万人に受ける本ではないなと、著者本人も「”いっちゃってる”本」と言っているくらいなので。著者の魂や情熱や感情を全身で感じられる、そんな本でした。哲学を貫くこと、人の感情を大切にする人はぜひ読んでいただけたらなと思います。著者の塩田さん、大切な学びをありがとうございます。

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