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書籍『ユニクロ』を読んで

最近、こちらの本を読んだ。

最高だった。

仕事とは何か、目標とは何か、という本質を数々のエピソードから突き付けられた気がした。

柳井さんを一言で言うなら、「リアリスト」。

決断が早く、時に非情に見えるような決断も、はっきりできてしまう。

でも、ただ現実主義なだけでは、アパレルという激戦業種で、これだけグローバルで勝つことはできない。

なぜ、柳井さんがユニクロをここまでの企業にできたのか、という理由は、一言で言うと、柳井さんが「現実の延長線上に目標を置かない」人だったからである。

この言葉は、柳井さんが読んだ本に書いてあったらしく、ことあるごとに柳井さん自身が意識している言葉として、本書に登場する。

この言葉を踏まえると、柳井さんの素早い決断、かつ時に非情に見える決断の背景も理解できてくるだろう。

つまり、現実の延長線上に目標を置いていないから、現実だけを見ている人からすると、考えられないような動きをするということなのだ。

”現実”には、自分の今目の前にいる人が誰か、ということや、その人がどんな感情であるか、ということも含まれるから、普通の人が縛られるそういった要素も、柳井さんにはドラスティックに変化させることができるのだろう。(例えば、特定の人に組織を去ってもらったり、またその逆で目の前の人に即決で組織に入ってもらうこと、等)

僕が普段接する人で、現実の延長線上に目標を置いていない人はほとんどいない。

ほとんどの人は、「今こうだから、ここまではいけるんじゃないか」とか、「この先社会はこうなるから、自分はこうなんじゃないか」とか、今の現実の延長線上に自分のゴールを置いていると感じる。

でも、人が考える「現実の延長線上」というものに対して根拠はない。

東日本大震災にせよ、コロナウイルスにせよ、だれも想像をしていなかったことが発生する時点で、現実の延長線上で世の中が動いていないことは一目瞭然だ。

であれば、現実を置き去りにして、自分が何を成したいか、自分がどうしたいか、ということに向き合えば、それを達成することは全く不可能ではないはずだ。

それをユニクロは証明してくれている。

また、これからの時代、会社経営をする人は、現実の延長線上に目標を置いている人は淘汰されていくだろう。

なぜなら、その人の目標は現実に常に左右されてしまうからである。
自ずとアクションはブレブレになる。

一方、現実と関係のない目標に向かっていれば、目の前がどんな現実でも、ゴールに向かって進み続けることができる。

自分でこんな勇ましいことを書いていても、「言うは易し」である。

家業をやっていて、家族との視座のギャップが苦しくなることがあるが、それに目標が左右されてしまったらもったいない。

あくまで自分は、現実の延長線上にない目標に対して向かい続ける。

それに現実がついてくる。

ただ、粛々とやっていくのみだ。


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