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DPワールドツアー、日本人選手の優遇に大きな差

 2か月を過ぎましたが、DPワールドツアーの日本人選手の”優遇”に大きな差があるように見えます。
 昨シーズンから「前年のジャパンゴルフツアー賞金ランク3位までの選手に、1年間DPワールドツアーのツアーカード(出場権)を与える」ということになりました。


〇昨年はまだ出場できる状況にあった

 昨年早速この権利を行使し、2022年賞金ランク1位の比嘉一貴、2位の星野陸也、3位の岩崎亜久竜が1月から試合に出場していました。
 一足先に長年DPワールドツアーで戦っている川村昌弘と、Qスクールを勝ち上がってきた久常涼が戦っており、2月のラアス・アル=ハイマ選手権から3人も合流し、日本人選手5人で転戦していました。
 Qスクールの選手達が出場順位が、ジャパンゴルフツアー賞金ランク上位3選手より高いため、なかなか出場権が回ってこないということもありましたが、出場選手のキャンセルがあれば何とか5人全員出場できる状況ではありました。
 結局星野は昨シーズンレーストゥドバイランク81位で、116位までに入れたため今シーズンの出場権を手に入れましたが、比嘉は120位で条件付きの出場権、岩崎は257位で出場権すら取れず、もう一度やり直しということになりました。

〇今年は出場権すら回ってこない

 ところが今年は状況が違います。
 昨年のジャパンゴルフツアー賞金王、中島啓太はこれまで2試合出場し、今週から始まる南アフリカ2連戦にも出場が可能な状況です。
 これに対し賞金ランク2位の蟬川泰果、3位の金谷拓実はまだ出場していません。
 昨年は星野、岩崎がウェイティング状況にあったとしても欠員などが発生し何とか出られたのに対し、今年は欠員が出ても蟬川、金谷まで出場順位が降りてこないのです。
 DPワールドツアーのQスクールで出場資格を得た選手の枠を広げたことや、昨シーズンのPGAツアー126〜200位までの選手でDPワールドツアー選手登録を済ませた選手などの枠が新設されたため、出場順位が下がらず試合に出られないということが考えられます。

〇蟬川、金谷の”軌道修正”

 そんなこともあり蟬川はPGAツアーで推薦出場できる試合にエントリーして、スポットで戦いつつも今年のジャパンゴルフツアー賞金王を狙うと公言したり、金谷は昨年優勝したアジアツアーの出場資格を活用して現在試合勘を鈍らせないようにしているといったところです。

〇もし中島がPGAツアーQスクールに受かっても

 昨年のPGAツアーQスクールファイナルに出場するも、ツアーカードを手にすることができなかった中島。
 もしこれが手にすることができたとしても、今年からDPワールドツアーから来た10選手の方が出場順位が高いため、いつ試合に出られるのかが分からずアメリカで過ごすことになっていたかもしれません。
 そしていざ試合出場となったら、ここで好成績を収めなければならないというプレッシャーもかかります。
 ある程度の余裕を持って戦いたいでしょう。

〇選手並びにチームのスタッフがツアーの中身を理解することが重要

 外国のツアーで戦いたいという日本人選手がたくさん出て来ました。
 選手の能力を上げることも大切ですが、各ツアーがどういう状況なのかをまずは選手のチームスタッフやマネージャーがしっかりと理解し、それを選手に伝え情報をチーム全体が共有する体制を整えておく必要があるのでは、と考えます。

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