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ぜんそくの状態をデジタルで把握する

前回のApple Watch第1世代での心電図モニターで個別に問い合わせを頂戴したので、今回は第2弾のデジタルヘルスチェックデバイスの話。
前回の記事はこちらから↓

 子供の頃から小児ぜんそくだったのだが、まぁ今は大人なので、単なるぜんそくだ。

 花粉やハウスダストや犬や猫などの動物の毛や、たばこの煙で症状が悪化する、いわゆるぜんそく発作になる。

 ぜんそくは、肺の中の気道という吸った空気が通るパイプの表面の細胞がアレルギー反応で炎症を起こして、腫れ上がって(じんましんで赤く腫れ上がるような感じ)、気道が狭まって、空気の通りが悪くなり、呼吸をしても酸素を吸えなくて、苦しくなるわけだ。

 以下の図は、肺の気道の断面図で、左半分が正常、右側が炎症によって狭くなった気道だ。これじゃ、苦しくなるわけだ。(この図はShutterstock有料プログラムで著作権をクリア)

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 発作が起きると一生懸命に息を吸っても入ってこないし、ヒューヒューと音がする。血中の酸素濃度もどんどん下がっていき、動脈を流れる真っ赤な血液も、酸素がないと静脈を流れる血液と同様にどす黒くなっていく。これは赤血球内の酸素運搬を担うヘモグロビンが酸素と結合すると鮮血になり、酸素を放出すると黒っぽくなるためだ。だから、血中酸素濃度(SPO2)が85〜80%にまで下がるとチアノーゼになって、顔色が青く見えたりする。(この図はShutterstock有料プログラムで著作権をクリア)

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 そうなると指先はしびれて、モノを考えることもできなくなり、SPO2が70%を切ると判断力が低下し、不安定な精神状態や異常な疲労を感じて、いわゆる酩酊状態となり頭痛、耳鳴り、吐き気、嘔吐、そして体温上昇から意識朦朧となり、危険を感じても助けを呼べなくなり、そこで気を失って発見されないままであれば、心肺停止となって、ジ・エンドとなる、そう、ぜんそくは成人が年間で1000人ほどが死亡する疾病なのだ。

 おかげで小学校では体育はほとんど見学、年間で通算90日ほど入院していたこともある。留年しなかったのが奇跡だ。おかげで朝から晩まで本を読んで過ごせる特典付きだったが、苦しいときはそうも行かない。

 大人になっても治ったわけでもなく、会社に勤めているころは、風邪をひいては倒れ、ぜんそくを併発して1ヶ月ほど会社を休むということが多かった。新横浜から都内へ行くだけで、空気が悪いせいか、仕事をすることのストレスのせいか、きっちりと具合が悪くなる。まぁ、喘息にはストレスは大敵なんだけどね。

 飲み会へ誘われても、居酒屋が完全禁煙でなければ、数分で倒れてしまうので、できるだけお断りをしていた。どうしても行きたいときは、私が完全禁煙のお店を探して予約するという幹事をするしかなかった。

まぁ、私のぜんそくの話はキリがないので、本題に入ろう。

気道の炎症の状態を見える化する

 気道の炎症は、天候や気圧、体調によって程度の差こそあれ、多かれ少なかれ起きているようだが、これがある度合いを超えてしまうと、ぜんそく発作となる。いったん発作を起こして、気道の炎症が悪化すると、すぐには元には戻らない。緊急時には気道を拡張するクスリを吸ったりするが、それは対症療法でしかなく、クスリの効き目がなくなると、また気道が塞がってしまう。重度のやけどの時にはステロイドを大量に投与して炎症を抑えるのと同様に、ぜんそく激しい発作で、気道が炎症を起こしたときにはステロイドを投与する。クスリを投与する羽目になった時点で、手遅れで、できれば毎日の気道の炎症状態をチェックして、自分のぜんそくの危険度を理解していれば、危うきモノに近づかない体調管理も可能だ。

 そこでピークフローメーターという器具を使って(健康診断や人間ドックで、肺の検査をする器具があるでしょ?)、自分の肺の目に見えない気道の中の炎症の様子を測定することができる。そう、喘息の見える化だ。ただし、日本で手に入る一般向けの器具は、まるでおもちゃのようなモノしかない。

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これを口にくわえて思い切り吹くと、中に入っている色のついた浮きが吹き上げられて、その目盛りで、どれくらいの呼気を出せたかを測るのだ。ちょっと心許ない。

そこで、Amazonの出番だ。日本以外では、すでにデジタルピークフローメーター(スピロメーターというのが正式名称)が主流で、99ドルで手に入る。それがこれだ。これは、普通に注文できて、2週間ほどで到着した(送料がかかります)

送料は当時のレートで745円、本体は11,353円、合計で12,098円だった。
↓以下は開発元の特設ページで、詳しく説明が読める↓

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リアルタイムでスマホにデータが表示されて、毎日の記録がグラフになっていく。

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 疲れていたり、気圧が低かったりすると、如実に数値に表れる。毎日、これでチェックして、その日の行動範囲を決めたり、飲みに行くのをお断りしたりするように調整している。今まで、こうした喘息の見える化無しで、油断して調子を崩したり、無理をして飲み会に参加して、翌日倒れたりしていたが、退職してからは、おかげさまで大きな喘息の発作にまでひどくなることはなく、体調管理ができている。ありがたいことだ。

とくに、最近は毎朝8時からFacebookライブで講義を行っている関係で、喉の管理を含めて体調管理は不可欠だ。

やはり、あれだ・・・

測れないモノはカイゼンできない

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