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ファクトフルネスを読んでみた感想

2017年に出版された有名な書籍「ファクトフルネス」を読んでみました。
ファクトフルネスの簡単な内容紹介とそこから自分なりに生活に役立てられそうだなと思ったことをお話ししたいと思います。



読んでみたきっかけ

私がファクトフルネスを手に取った理由としては、統計学や人の行動のパターン化、予測について前々から興味があり、その中でベストセラーである本書に興味を抱いたからです。

私は元々生活を効率化させることに興味が高く、心理学や統計学を使って人の行動パターンや心理状態の分類分けがもしできたら生活を豊かに生きやすくできるのに、、と考えていました。

しかし、この本を読んでいく上で考え方を覆させる視点を得ることができました。


ファクトフルネスとは


「ファクトフルネス」とは・・・目の前のニュースやデータに対して偏見で捉えてしまう本能を理解し、疑いを持ち、偏見を捨てて事実を中立に捉えようということ。

著者は過去の度重なる調査から、人間は(国際会議に出席するような国を代表する教養を持った人たちですら)持っている本能が働いてしまうことにより正確に世界の事実を捉えることができていない、といいます。

本書では人々が世界を誤解してしまう10個の本能を紹介した上で、その実例、本能を抑える対策を具体的に記してあります。

今回は10個の本能のうち私が特に気になった3つを抜粋して紹介します。

①ネガティブ化本能


ネガティブ化本能とは、「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みのことです。

人は良い出来事よりも悪いショックな出来事の方が記憶に残りやすいので、メディアもより注目されやすい悪いニュースを積極的に流すため、多くの人々はこの世の中は悪くなる一方だと思ってしまっています。

けれども必ずしも全てが悪くなってるわけではなく、以前よりも進歩、改善されていることもたくさんあります。
また「現在だけ見ると状況としては悪い」けど「もっと状況が悪かった過去」と比較すると改善されているなどデータの捉え方を誤っている可能性もある。

だからこそ日々の何気ない良いニュースにも目を向けて、世界がただ悪くなる一方ではないと理解し、悲劇的な偏見を捨てる。
これは楽観視するということでもなく、良いも悪いもなく中立な目線で捉えて必要な対策を講じるということ。

これは日常の生き方にも活かせると感じました。

日々の生活で何気ない良いことを意識的に感じると幸せになれるし、
悪いことが記憶に残っているなら「ネガティブ化本能が働いているな」と自分で自覚してあげると、悪いことばかりに目をとられるのではなくて冷静に物事を判断できるようになります。

そうすることで自分を悲観的に捉えることが少なくできると思います、


②恐怖本能


恐怖本能とは、危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込みのことです。

前述したとおり、人間は悪い出来事に自然と目がいってしまいます。
ショックな出来事があるとパニックになり、物事を正しく捉えられなくなります。
例えば、その危険度ばかりが注視されて起こる頻度(リスク)を度外視して必要以上に重く捉えてしまう、
危険を押さえ込もうと必要以上の対策をしてしまい本来の目的を困難にする、あるいは別のリスクが出てくるのを見過ごしてしまうなど。

対策としては、危険度と頻度は異なるものであることを理解して、リスクを正しく捉えること。「ただ恐ろしい」ものではなく「本当に危険」なものに注視すること。

日常で恐怖本能が働いているなと感じた点をお話しします。

どの仕事においてもトラブルが発生する可能性があるものについては防止策としてのルールがあらかじめ想定された上でマニュアル化されている化と思います。

これ自体は必要な処置だと思いますが、これを起こりうる頻度を踏まえずに全てをマニュアルとして形に残るとがんじがらめになって仕事自体が何も進まなくなってしまいます。

リスクの軽減を重要視しすぎて本来の業務が滞っている状態です。

本来仕事を潤滑に進めるために進めるためのマニュアルが逆に仕事を進める上で障害になる、こういうときに目的と手段が逆転する感覚を私は感じます。
ルールを守ることを大切にしつつも、なぜこのルールがあるのか、本来の業務を進める上で本当に必要なのかを考えるなど、
発生したときの恐ろしさだけを過大視するのではなく、リスクを冷静に向き合うことで適切なリスク処理ができると思います。

③パターン化本能


パターン化本能とは、ついつい一つの例からパターン化させようとしてしまうこと。

パターン化自体は、自分の思考の枠組みを構成するので、生きていく上で欠かせないものです。
しかし悪い方向に働くと、異なる分類のものを一つのグループとして捉えてパターンわけしてしまい、世界の見方をゆがめてしまう。
あるいは、少数派や例外に基づいてパターンをきめてしまうと全く異なるものになってしまう。

だからこそ、パターン化する前に対象の分類分けが大切になります。
同じ集団の中でも異なる点を探してみたり、逆に違う集団の中での共通項を探したりなど分類を疑ってみましょう。
間違った分類があるなら適切な分類分けに置き換えます。


これだけだとわかりにくいので本書で紹介されてた例を一つ挙げます

世界中の生活様式を調査している中で、当初は国ごとに生活レベルが異なると分類分けしたが、同じ国内でも地域や世帯によってかなり異なることが分かりました。
次は国の違いではなく所得の違いで分類してみたところ、他国だったとしても同程度の所得の世帯の場合家や内装などそこまで大きく生活の質は変わりませんでした。
このことから正しい分類分けは国ではなく所得であることが分かりました。

日常に生かせることとして、私は前述したとおり物事の法則を見つけたがってしまう傾向にあります。

たとえば「習慣化を追求して理論化させること」を最終目標として日々自分の生活を通して実験しており、
自分で見つけた良い行動パターンを他の人にも共有することで習慣化のサポートがしたいと思っていました。

しかしながら、一つパターンをみつけてもそれが全て当てはまるわけではなく、自分と世間は違うし、世間の中でも様々な分類でパターンは異なるから安直に自分の経験だけで理論として伝えるのは危険だと思いました。

本書でも述べてありますが、パターン化本能を抑えることはできないので、大切なのは分類を疑い正しい分類分けをすることです。

④単純化本能


単純化本能とは、「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み

こちらはパターン化本能と少し似ているかと思います。
ひとはシンプルなものの見方に惹かれる生き物です。世界を一つの問題と一つの決まった解決策に単純化させてシンプルに捉えられると悩む必要が無く達成感がありますが、世界を誤った方向に捉えてしまい理解はできません。

人は努力して知識を得るとその専門分野を活かそうと考えが固執する傾向にありますが、一つの知識は全てに応用できるほど世の中そこまで単純ではない。
むしろ単純な答えがあった場合警戒して疑い、複雑さを歓迎すべきだとまで著者は言います。

考えに固執してしまうと情報を狭めてしまいます。世界を理解するためには、様々な角度から物事を捉える必要があります。

まずは自分の考えが固執していないか、肯定的な意見ばかりではなく否定的な意見も取り入れること、

しらないことがあっても恥じる必要はなく、プライドを高く持つのではなく素直に学びに昇華することが大切になります。

著者は数字だけを頼らず、実際に人々に話を聞いたり観察することでデータを仕入れて数字の裏にある事実を取り入れるそうです。

この単純化本能が自分に一番刺さりました。

先ほどのパターン化本能でも述べた習慣化の理論化をしたいというのは、まさしくこの単純化本能が働いており、複雑なことをシンプルにしたいという価値観から来ております。

単純化本能がでてしまう理由としては、問題を単純化させて決まった法則を確立することで安心感を求めているのだと思います。

手っ取り早く単純な答えを欲するのではなく、自分の考えに疑いをもちつつさまざまなとらえ方から捉えられるようになりたいと思いました。

最後に


様々な世界の問題に対して実際の調査データを用いて革新的な物事の見方を紹介しており、今後とニュースへの向き合い方を変えられる一作でした。

新しい事実のとらえ方、考え方を与えてくれると思いますので、興味のある方は是非読んでみてください。

さいごまで読んでいただきありがとうございました!

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