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モロッコのカフェにて、殴り合いの喧嘩に巻き込まれる。 ~魅力的なフカフカ椅子編~

UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 2nd レグ。

レアル・マドリード vs マンチェスター・シティ


日本では朝4時に試合開始で、前日から気合を入れて早寝しなければならないような時間だろう。

だがありがたいことにモロッコでは夜8時キックオフ。

ということで、わたしはモロッコの友人5人とカフェで試合を観ていた。


ちなみにモロッコ人はめっちゃサッカーが好きだ。

大きな試合が開催される日は、テレビのあるカフェはどこもパンパン。すごい盛り上がりをみせている

もしモロッコでカフェを繁盛させたいのであれば、大きめのテレビを何台か設置してサッカーを常に流しておけば、ある程度の人は集めることが出来るだろう。


例に漏れず、私たちがいたカフェも1時間前には人がパンパン。試合会場さながらの熱気。

その試合中、わたしの友人グループの1人が、他の卓と取っつかみ合いの喧嘩になり、カフェ中の人たちが間に割って入り、止めるという事態に陥ったのだ。



しかも、原因はサッカーではない。


フカフカ椅子の取り合いで、だ。



最初のきっかけは、ハーフタイム中だった。

わたしの友人(仮にAくんとする)がトイレに行った隙に、パイプ椅子に座っていた友人(仮にBくん)が、Aくんのフカフカ椅子に座ったのだ。


Aくんが帰ってきたとき、自分のフカフカ椅子に座っていたBくんの姿を目の当たりにする。


Aくん、まさかの大ブチギレ。


他3人の友人が「まぁまぁ、おれのフカフカ椅子に座れよ」と大人の対応を見せるが、Aくんはなぜか自分の席に固執。そしてさらになぜか、Bくんもそのフカフカ椅子を一向にゆずらない。


心のなかで、「Bくん、さっさと元いた席に戻れよ。。。」と願うも届かず。


怒りが止まらないAくん。

すると、Aくんは座っているBくんの胸ぐらを両手でガシッと掴んで、思いっきりブン!!とBくんをフカフカ椅子から引き剥がし、そのままの勢いで後ろに投げ飛ばしたのだ!!!プロレスさながら。


ドスっと元いたフカフカ椅子に座るAくん。床に転がるBくん。


Bくんは怒って、カフェを飛び出していってしまった。














はなしはこれで終わりではない。

終わってほしかったのだが、ここからが本番だ。


怒ってカフェを出ていったBくんを、フカフカ椅子に座っていた友人Cくんが追いかけていった。


ここで、あらたに1つの、空席のフカフカ椅子が生まれた



いつだって、フカフカ椅子は争いの火種なのだ。



ことは突然起きた。


あろうことか、後ろに座っていた知らんおじさんが、自分のパイプ椅子と、Cくんのフカフカ椅子を交換しようとしたのだ!!!!!!


それを見たわたしたちのグループ全員、大ブチギレ。


すると相手の知らんおじさんも大ブチギレ。

ダリジャ(モロッコ方言のアラビア語)で話しているので、わたしには何を言っているか分からないが、かなり語気を強めて罵りあっている。


そしたらなんと、相手のおじさんが、机の上にあったジュースの瓶を逆さに持ち、すごい怖い顔してこちらに近づいてきたのだ。


やばい!!!これはやばい!!!!!!



そのおじさんの様子をみた、わたしの友人Dくん。

大大大ブチギレ。


机の上にあるわたしのジュースの瓶を逆さに持ち、その近づいてきたおじさんに向かっていく。


流石にみんな「やばいやばい!!」となり、周りにいた大人たちで2人の間に入り、なんとか抑えて直接衝突は避けた。


すると、騒ぎを聞きつけたBくんとCくんが、カフェにもどってきた。


事情を理解したCくんが、自分の元いたフカフカ椅子に座った。


瓶を持ってブチギレたおじさんは、流石に居心地が悪くなったのか、試合を観ずに帰っていった。


一件落着し、再度みんなで落ち着いてサッカー観戦が始まった。


サッカーは素晴らしい試合だった。とても白熱したゲームだった。会場さながらの熱気で、みんな心からサッカーを楽しんでいた。

これくらいサッカーを楽しむには、フカフカ椅子を取り合って大喧嘩を始めるほどの、健やかなこころが必要なのかもしれない。

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