【ヒロアカ33巻】私にとっての「僕のヒーローアカデミア:ライジング」
「僕のヒーローアカデミア vol.33」、ついに発売されましたね!
この記事ではがっつりネタバレありで、33巻の感想を語っていきたいと思います。
先に書き手のことを書いておくと、私は、お茶子というか、デクとお茶子というか、お茶子というヒロインの描かれ方というか……とにかくまあお茶子が特別好きなキャラクターです。
いやでも作品全体に貫かれるスタンスとかが好きな作品なので、もちろん主人公であるデクも好きだし、文化祭編とびきり好きなので耳郎ちゃんも好きで、むすたふの2人も好きで、挙げだせばキリがないんですが……。
とにかくずっと「『麗日お茶子:ライジング』が来たらしんでしまう……」と思っていたんですけど、なんかもう今回の巻は「麗日お茶子:オリジン」でもあったし「麗日お茶子:ライジング」でもあったし、ただそこに留まるようなスケールじゃなくて最早「僕のヒーローアカデミア:ライジング」だったなと思って……。
それでこの記事のタイトルはこんな感じになりました。
まあ、そういう愛し方(?)をしている人の感想です、という前置きはその辺にしておいて、早速本題に入っていこうと思います。
今回の感想は基本的にストーリーそのまま時系列で書いています。
あとヒロアカの単行本の感想を書くのは今回が初めてなんですが、アニメの文化祭編の「Hero too」の和訳+感想の記事を過去に書いているので、一番最後にリンクを貼りました。よろしければそちらもぜひ。
No.319 友だち
さて、「いたぞ てめェら」という、「デクを探していたこと」「誰かに呼びかけており、複数で行動していること」が示される最高の台詞が引きだった32巻。
33巻の始まりは、デクと特に仲が良く、今回の表紙と中表紙を飾ったお茶子と飯田くん+トップ3のもとにインターンに行っていたかっちゃん・常闇くん・轟くんのセンターカラー。
今回、カバー絵と中表紙が同じ3人なのに雰囲気が真逆ですごい……。
ロビーに集まっているA組全員、そこで一際引き締まった表情をしているお茶子。
「強引に行こう」の、本気度が滲む毅然さに、31巻ラストの悔しそうな「ばかやろう」から既に切り替えているような雰囲気を感じます。
連絡手段をすぐに思いついたあたりや状況をこじ開ける姿勢にはデクを思い起こさせて、「デクくんみたいに」と「ヒーローが辛い時…」という異なる眼差しの両方をデクに向けてきたお茶子の、その後者が本領発揮されようとしていることに期待と興奮がすごかったです。
校長とエンデヴァーとA組の対面、エンデヴァーの「その気持ちだけで俺は救われているんだ」に対する轟くんの「俺は救われねぇよ」が切実でつらい。
かっちゃんの「概ね正しい選択」「デクの事わかってねぇんだ」「2人にしちゃいけねぇ奴等なんだよ!」の説得力……。やっぱりずっと頭の中にあって思ってたことなのかな、と思わされました。
エンデヴァーの端末に飛びついた面々は特に仲良かったとかではなくて、本当にただ「偶々同じクラスになっただけ」で、それでも全員がエンデヴァーやこの危機に向き合っているということ。
委員長の飯田くんが締めくくる、「緑谷くんは友だちです」というそれだけが彼らをここまで突き動かしていて、この19人は全員ヒーロー志望なのだと改めて思い知らされる場面でした。
そしてその回想が終わり、デクを連れ戻す場面へ。
さらっとダツゴクレベルの敵を確保してるの、A組も裏での成長がすごいですよね。その後も新しい必殺技バンバン出てくるし……。
何で来たのかと問うデクに「心配だからだよ」と真顔で答えるお茶子。そこに続くかっちゃんの「笑えてンのかよ?」というこの2人の言葉、デクの目指すヒーロー像と真逆で辛い。
インターンの前にミリオが「君はどういうヒーローになりたい?」と問うて出てきた答えがこれでした。
「笑顔で」「心配させることのない」ができていないデク。
ボロボロのマスクで項垂れている一コマを挟んで、「笑う為に」「安心してもらう為に」と「どいてよ 皆…!」とA組と対峙することになります。
ここで見開きで向き合っている3人、かっちゃん、お茶子、飯田くん、納得の3人すぎる……。
前々からデクの危うさや頑なさに気付いていて、デクに何かあったら手を差し伸べる準備や覚悟ができていた3人だなと思います。
No.320 デクvs A組/No.321 A組からOFAへ/No.322 大・爆・殺・神ダイナマイト
続く話のタイトルは「デクVS A組」!
こんなタイトルが来ることがあるなんて……。
煙幕に即対応したかっちゃん、そしてここからA組が練り上げてきたであろうデク対策が畳み掛けられます。
もうね、これまでのA組メンバー1人1人とデクとのエピソードが回想で入ってくるの本当にずるい。
しかもこの順番、エピソードが少しずつ過去に遡っているんですよね、もちろん戦略的なオペレーションが組まれているので前後はするんですけど。
それに加えて神野でかっちゃんを奪還したときの要素も顔を見せる感じ。
全体的な流れを追ってみると、以下のようになっています。
あ、でもその流れの話をする前にお茶子の話をしたいんですけど……。
このデクを連れ戻す流れは320・321話と分けられていて、1度目の梅雨ちゃんのところで320話が終わったので、私は本誌を読んでいいた当時、まだ出てきていないお茶子は何て声をかけるんだろうって本当にドキマギしていました……。もう、本当にね。
そして「行かせてたまるか!!」と飛び出した彼女から出てきたのは、神野のかっちゃん奪還の回想をバックにした「デクくん!!」「あん時とはちゃう…」という台詞でした。全然なんかこう、デクとのエピソードとか感情に訴えるとかではなくて、二人が直接会話を交わしたわけではない言葉だったのは少し意外だったというか……(デクは又聞きでこの言葉を聞いているので)。
考えてみると、「皆に救けられんの 屈辱なんと違うかな」という言葉は、救ける側としての躊躇いを示す言葉だし、救けられる側に「助かる意志」がないであろうことを思う言葉でした。
「強引に行こう」と言ったお茶子は確かに「あん時」とは違って、デクに「助かる意志」がないことが分かってて、それでも絶対に救けるという、救ける側としての覚悟が見えます。
本当に「あん時」がこのとき通じてるなら思考回路通じすぎてすごいなって思いますが……、でも何にせよあんな一言呼ばれるだけでお茶子から目を背けるみたいにぎゅっと目を瞑ったデク。
お茶子、何度もデクの背中を押していますし、基本的に演習とかでも敵チームになることがなくて、少なくとも物語で見えてる中では多分デクが一番共闘してる仲間なんじゃないかと思います。
爆豪&飯田ペアと戦った初めての戦闘演習もペアだったし、入学のときも体育祭のときも背中を押してくれていて、仮免取得でも一緒に動く場面があって、A組B組合同演習も同じ班、その中で黒鞭が発現したときも助けてくれて、その後も「お互い向上したって事で!」と言ってくれて、個性の使い方もサポートしてくれて……。
そのお茶子がもしかしたら初めてデクに対峙している。
お茶子がデクに呼びかけた言葉、他のクラスメイトに比べるとめちゃくちゃ短いんですが、既に積み重なっている言葉があるおかげだけじゃなく、お茶子の呼びかけに対してあんなにぎゅっと目を瞑っているのは、お茶子の覚悟も力も信頼しているからでしょう。そして「デクくん!!」と呼びかけるだけで「頑張れって感じ」っていう意味が付与されるのが本当に……関係性として強すぎる……。
さて、全体の流れの話に戻ると、最後は飯田くんが手を取るんですけど、他は大きな流れでデクの雄英でのエピソードを遡っていて、つまりどんどん原点に向かっている。
マスクが取れて必死な表情が見えて、それでも「次は君だ」という重圧は身体に染み付いていて取れなくて――。
でも飯田くんが手を取ったとき、「余計なお世話ってのは、ヒーローの本質なんだろ」という、デクの原点そのものであるオールマイトの言葉、そして飯田くんにかけた言葉がデクに返ってくる。
そして「A組からOFAへ」という話タイトルが示されるのです。
OFAというデクが抱えているものに、A組も辿り着いたみたいに。
もうここまででもじゅうぶんすぎるくらい熱いのに、デクの原点に遡っていく流れは止まらず、切島くんがデクを受け止めた後、ヘドロ事件でかっちゃんのことを助けたことについて「特別だとか力だとか関係ねぇ―― あん時のおまえが―― 今の俺たちの答えだと思うぜ…!」と言われる。
だってこのときのデクはまだワンフォーオールを譲渡される前で……説得力。。。
「デクくんみたいに」を成長の原動力としていたお茶子もそうだし、飯田くんの「人を助けるために駆けつける」という信念を確固にしたのもデクで、過去のデクの言動がA組メンバーを通してデク自身に集約して向かっている構成になっているなと感じます。
過去の自分が誰かを照らしたことがあって、かつて自分が差し出した光を、その助けた誰かが大切にしてくれていて、今暗いところにいる自分をその光で照らす――かつての自分の行いによって自分が救われてしまう、暗いところにいられなくなってしまう、という構成が私は大好きです……。
もう動けなくなって、それでも「…そう…したいよ…」「けど」とみんなの思いに応えることを拒むデク。
そこに立ちはだかるのが、オールマイトに憧れて、というオリジンを同じくする爆豪勝己……。
ここまでは現在から過去に遡っていった流れでしたが、本音と謝罪の言葉が、幼い頃の彼ら、中学時代、雄英入学、そしてヒーロースーツを着ている現在へと、一気に戻ってくる。
謝ったこと、デクを認めたことだけじゃなくて、「俺“たち”が拭う」っていう複数形とか、「救けて勝つ」っていう順序とか、そのあたりも……かっちゃん……。
かっちゃんの言葉がデクに刺さって、やっとフラフラのデクを何とか立たせていた重圧が一旦解け、雄英に戻ってきたデク。
でも彼の表情は浮かなく、戻るのはダメなんだ、と零していて……。
中に入った途端の避難民たちの抗議に、諦めたような笑顔を浮かべているのが辛い。
そして黙って踵を返したデクの手を取ったのが、お茶子でした。
ここ、このデクに「大丈夫」と笑顔を見せた表情だけが、この一連のエピソードの中でお茶子が唯一笑っているシーンなんですよね……。
校長に掛け合ってエンデヴァー経由でデクに辿り着こうとしたとき、デクを連れ戻そうとして、それからデクが気を失って一旦落ち着いて、それでも彼女の表情は引き締まったままだったのに、デクの手を握って、というかもう、添えるみたいに触れているように見えるんですが、とにかくデクを引き止めて「大丈夫」と告げたその顔は微笑んでいる。
救ける相手に向けるヒーローの顔だ……。
そこから振り返った表情はもう切り替わっていて、もうね、倒れました……。
『僕のヒーローアカデミア』というタイトルの作品において、ヒロイン自身もヒーロー志望であるという側面を、ここまで真摯に描いてくれたことへの感謝と感動と……。
A組B組合同演習で黒鞭発現したときに出てきたお茶子のエピソードとモノローグ、ヒロアカの中で一番好きなくらい好きだったので、このモノローグで引きになって、もう、本誌を読んでいた当時に頭に浮かんだのは(死刑宣告……)って感じでした。
あ、そう、ここに13号先生出てくるの、ちょっと……かわいくてびっくりしちゃった……ファン増える絶対……。
No.323 一歩/No.324 未成年の主張
そして(死刑宣告……)って思いながら開いた323話。
1ページ目は雄英バリアに関する回想だったので寿命が伸びた……ってなりました。まあ回想だけじゃなかったので無事倒れたのですが。
どこかの単行本おまけか何かでデクとお茶子はほとんどパーツが同じって堀越先生が言ってたかと思うんですけど、回想明けの2人が並んでいるコマ、なおさら表情の違いが際立つというか……お茶子ずっとかっこいいんですよね……。ゾーンに入ってるみたい。
デクのお母さんとかっちゃんのお母さんが一緒にいて、物間がエリちゃんといて、洸汰くんたちもいる。
マイク先生に近付くお茶子、その前にジーニストが声をかけたけど、むしろ逆上して……。
それを(物理的にも)飛び越えていくお茶子。表情変えずに見守ってるのがかっちゃんっていうのがこれまた……。
かっちゃんとお茶子、体育祭でお茶子自身の作戦をデクの入れ知恵だと思ってたけどお茶子自身の作戦だったって知らされたり、キャラブック1冊目(Ultra Archive、ぜひ買ってください)の書き下ろし漫画で「麗日 あの野郎 ダメだ!!」ってなってたりするので納得です。
まあそれはともかくとして、こうして始まった「未成年の主張」。
「連れ戻したのは私たちです!」とこれだけの人数を前に責任を引き受けようとする覚悟。
「デ…」「緑谷出久は」と言い直したあたりや、「いつ襲われるかも分からない人間の姿を」とヒーローではなく人間として扱う言葉が人々の一歩のための背中を押していく。
「特別な力はあっても!! 特別な人なんていません!!」という、クラスメイトとしての、そしてヒーローとしての言葉。
無個性のデクが、特別な力を手に入れる――誰にだってチャンスはあるという可能性を描きつつ、特別な力を背負った人間を描いてきたこの作品において、めちゃくちゃ大事な言葉だと思います。
そしてこの人みたいにと憧れているヒーローに対しても、この人は助けを必要とする人間であるという眼差しを向けることのできるお茶子のヒーロー性……!
ここのラストのお茶子に校長の「そこにオールマイトをも超える 最高のヒーローが誕生するのだと」というモノローグにかかっていて、改めてヒロアカにおけるお茶子の存在感というか、存在意義の強さにちょっと驚きました。
で、ここに挟まるマイク先生の書き下ろし!!!
入試のときにポイント分けてあげられませんかって訴えにきたときのことを思いだしているマイク……。
本誌派なのでもうこのあとにどういう展開が待っているかは分かっていてだいぶ胸にきているのに、この書き下ろしはブーストでした……。
そしてついに324話。
「人の喜ぶ顔が好きだった」って、これはもう「麗日お茶子:オリジン2」みたいなものですよ。もうダメだ……。
避難民の反論に必死に自分の言葉を返して「戦っている」お茶子。
「君を含めた 全ての人の 笑顔のために」という言葉、顔を拭った次のページ見開き(単行本加筆)。
もうどんな言葉でも足りないから書きたくないまであるんですけど……。
ヒーロー・ウラビティ……。
続くモノローグ、「皆さんと同じ隣人なんです!」という言葉。
「余裕がなくて必死に助ける彼を 見てきたから思う」というのが、本当に、デクがそうやって必死に人を助ける姿によって、このヒーローをも助ける対象と考えるお茶子のヒーローとしての資質が磨かれたということなので、全部こう……返っていくし、高め合うことになっているのが、熱い……。
お茶子のオリジンの回想は続き、「共に明日を笑えるように―…」でトガちゃんも入ってくるのが、デクとお茶子は同じ眼差しを持つヒーローなんだなと思います。
畳み掛けられる訴えの言葉、デクの目からは次々と涙が溢れて、それでも「…でも…」と不安が拭えない人々に刺さった、最後の言葉。
ついに膝を折って泣くことができたデク。
演出というか、もう色んな要素が畳み掛けられる効果がすごいんですけど……。
「ここを 彼の」と「ここが 君の」で対等な同級生であることが示されて、入試当日のつまずいたところを助けてくれたお茶子の回想が挟まれる。
お茶子が雄英をデクにとってのヒーローアカデミアにしようとしてくれたのは、今回が初めてじゃなかったから。
お茶子のおかげでデクが雄英にいられるのは、雄英での日々の始まりとなった入試のときを含めて、これで2度目だから――。
それにしてもヒロアカって本当に、絵に感情を載せるのが上手すぎる……。
それから、最後にお茶子が言葉を重ねていく手前、モノローグは「ヒーローが辛い時」「ヒーローたちが辛い時」「ヒーローを守るのはきっと――」で途切れていました。
そして次に来たモノローグが、お茶子の「彼のヒーローアカデミアでいさせて下さい!!」に重なった、この作品そのものを表す言葉。
「僕のヒーローアカデミア:ライジング」だ……。
デクの心をついに解いて、そしてヒーロー以外の“あと一歩”にもなったから、洸汰くんと一般女性のお姉さんが駆け寄ってくれて……。
「みんなが最高のヒーローになるまでの物語だ」のページではデクが彼らに救けられる図になっていて、この話は本当に、色んな人が色んな立場として出てきていると思います。
お茶子もヒーローであり、ヒーローアカデミアの一員であり、デクもヒーローであり、ただの高校生で、ヒーローアカデミアの一員で、助けられる側の人間でもある。そして洸太くんは「来たよ! だからもう泣かないで大丈夫だよ!」と助ける側にもなって……崩れ落ちていたデクを立たせてあげたお姉さんもそうで……。
先ほども軽く触れたんですが、ヒーローのことも救ける、っていうお茶子の着眼点、ヴィランさえも救けようとしているデクと、方向性は違うものの根底に同じものを持っていると考えています。ヒーローは市民を救ける、とかじゃなくて「救けを求めているように見えた」「救けが必要な人に見えた」という眼差しの持ち主という意味で。泣いていたトガヒミコが回想として挟まっていたこともそれを強調していると解釈できそうです。
敵さえも救おうとする主人公がいるこの物語で、その主人公を救おうとする同級生としてお茶子がいたこと。
今回の話では「みんなが最高のヒーローになる」には「みんなで最高のヒーローになる」必要がある、ということが描かれていた、と考えていいと思うんですが、そのためにお茶子の眼差しが必要だったのだと思うと、本当に、お茶子を好きでいてよかったし、ヒロアカを好きでいてよかったという気持ちです……。
No.325 つながるOFA/No.326 お前は誰だ
さて、未成年の主張がひと段落つく325話、話タイトルは「つながるOFA(ワン・フォー・オール)」でした。
ホークスの「もしも 全員が少しだけ “みんな”の事を思えたならきっとそこは」という言葉、この言葉自体が「ワン・フォー・オール」という言葉の元々の意味で、それが「ヒーローが暇を持て余す 笑っちまうくらい明るい未来です」という台詞に繋がっていく。
私は人間の善性とか、きれいごととか、理想論を諦められないキャラとか作品がすごく好きなんですけど、ヒロアカが好きな理由の一つにそれもあって、だから今回のエピソードはもう……すごくすごく胸熱でした。
ここから大人たちのターンになっていきますが、相澤先生の優しい顔よ……!
相澤先生すごく好きなんですけど……あの、インターンでエリちゃん奪還作戦が始まる前の「俺が見ておく するなら正規の活躍をしよう 緑谷」ってしゃがんで胸トンする相澤先生、ヒロアカの中で相当好きな場面なのです。あとデクの黒鞭発言を助けたあとのお茶子に「いい成長をしてるな」てサラッと褒めたところも相当好き。
今回書き下ろしされたマイクのあのページもそうですし、戻ってきていいと言った校長もそうですけど、ヒロアカは大人たちが大人の役割を果たしていてちゃんと生徒たちを守ろうとしていて、それがかっこよく描かれているっていうのも好きなところです。
しかもその大人としての役割と、これまで自分の人生を生きてきた1人の人間という側面の両方が描かれるのが、すごく好きです。
そして彼もまた人間であるオールマイトと、そのヒーロー性に執着していたステインのエピソード。
「英雄の心は他が為にのみ存在を許される」というステインの言葉、逆にヒーローという立場だけが人を英雄たらしめるわけではないとも解釈できて、「みんな」が主語になった直前までの流れに一層説得力を与えていると思います。
ところで「雨風に負けず僅かな人間たちの間で火継され」というステインの言葉があり、最後に「雨…止みそう」という見開きで326話は締めくくられますが(ちなみにこの見開きも単行本加筆)、2021年33・34合併号(2021/7/19発売)の本誌の巻末コメントで、堀越先生が以下のコメントを残しています。
タイトル回収とか、主人公の名前の由来ありきの描写とか、本当にこの一連の流れがどれだけこの作品にとって根幹であったかという……31巻のカバー折り返しコメントで堀越先生が「「連載が続いたら、こうなるんだい!」と妄想していたものを、今描いています。」とおっしゃっていましたが、本当に、読んできてよかった……。
「雨ニモマケズ」、青空文庫のリンクを貼っておきますね。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html
No.327 REST!!!/No.328 つながるつながる
さて、327話。久しぶりのA組わちゃわちゃで安心する……みんなかわいい……。
それにしても私は……あの……デクとお茶子の会話が見たかったんですけど、それは叶わずでした……。でも寝てる間色々浮かさないように手袋して寝てるんだね、かわいいね、という情報を得られたのでよかったです。。。
轟くんの真似する峰田と「停学」みたいなツッコミ入れる瀬呂くん、あとの耳郎ちゃんの場面でも同じようなやり取りしててかわいい。
それにしてもお風呂のシーンでもロビーでも、OFAのこともかっちゃんの謝罪のことも変に気を遣わず茶化しすぎずなA組のみんなが本当にいい子……。
轟くんもしっかり乗り越えてていい子だし、耳郎ちゃんもいい子すぎる……20人みんなヒーロー志望で色んなこと乗り越えて変化して成長していくの、本当に……ヒーローアカデミア……!
全部糧にしていく、発展途上だからこそのワクワク感が本当にすごい!
いやこんなの今さらなんですけど、今さらだけど、っていうことを何度でも新鮮に実感させてくれる作品に出会えて本当に幸せですよ……。
そしてラスト328話、アメリカのヒーロー・スターアンドストライプが登場。
画風!!!
いやまあここからに関しては、本誌を読んでて展開はもう知っているのでここであまりがっつり語るのはやめておこうと思います。
それでも次巻が楽しみ!!! うおー!
おわりに
というわけで33巻の感想noteでした。
「A組いい子……」「お茶子……ウラビティ……」「『僕のヒーローアカデミア』……」みたいな状態だったので、そこからここまで書くことができてよかったです。感想文書くとやっぱり何を書こうか考えてるうちに見つかる要素もあって、作品がいっそう好きになりますね。本当に書いてよかった。
本誌展開も相変わらずどきどきで、終章、どうなるのか分かりませんが引き続き応援し続けたいと思います。
いやでも私はデクとお茶子の会話が見たいよ!(ド本音)
でも焦らされた分だけやばいやつが来るのかな。いつまで緊張してればいいのやら……。えええでも私はいつかお茶子が「しまえなくなる」瞬間が見たいです。でもデクが誰か特定の一人を特別好きになるイメージが全く浮かばないんですよね。でも……でも今回の書き下ろしペーパーとかやばかったしな……でもあんなに穏やかでいるということはあのお茶子はヒーローとしてのお茶子だし。うーん。(この段落で何回「でも」って言ったでしょうか!)
まあ引き続きどきどきしていようと思います。
とにかく、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではでは。
▼ヒロアカのnoteの別記事(アニメ、文化祭編の挿入歌「Hero too」の和訳+感想)