極楽試写会/コラムンの犬

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと

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「お隣さんはヒトラー?」

映画『お隣さんはヒトラー?』公式サイト https://hitler-movie.com/ 今もナチス、ホロコースト、またもや、と思いきや・・・ 今も毎年、この題材の映画が多くつくられる。 決して許されない忘れてはいけない事実であることに 異論は全くない。 が、正直こんなにまで多く、、、、 と思う。 しかし、本作は見事に見る側のそんな思いを覆えてしまうツボが。 ホロコーストで家族を亡くし 老後を南米で一人暮らすユダヤ系ポーランド移民の「ガンコなお爺さん」。 彼の隣家に謎の人物が引っ越してくる。 時は1960年、 南米に逃れていたナチスの重罪戦犯がイスラエルの強力な捜査網で逮捕された時期。 そこにあのヒトラーと思われる人物が引っ越してきたことで このお爺さんは俄然、私設調査を始める。 自殺したはずのヒトラーが実はこの南米で生きている!? 物語は思わない方向に展開し・・・ なんと、二人の中には友情すら芽生えるなどもし 思いがけないものとなっている。 この奇想天外なストーリー その重要な要素の一つが お爺さんの自宅の窓からの隣人の偵察。 プロダクションノートでは この偵察する窓、家屋という重要なセットに苦心したとのこと。 言われてみれば、うなずける。 そう、個人的にはヒッチコックの「裏窓」を思いだしたかな。 裏窓 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/5440/ ともかく 愚かな戦争、しかもホロコーストという悲惨な題材から このような物語を編み出した製作陣に乾杯ですね。 監督は、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー。 1978年、ロシア・レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。 13歳の時にイスラエルへ移住し、テルアビブ大学で学士号を取得。 ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭等で評価を得る。 他にTVムービーシリーズでも活躍。 隣人をヒトラーと疑うお爺さん役のデヴィッド・ヘイマン。 英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」(97~09)の マイク・ウォーカー警視役で知られる、 ヒトラーに疑われるヘルツォーク役のウド・キア。 『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、『アルマゲドン』(98)等で わきを固める名優。 そして 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)を始め、 ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているとのこと。 ダンサー・イン・ザ・ダーク : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/1044/ 2024年7月26日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した映画 「潜水艦コマンダンテ」 映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』オフィシャルサイト 2024年7/5(金)公開 https://comandante.ayapro.ne.jp/ 2024年7月5日 公開 「フェラーリ」 映画『フェラーリ』公式サイト|7月5日(金)全国公開 https://ferrari-movie.jp/ 2024年7月5日 公開 「Shirly」 映画『Shirley シャーリイ』公式サイト https://senlisfilms.jp/shirley/ 2024年7月5日 公開 「クレオの夏休み」 映画『クレオの夏休み』公式|7月12日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/cleo/ 2024年7月12日 公開 「ある一生」 映画『ある一生』公式サイト https://www.awholelife-movie.com/ 2024年7月12日 公開 「わたしの物語」 映画『わたしの物語』公式サイト 6月22日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー‼ http://www.pan-dora.co.jp/watashi/ 2024年6月22日 公開 「郷愁鉄路~台湾、こころの旅」 映画『郷愁鉄路~台湾、こころの旅~』公式サイト – 台湾と鉄道を愛するあなたに捧ぐ、情緒溢れる記録映像 7月5日(金) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開 https://on-the-train-movie.musashino-k.jp/ 2024年7月5日 公開 「お母さんが一緒」 映画『お母さんが一緒』公式サイト https://www.okaasan-movie.com/ 2024年7月12日 公開 「墓泥棒と失われた女神」 映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト https://www.bitters.co.jp/hakadorobou/ 2024年7月19日 公開 「幸せのイタリアーノ」 映画「幸せのイタリアーノ」 公式サイト – 2024/7/26(金)より シネスイッチ銀座他にて全国順次公開 http://cdt.onlyhearts.co.jp/ 2024年7月26日 公開 「時々私は考える」 映画『時々、私は考える』公式サイト 7/26(金)ロードショー https://www.sometimes-movie.jp/ 2024年7月26日 公開 「Dito」 映画『DitO』 公式サイト https://www.ditofilm.com/ 2024年7月26日 公開 「お隣さんはヒトラー」 映画『お隣さんはヒトラー?』公式サイト https://hitler-movie.com/ 2024年7月26日 公開 「ロイヤルホテル」 映画『ロイヤルホテル』公式HP https://unpfilm.com/royalhotel/ 2024年7月26日 公開

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      「ある一生」

      映画『ある一生』公式サイト https://www.awholelife-movie.com/ シンプルかつ力強い。 ストーリは 1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガーは遠い農場の親戚に預けられ過酷な生活が始まる。 唯一身を案じてくれた老婆が亡くなるとそこを出て、アルプスに作られるロープウェー建設の日雇い労働者として生計を立てる。 生活は苦難でも独自性を持った自分の人生、愛する娘とも結ばれる。 しかし、その安らぎもひと時しか続かず、 その後第二次世界大戦でソビエト戦線に送りこまれ帰還はする。 時代は進み、今はアルプスのリゾート地となったかつての日雇い労働の場を前に 彼にはかつての思い出がフラッシュバックのように流れる。 そして人生の終末を迎える。 という、確かな「ある人生の一生」を描いた シンプルかつ力強い作品。 原題は「ein ganzes leben」 意味は「一生」 タイトルも内容も誠にもってドイツらしい! 以下はあくまでも資料から (なんたって僕は誰も知らなかった) 原作は ローベルト・ゼーターラーの同名小説でブッカー賞最終候補にもなった作品。 主役のアンドレアス・エッガーは年代ごとに3人の俳優が演じる。 幼少期をイヴァン・グスタフィク、青年期をシュテファン・ゴルスキー、老齢期を性格俳優のアウグスト・ツィルナー。 監督は、『ヒランクル』(03)、『アンネの日記』(16)のハンス・シュタインビッヒラー、脚本は、『マーサの幸せレシピ』(01)のウルリッヒ・リマー。 2024年7月12日 公開

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        「わたしの物語」

        映画『わたしの物語』公式サイト 6月22日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー‼ http://www.pan-dora.co.jp/watashi/ またまた 色々と投げかけてくれる作品です。 極めてまれな障がいを持つ女性が 撮影期間4年にわたり自ら撮影・監督したセルフ・ポートレイト・ドキュメンタリー。 主人公で監督のエラ・グレンディニングは 股関節がなく、大腿骨が短いという極めて稀な障がいのあるイギリス人女性。 障がい者差別が未だに根強く残るこの社会で、同じ障がいのある人をSNSで探し、 自分を更に愛するには何が必要と自分らしい生き方を模索する自らの姿を記録した作品。 柱は 治療をすれば障がいは改善されるだから「障がいを治す」とすることに対して 実はその意識の底辺には「障がいは害である」という「障がい者差別(エイブリズム)」の実在。 そして彼女は障がいがあっても「そのままでいい」という力強いメッセージを発信する。 自身の出産や母親、友人などの状況が彼女を取りまき、これまた考えさせられるドキュメンタリーだ。 【資料から】 〈障害者差別(エイブリズム)〉 エイブリズム(Ableism)/非障害者優先主義/健常者優先主義/能力主義 能力のある人が優れているという考えに基づいた、障害者に対する差別と社会的偏見を意味する。 辞書には「障害(=他の人がすることが難しくなるような病気、怪我、状態)を持っていることを理由に 不当な扱いを受けること(出典元:Cambridge Dictionary)」と記載されている。 日本語では「非障害者優先主義」「健常者優先主義」、「能力主義」とも訳される。 エイブリズムの根底には、障害者は「治す」必要があるという前提があり、 障害によって人を定義する考え方がある。 エイブリズムは、人種差別や性差別と同様に、ある集団全体を「劣ったもの」として分類し、 障害を持つ人々に対するステレオタイプや誤解、一般化などを含む。 2023年サンダンス映画祭ワールドシネマ部門正式出品 2023年クラクフ映画祭最優秀ソーシャル・イシュー映画賞 2023年ミルウォーキー映画祭審査員特別賞他 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023上映作品(映画祭上映時邦題『あなたを探し求めて』) 2024年6月22日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ここで提示されている問題とは 「答えの無い問題」 ともいえる。 直接関係ないが僕の好きなTV番組で NHKのEテレの「ニュー試」というのがある。 世界の一流の大学の入試をユニークに紹介する番組。 取り上げられる大学が求めているのは グローバルでイノベーティブな人材 と 専門性のある人材 という大きく二種類に分けられるようだ。 特に前者である、例えばハーバードやMIT、シカゴ大などが求めている能力とは まさに「答えの無い問題に対する解決能力や姿勢」が求められている。 今回の題材もそうした一環ではないかと、ふと思いました。 ニュー試 - NHK https://www.nhk.jp/p/newshi/ts/3MWXJL2V4J/

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          「クレオの夏休み」

          映画『クレオの夏休み』公式|7月12日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/cleo/# こういう愛の形、暖かさって好きだな。 パリで父親との二人暮らしの幼い少女クレオ。 母を亡くした彼女には一緒に暮らす乳母グロリアが大好き。 だがアフリカの島国出身のグロリアは事情があり母国に帰ることになる。 悲しむクレオをグロリアはバカンスの期間だけ自宅に招待する。 グロリアには島に残してきた実の子供たちがおり ここで繰り広げられるそうした家族たちとの交流や はたまた、クレオにしてみると 自分の愛を彼らに奪われてしまわないか、という幼い不安や葛藤が物語を筋立てる。 そして このような心を洗われるような物語「家族」の関係に 「南北関係」というもう1つの問題が提起される。 舞台となるアフリカ北西部の島国「カーボベルデ」は 美しい島国であるとともにポルトガルの植民地であった歴史を持ち 未だに貧しく グロリアはいわゆる経済移民として家族を島に残し パリでの出稼ぎで島に残してきた家族の生活を支えていた。 ストーリーは こうした世相的問題も内包しつつ シンプルな乳母との愛情物語を軸に展開される。 そして場面転換ごとに、描かれる素晴らしいアニメ映像 これがまたこの作品の美しさを倍増させ品位すら醸し出す。 また UPを多用したカメラワークも それぞれの心の中を表わせているような効果をもたらし ポイントになっている。 監督のマリー・アマシュケリは 1979年7月16日生まれのジョージア系フランス人。映画監督、脚本家。 共作の長編デビュー作『Party Girl』が2014年カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、カメラドールを受賞。セザール賞の最優秀長編映画賞と最優秀編集賞にノミネートされる。 本作『クレオの夏休み』が単独での初長編監督作となる。 自身が幼い頃にポルトガル出身の乳母に愛情ゆたかに育てられた実体験が本作制作のきっかけでもある。 主人公クレオ役のルイーズ・モーロワ=パンザニ なんと!パリの公園で遊んでいたところを偶然キャスティングディレクターが見かけたことから主役に抜擢された。しかし、その純真無垢な演技?は目を見はるものですぞ。 アニメーション制作は フランスで活躍するアニメーション作家・イラストレーター、ピエール・エマニュエル・リエ。 監督アマシュケリとの共作で、フレームひとつひとつに手作業でブラシを用いたペイント方法で、絵本のような温かい世界を表わしている。 2023年カンヌ国際映画祭<批評家週間>オープニング作品 2024年7月12日 公開 PS 島国カーボベルデ 行きたくなった!

        「お隣さんはヒトラー?」

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        • 極楽試写会
          100本

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          「チャーリー」

          チャーリー : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/101675/ ともかく 犬好き、特に大型犬好きには何の異議なくナイスな作品です。 ストーリーはインドが舞台。 過去の悲劇により孤独に生きる男性が 悪徳ブリーダーの劣悪な環境から逃げ出してきたラブラドール・レトリーバーのチャーリーと出会いと別れの 心熱くなるロードムービー。 資料も少ないので 作品のバックグラウンドは詳しくわからないが・・・ 同じ動物を扱った映画でもハリウッド作品に食傷気味の自分としては 原点を見直すような、懐かしい犬の愛情物語 それで十分です。 尚、少ない資料から、、、 映画大国のインドでは、 ヒンディー語の「ボリウッド」、テルグ語の「トリウッド」、タミル語の「コリウッド」、カンナダ語の「サンダルウッド」と呼ばれるジャンルがある。 本作の主演のラクシット・シェッティはサンダルウッド界のスターで本作ではプロデューサーも兼ねる。 監督はキランラージ・K、という人ということ。 で、毎度の事 インド映画は長い:164分。 ふと思った、 インドでは映画館に長くいることにある意味があるのでは? 邪推だが、それは、 涼しい場所だから?お金を払っているのだから長くないと? どうなんだろう 加えてこれも国民性か?あの踊り、音楽シーンは必須?確かに本作でも、控えめだったが。。。 2024年6月28日 公開 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【今月の試写した作品】 「ハピネス」2024年5月17日 公開 映画『ハピネス』| 2024年5月17日(金)公開 https://happiness-movie.jp/ 「おいしい給食 Road to イカメシ」2024年5月24日 公開 映画『おいしい給食 Road to イカメシ』 https://oishi-kyushoku3-movie.com/ 「ユニコーン・ウォーズ」2024年5月25日 公開 ユニコーン・ウォーズ 公式サイト https://unicornwars.jp/ 「お終活・再春」2024年5月31日 公開 お終活 再春! 人生ラプソディ|2024年5月31日(金)全国公開 https://oshu-katsu.com/2/ 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」2024年6月7日 公開 映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』公式サイト|2024年6月7日(金)公開 https://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/ 「天安門、恋人たち」2024年5月31日 公開 映画『天安門、恋人たち』公式サイト https://www.imageforum.co.jp/tenanmon/ 「情熱の王国」 2024年6月1日 公開 VIVA SAURA! 公式|『情熱の王国』『壁は語る』|2024.6.1(土)公開 http://www.action-inc.co.jp/saura/#modal 「壁は語る」2024年6月1日 公開 VIVA SAURA! 公式|『情熱の王国』『壁は語る』|2024.6.1(土)公開 http://www.action-inc.co.jp/saura/kabewakataru.php#k_intro_wrapper 「わたくしどもは。」 2024年5月31日 公開 映画『わたくしどもは。』公式サイト https://watakushidomowa.com/ 「東京カウボーイ」 2024年6月7日(金)公開 映画『東京カウボーイ』 公式サイト https://www.magichour.co.jp/tokyocowboy/ 「あんのこと」2024年6月7日 公開 映画『あんのこと』公式サイト|2024年6月7日(金)全国公開 https://www.annokoto.jp/ 「オールド・フォックス」2024年6月14日 公開 映画『オールド・フォックス 11歳の選択』公式サイト https://oldfox11.com/ 「アンゼルム」2024年6月21日 公開 映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』公式HP https://unpfilm.com/anselm/#modal 「フィリップ」2024年6月21日 公開 映画『フィリップ』オフィシャルサイト https://filip.ayapro.ne.jp/ 「チャーリー」2024年6月28日 公開 チャーリー : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/101675/ (公式のHPが無いようです)

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          「あんのこと」

          映画『あんのこと』公式サイト|2024年6月7日(金)全国公開 https://www.annokoto.jp/ 一人の少女の希望と不合理な現実を描いた。 2020年6月に新聞に掲載された少女の実話を基にしている。 家庭内虐待、売春、そしてドラッグに溺れる彼女:あん、 刑事や週刊誌記者と出会い、支援を得て 更生し生きる希望を見いだしていた。 その矢先に残酷な運命に襲われる。 実力派である刑事役の佐藤二朗 役者として見事に脱皮した稲垣吾郎 彼らの演技には一見の価値あり。 ・・・そして 日本映画に疎い僕としては これ以上気の利いた紹介は無理しないでと・・・。 監督・脚本の入江悠の作品にはなじみが薄く 主演の河合優実に至っては全く知らなかった。 が、この監督の力量はさすがであるのと 何よりも 河合優実は見事で 見応えのある作品であるという事は書ける! 本年、極楽映画大賞主演女優賞ノミネート。 2024年6月7日 公開 PS ネグレクト、育児放棄とか 聞くだけで心が落ち込んでしまうような事件が後を絶たないが 丁度読んだ塩田武士の近著のベストセラー小説「存在のすべてを」 も一部それがテーマになっている。 中に事実として書かれていることとして改めて知ったことがある、 その一部を記す。 「国家として児童虐待の対応件数を取り始めたのが1990年度からで、この年度は1101件。 その後、児童虐待防止法の施行や改正、福祉施設の環境整備が徐々に進み、 2020年度には対応件数が20万件を超えている。」 小説では 以前は民事不介入という死角があった過去から 法施行により実態が明るみに出て増加したと指摘しているが 今も見えない部分で多くの被害があるのも事実だろう。 この本もおすすめです! 存在のすべてを | 塩田 武士 |本 | 通販 | Amazon https://www.amazon.co.jp/%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%82%92-%E5%A1%A9%E7%94%B0-%E6%AD%A6%E5%A3%AB/dp/4022519320/

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          「情熱の王国」

          VIVA SAURA! 公式|『情熱の王国』『壁は語る』|2024.6.1(土)公開 http://www.action-inc.co.jp/saura/#modal いわゆるアート系の映画は正直、眠気が勝る? あにはからんや。 本作は面白い、眠気どころか実に面白い。 観る者には単調というか不明(眠気の誘発)になりがちなアートシーン、ダンスシーンには 場面の抜粋と心憎いまでの編集とが施されている。 加えて あくまでもアートを邪魔しない範囲での しっかりとストーリー展開、 それはメキシコを舞台にミュージカル劇の幕が上がるまでを描いた ドラマ構成がされているからだ。 全てが 監督の力量とみて間違いないだろう。 それもそもはず 監督はスペイン映画界の偉人カルロス・サウラ 彼の作品として僕が思いつくのは「フラメンコ・フラメンコ」ですね。 ダンサー:サラ・バラス、フラメンコ歌手:ホセ・メルセー、 そして何よりもフラメンコ・ギターの第一人者パコ・デ・ルシアが共演した作品が印象深い。 撮影は「地獄の黙示録」「ラストエンペラー」のビットリオ・ストラーロで、 本作でも彼が担当。 フラメンコ・フラメンコ : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/56389/ 彼が、91歳で亡くなったのは、2023年2月10日。 本作完成から時間は経ずに、 そして ゴヤ賞栄誉賞を受賞する前日のだったとのこと。 2024年6月1日 公開

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          「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

          映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』公式サイト|2024年6月7日(金)公開 https://movies.shochiku.co.jp/haroldfry/ このような作品を紹介できることをうれしく思います。 試写をしていて、つくづく。 そもそも僕はヨーロッパのおじいさん繰り広げる ユーモアに満ちた心温まるヒューマンドラマが好きだ。 試写案内を見た時に 今までみたこの傾向の作品と 僕は勝手に(良い意味で)大きな勘違いをしていた。 本作に入る前にせっかくだから ここでお勧めのヨーロッパのおじいさん系作品(このような言い方があるのかは微妙ですが)情報を。 「幸せなひとりぼっち」 幸せなひとりぼっち : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/85301/ 「100歳の華麗なる冒険」 100歳の華麗なる冒険 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/80614/ という こうした秀作がすぐに頭に浮かぶ。 これらはこれで素晴らしい作品ですので まだ見てない方は是非お勧めします。 さて、本題。 先に書いたように 本作は予想と全く違った。 『心温まるヒューマンドラマ』 であると事はその通りなんだが この根底にあるのはユーモアではなく、 人間ドラマなんだ、哲学的とも人生の教示ともいいえる。 主役の老人ハロルド・フライのもとに、 かつての同僚の女性から手紙が届く。 彼女は余命いくばくもなくホスピスにいるという別れの手紙。 返事を書き、ポストへ投函と自宅を出た彼は唐突に思う、直接会って伝えたい、ある思いがある。 しかしホスピスの場所はハロルドが住むイギリスの南西の町から800キロも北にある、 そんな事実にお構いなく、彼はそのままなんの準備も無く手ぶらで歩き始める。 道々いろいろな人との出会う事により、いろいろな言葉が彼に降り注ぎ、 また いろいろな場面が啓蒙とも言えるような姿で観る私たちに降り注ぐ。 「本能的なことって案外難しい・・・」 「必要なことは常識ではなく信じること・・・」 ただひたすら歩く、 その中には スロバキアからの移民であるがゆえに掃除人の仕事しか得られない女医 薬に侵された若者 彼の一途に歩く姿が(今時の)SNSで拡散し大騒ぎする人たち こうした要素が実に旨い要素となってストーリーは展開する、 そして 妻や息子との重大な事も次第に映し出されていき 彼は何故歩くのか、伝えたかった思いが・・・・。 原作は、世界37か国で刊行され、 累計発行部数600万部を誇るベストセラー小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」 英国文学界の最高峰の賞マン・ブッカー賞にノミネートされ、日本でも2014年の本屋大賞翻訳小説部門第2位に輝いた。 主人公ハロルドは、イギリスを代表するアカデミー賞俳優、ジム・ブロードベント。 どちらかというと 『ハリー・ポッター』シリーズの魔法使い役 ハリー・ポッターと謎のプリンス : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/53228/ や 『パディントン』シリーズおじいさん役 パディントン : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/81387/ というユーモラスな役でで広く知られるので 僕が先の勘違いをしたのも致し方ないかも。 妻役はペネロープ・ウィルトン ジュディ・デンチ主演でヒットした『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』 マリーゴールド・ホテルで会いましょう : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/58238/ ケヴィン・クライン、デンゼル・ワシントン、出演でアパルトヘイトを題材にした名作 『遠い夜明け』 遠い夜明け : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/47177/ とその実績は輝かしい。 監督はへティ・マクドナルド 1962年、イギリス、ロンドン生まれ。 英国アカデミー賞を受賞している実力派で 名探偵ポワロ シリーズなど主にTVで活躍している。 スクリーンに広がるイギリスの南西から最北端までの800キロの美しい風景、 本国で新作映画初登場No.1の大ヒットを記録。 最後に: 本年 「極楽映画大賞作品賞」及び「極楽映画大賞主演男優賞」 ノミネート! 2024年6月7日 公開

          「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

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          「ありふれた教室」

          映画『ありふれた教室』公式サイト https://arifureta-kyositsu.com/ 映画製作者やメディアなどある意味 こっち側の人たちに見てほしい。 と最初に思った。 どこにもありそうな、ありふれた教室。 教師、生徒、保護者、 同僚、上司、 正義、常識、道徳 罪、罰、 推測、判断 これらが絡み纏わり混沌とした時 そこはけっして ありふれた教室ではない。 現代に潜む、というか、 実は表面を覆う社会的問題を 教室という限られた空間で象徴的に表現提示した作品。 新たな中学校に赴任した仕事熱心で正義感の強い女性若手教師、。 受け持ったクラス生徒や同僚の信頼を獲得しつつあった。 ある日、校内で盗難事件が相次ぎ、その犯人として教え子が疑われる。 同僚教師や校長らの強引な調査に反発した主人公は、独自の犯人捜しを開始する。 彼女が仕掛けた隠し撮りの動画には、ある人物が盗みを働く瞬間が記録されていた。 これらの学校側や主人公の盗撮を含む対応が噂となり、保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立を招く。 孤立し、窮地に陥いった状況が。 そして、ラストの衝撃的なシーン。 具体的には書かないが 僕には敗北した王が、しかし堂々とした姿を保ち葬られていくシーンに見えた、あなたはどう見るだろう。 主役のレオニー・ベネシュ 1991年、ドイツ・ハンブルクで生まれる。ロンドンにあるギルドホール音楽演劇学校で学び、 今ドイツで最も評価の高い若手女優であるとのこと。 カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた映画『白いリボン』(2010年)の主演。 監督・脚本はイルケル・チャタク 当然、僕は全く知らなかったが またもやトルコ系ドイツ人監督! 1984年、トルコ系移民の子としてドイツ・ベルリンに生まれる。 その後イスタンブールに移り住んだりしたのちにドイツに戻り国際映画制作に携わる。 米Variety誌による2024年最も注目すべき監督10人に選出される。 第73回ベルリン国際映画祭2冠 本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート 2024年5月14日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今回から その月に試写した作品情報概要を記します。 4月は: 「ジョン・レノン 失われた週末」 映画『ジョン・レノン 失われた週末』公式サイト https://mimosafilms.com/lostweekend/ 「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」 映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』公式サイト | 4/26(金)YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか公開 https://mortara-movie.com/ 「悪は存在しない」 映画『悪は存在しない』公式サイト - EVIL DOES NOT EXIST|監督:濱口竜介×音楽:石橋英子 https://aku.incline.life/ 「ミセス・クルナスVS.ジョージ・W・ブッシュ」 「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」公式サイト|5.3(金)よりROADSHOW !! https://www.zaziefilms.com/kurnaz/ 「エンニオ・モリコーネ特選上映『死刑台のメロディー』 「死刑台のメロディ」4Kリマスター版&日本初公開「ラ・カリファ」を特選上映 モリコーネの名曲がスクリーンに甦る : 映画ニュース - 映画.com https://eiga.com/news/20240215/10/ 「無名」 映画『無名』公式HP https://unpfilm.com/mumei/ 「人間の境界」 映画『人間の境界』公式|5月3日(金・祝)公開 https://transformer.co.jp/m/ningennokyoukai/ 「胸騒ぎ」 映画『胸騒ぎ』公式サイト https://sundae-films.com/muna-sawagi/#modal 「PS-I この大河に溺れよ!」 https://spaceboxjapan.jp/ps-movie/ 「倭文(しづり) 旅するカジの木」 映画「倭文ー旅するカジの木」公式サイト https://shizuri-movie.com/

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          番外編:「国立映画アーカイブ展示・日本映画と音楽」

          日本映画と音楽 1950年代から1960年代の作曲家たち | 国立映画アーカイブ 銀座線京橋の駅からすぐのところにある 国立映画アーカイブでは 時々興味深い企画展がされていて 今までも何度か足を運んだことがある。 今回はタイトル通り戦後から60年代の日本映画の音楽に焦点をあてた展示。 当時は日本戦後映画の発展期で それこそ、黒沢、小津をはじめ多くの名監督による名作が誕生した時期だ。 こうした黄金期ではあるが 僕個人的感覚では その時期の音楽に関しては、どうしても、当時のハ

          番外編:「国立映画アーカイブ展示・日本映画と音楽」

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          「人間の境界」

          映画『人間の境界』公式|5月3日(金・祝)公開 https://transformer.co.jp/m/ningennokyoukai/ 映画を作る目的には何種類かあると思う。 当然、エンタテイメントをするものがその主をしめることは確かだが そのほかに 世に対して問題意識の提示や警鐘、啓蒙をも目的とするものも多い。 そして、ある意味ジャーナリズムの観点から 現在起こっている事実を世界に広く伝えることをそれとするものも。 本作は「知っているようで知らなかった」悲劇の『事実』を私たちに伝えるという事を目的とし 衝撃的事実を明白にしてくれている。 ヨーロッパ各国ではシリアをはじめアラブ諸国やアフリカから多くの難民の流入が大きな問題となっていることは メディアで多く取り上げられているから、皆も認識しているだろう。 それは移動の困難さや入国後の生活困窮にフォーカスされれいることが主である。 もちろん、それはそれで大きな問題ではある。 実はそれだけではないメディアでは伝えられていなかった、悲劇的事実があった。 この作品がそれを私たちに伝えてくれている、それが映画の役割の大きな役割の一つだった、と。 今もベラルーシとポーランドの国境では ポーランドへの亡命を望むもの、またはそこを通り過ぎ他のユーロ諸国への亡命を希望する難民たちでであふれている。 しかし、ここでは、亡命受け入れどころか、通過するだけでも、両国軍により実は多くの命が奪われ はてには、亡骸さえまるでごみのように、相手国へ投げ込みられるという 現実的悲劇が行われている。 もちろん、そんな場でも彼らを救おうとするボランティア団体の活躍も。 ともかく こうした事実を映像物語として伝える本作の重みは、とんでもないレベルである。 監督は、3度のオスカーノミネート歴を持つポーランドの巨匠アグニエシュカ・ホランド。 本作では2023年ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞。 2023年9月にポーランドで公開され、当時年間最高となる異例の大ヒットとなった。 ただし、公開にあたっては この事実が明るみに出ることを良しとしない政府による大きな圧力があったとのことだ。 2024年5月3日 公開

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          「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」

          「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」公式サイト|5.3(金)よりROADSHOW !! https://www.zaziefilms.com/kurnaz/ この事実を題材に取り上げた時点で十分かと思いきや・・・ 2001年、アメリカ同時多発テロ9・11の直後。 ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民一家の長男が旅先で“タリバン”の嫌疑で あの過酷なグアンタナモにある米軍基地の収容所に収監される。 アメリカ本土ではない(キューバにあるアメリカ収容所)地区、 長男はドイツに長期滞在だがいまだにトルコ国籍 そして舞台はドイツ、裁判はアメリカ と 三重にも四重にも絡まった国際要素も事を複雑にする。 しかし無実の息子を救うために奔走する母親。 本作はこうした信じられないような事実と複雑さ、困難さをベースにした物語。 ではあるが、なんと、それを コメディー仕立てで組み立てている。 当に「ドイツのオカン」というべきふくよかなの母 奔放というか型破りな明るい性格、 食べることがすべての解決策とでもいう主義、しかも超甘いもの好き。 こうした設定が 時には現実の厳しさをやわらげ、 時にその厳しさ過酷さを観る者により強く訴える。 本作は この事実を題材に取り上げた時点だけではなく、 それをコメディーとして仕上げることで 見事に勝負がついたと言える。 戦争や迫害などのつらさを ユーモアを交えて描いた有名な作品に 「ライフ・イズ・ビューティフル」 https://eiga.com/movie/50458/ があるが もちろん、苦難の中身、コメディー仕立てなのかの違いはあるが どちらも苦しさの中に笑いを求めて描いている。 そして本作は 苦しさを笑い(ユーモア)で「和らげる」のと それを笑い「飛ばす」のとの違いに 気づかせてくれた。 資料から 監督を務めたのは、『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(18)などで知られるドイツの俊英アンドレアス・ドレーゼン。 主役のオカンはコメディアン メルテム・カプタン。 トルコ系ドイツ人でありアメリカでミュージカル俳優として活動したのち、ドイツで人気のコメディアンとして活躍。 本作は、第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(主演俳優賞)受賞。 さらにベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)のW受賞も果たし、 更に、ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞では作品賞、主演女優賞、助演男優賞の3部門で受賞した。 題材である2001年のテロ そして ウクライナやパレスチナでの戦火を見る今 かつてテロリストを排除するべく強行に出たアメリカの行動が 改めてどうだったのか、考えさせられる作品でもある。 2024年5月3日 公開

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          「悪は存在しない」

          映画『悪は存在しない』公式サイト - EVIL DOES NOT EXIST|監督:濱口竜介×音楽:石橋英子 https://aku.incline.life/ 僕はこう思う、、、 君はどう? と、 観た後に思わず問いてしまいたくなる作品。 試写案内には抽象的な事柄ばかりで 本来のストーリーなど内容が分かることは 全くと言ってよいほど書かれていなかった。 ???一体なんなんだろう? と思いつつ、試写。 自然が豊かな高原別荘地 都心からも近く、移住者も増えつつ地元の人々たちとの共存も進み穏やかな生活がそこにある。 そんな地で代々暮らす主人公の巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)は、 自然に囲まれながら湧き水を汲み、薪を割るような生活を送る。 その地にある日、グランピング場を作る計画が持ち上がる。 それはコロナ禍の助成金を目当にした、本来このような事業に理解も経験も無い芸能事務所の計画だった。 そうした事業主の未経験かつずさんな計画に森の環境や町の水源破壊を危惧する住民、そして巧。 双方の思いと思惑がくりなす自然保護ドラマかと思いきや・・・・ 物語はこれだけではない、 むしろその裏に流れるうねりのような題材と人間模様を 僕たちは観ることになる。 そして、先に書いた、試写案内にも公式HPにもこれ以上のことが書かれていない その理由も。 何なんだろう、この作品力は。 ともかく観てください。 監督の濱口竜介 前作「ドライブ・マイ・カー」でカンヌ映画祭脚本賞など4冠、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞。 その彼の次作である本作が 第80回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞 見事にその重圧を押し返してくれたと言える! 本年「極楽映画大賞」グランプリノミネート! 2024年4月26日 公開 PS そうそう、観終わってすぐに思ったもう一つの事 昨年(2023年)の 極楽映画大賞受賞作のスペイン映画 「理想郷」 との類似性だ。 それは、単に上辺が似ているということではなく ストーリー展開、裏に流れる問題意識、全体を覆うテイスト そして監督の力量すべてに。 映画『理想郷』公式サイト https://unpfilm.com/risokyo/ PSS 冒頭に エンディングの解明になる布石をおいているところも さすがです、さて貴方はそう思うか?気が付くか?

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          「プリシラ」

          映画『プリシラ』公式サイト https://gaga.ne.jp/priscilla/ しっかりした映画。 実力も評価も高いソフィア・コッポラの最新作。 どう評してよいのか最初の言葉選びに慎重になった。 これはあくまでも僕個人の力量の問題かとは思うのですが ソフィア・コッポラとの最初の出会いが (これもまた評価はすごく高かった)「ロスト・イン・トランスレーション」。 ロスト・イン・トランスレーション : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/1507/ だが、僕にはどうにもその面白さがよく分からなかった。 そして、今回満を持して臨んだ。 そして感想として第一に浮かんだ言葉がこれ。 父親フランシスの後姿を見て育ち 映画製作というスキルをそれこそとんでもないレベルで学んで自分のものとした彼女だからこそ その作りには寸分の隙も無いしっかりした作品に作り上げている それが本作なんだろう。 まぁ、理屈はともかく ストーリーはいたってシンプル。 プレスリーの妻になるプリシラ 14歳の可憐な少女プリシラがエルヴィスと出会い若き妻となり、来る別れを描く。 彼との重ねられる生活の中から その揺れる想いや心の変化を 僕たちにもまるでその目撃者のごとく体感させてくれる。 真のスーパースター、エルヴィス それを取り巻く状況に、通常こうした映画でありがちな(ある意味過剰な)表現描写が抑えられることにより 逆にこちら側への影響力が増すことをコッポラは狙ったんじゃないかな。 過剰な表現描写は抑えられていると書いたが 実はヴァレンティノ、シャネルをはじめ、プリシラを飾る、そのビューティー表現には 「やはり女性監督!」とうなずいちゃいましたね(昨今こういう表現はなんですが・・・)。 また 音楽だが コッポラの夫トーマス・マーズのポップロックバンドPhoenixが担当している。 作中では以外にもエルヴィスの曲はほとんど聞かれず エンディングではカントリーシンガーのドリー・パートンが1973年に発表した 「オールウェイズ・ラヴ・ユー」。 この曲をラストに使用したという監督の狙いは当たったと思う。 余談だが 一般的にはこの曲映画『ボディガード』の主題歌として ホイットニー・ヒューストンがカヴァーしたのがなじみ深いと思う、まっ。 ボディガード(1992) : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/49405/ プリシラ役のケイリー・スピーニー ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を受賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にもノミネートさ 若い才能に期待。 そして エルヴィス役のジェイコブ・エルロディ これがまた何とも言えずに良いのですよ。 プレス資料には 【コッポラは、プリシラの相手役には、数えきれないほど映画やテレビ、文学で描かれてきたエルヴィス像からはみ出すことを厭わない役者を求めていた。 コッポラはこう指摘する。 「プリシラ目線のエルヴィスですから、彼の人物像は完全に彼女の話を元にしています」 「エルヴィスのプライベートな部分、ステージの上とは違う、他の誰も目にしたことのない側面です。 この物語には、彼のパフォーマンスシーンはあまりありません。 この役で重要なのは、プリシラとふたりで家にいる時の姿や、彼女が目にした傷つきやすさ、疑念、弱さです」】 この通りの役を見事に演じている!僕は好きだなぁ。。。 【ソフィア・コッポラ監督からのコメント】(プレス資料から) プリシラ・プレスリーの回想録を読み、彼女のグレースランドでの体験に心を動かされました。 私が表現したかったのは、エルヴィスの世界に飛びこみ、紆余曲折を経てやっと自身の人生を見つけたプリシラの心情です。 私はモノづくりを行う人間として、先入観ではなく、登場人物の目を通して世界を見せることに尽力しています。 アイデンティティや主体性、変容といったテーマには、常に関心を持ってきました。 この映画では、プリシラがいかにして今の彼女となったのか、そして彼女とその後の世代にとって、 女性であることがどのような意味を持つのかを紐解いていきます。 確かに、プリシラが置かれた環境は、とても壮大で一般人とはかけ離れたものです。 でもプリシラも多くの女性と同じように、色々な経験を積みながら大人になりました。 プリシラの人生は、類い稀であると同時に、私たちが深く共感できるものでもあります。 ということで 改めて 誠にしっかりした映画であります。 2024年4月12日 公開

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          「COUNT ME IN 魂のリズム」

          2024.3.15(金)公開『COUNT ME IN 魂のリズム』公式サイト https://countmein.jp/ すみません 100% 面白い 100% 理解できる 100% 同感  300% で、極楽映画大賞特別賞枠でノミネート 最初に何で謝ったかというと ・・・僕も実はドラマーの端くれだった、勿論プロじゃなかったけどね(この「端くれ」ってのが良いねぇ、)・・・ 冷静な目で観れなかったし、たぶん、そうじゃない人(ドラマーじゃない普通の人)には 彼らが語ることが、どこまで理解されるのか、どこまで理解されるのか、どこまで面白いのか が判断できないからなんだ。 内容はいたってシンプルで 生の本当の一流ドラマーたちが その魅力について語るだけ。それで十分すぎるんだ! 登場者は ロジャー・テイラー(クイーン) イアン・ペイス(ディープ・パープル) ニック・メイスン(ピンク・フロイド) スチュワート・コープランド(ポリス) ニック・“トッパー“・ヒードン(ザ・クラッシュ) テイラー・ホーキンス(フー・ファイターズ) クレム・バーク(ユーリズミックス/ブロンディ) ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン) ラット・スキャビーズ(ザ・ダムド) ボブ・ヘンリット(ザ・キンクス/アージェント) ジム・ケルトナー(トラヴェリング・ウィルベリーズ/エリック・クラプトン/ライ・クーダー) エミリー・ドーラン・デイヴィス(ザ・ダークネス/ブライアン・フェリー) ベン・サッチャー(ロイヤル・ブラッド) エイブ・ラボリエル・ジュニア(ポール・マッカートニー/スティング) ジェス・ボーウェン(ザ・サマー・セット) ドラムはバンドの錨 同感300%の85分 そして最後は4 人によるドラムSoloセッション ・・・・常に僕は思うんだけれど、良いドラムSoloは「歌っている」ということ、 歌うように叩くのではなく、ドラミングから自然にメロディーが聞こえてくるんだ・・・ そしてこのラストのセッションはその結晶と見れた。 2024年3月15日 公開 PS 見ていて気が付いた! 素晴らしいドラマーは皆 「口ドラム(口でドラミングを表現する)」ことがうまいんですよ。

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          「ブルックリンでオペラを」

          映画『ブルックリンでオペラを』公式サイト|2024年4月5日(金)公開 https://movies.shochiku.co.jp/BrooklynOpera/ ハイカルチャーなラブコメディー と、でもいうのでしょうか。 主演がアン・ハサウェイ、更にこの脚本にほれ込んで自身がプロデューサーも務める。 舞台はブルックリン、 スランプに落ち込むオペラ作曲家の夫が愛犬の散歩に出たことで始まる出会いと展開のストーリー。 ディズニー映画「101匹わんちゃん」の 舞台をロンドンからNYブルックリン、主要な役どころを売れない作曲家からのオペラ作曲家に変え 時間が現在になると、こういう物語に代わるんじゃないかな、とも、勝手に思えた。 物語は 2つの家族、夫婦 ・・・といっても、これがまた今風なのか、それぞれ離婚を経て今は違う伴侶のもとで、それぞれが連れた高校生の子供がおり、 かたや 学歴コンプレックスのつまらない法廷書記官の父、いまだに市民権を得られない移民の母 かたや アンが演じる、潔癖症気味で強くキリスト教を信じる精神科医の母、ピーター・ディンクレイジ演じるスランプに落ち込んでいるオペラ作曲家の父 そこにマリサ・トメイ演じるブルックリンの港を行きかうタグボートの船長 こうした途上人物が繰り出すラブコメディー。 そして このストーリーの軸になるのが、オペラ作曲家がスランプを脱する出会いと、それを題材にしたそれら作品が舞台上で演じられるのだが それが ハイカルチャーなラブコメディー、と表したゆえんであります。 船長を演じたマリサ・トメイ、さすが、法廷コメディ「いとこのビニー」 いとこのビニー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com) https://eiga.com/movie/42455/ で第65回アカデミー助演女優賞を受賞した実力がここにも。 すでに名優といえるアン・ハサウェイは、プロデューサーも務めたからか、 ちょっと肩に力が入り過ぎてないかな、とも、勝手に思ったが、 それほどこの作品に力を注ぎ込んだのだろう、きっと。 監督のレベッカ・ミラー数多くの作品を送り出している監督とのことだが あの「セールスマンの死」他多くの名作で知られる劇作家アーサー・ミラーの娘という事はやはりお伝えしておきたい。 そうそう 音楽、というかエンディング音楽に 唐突にブルース・スプリングスティーンが登場するのがなんとも意外で、、、、 (Pとしてのアンが動いたんでは?などと邪推してしまった) ところで、いつものようについつい、 この機にブルックリンについて調べてみた。 名前の由来は1600年代から入植を始めたオランダ人が、母国の地名Breuckelen(ブルーケレン)という名前を付けたことから。 地域の特徴は かつてはハーレムやブロンクスと並ぶニューヨークのなかで治安が悪いとされるエリアとなっていた (僕がこの時期によくNYに行ってたんだが、確かにこのイメージが強く足を運ばなかった、古い話です) が 1990年代後半になるとギャラリーなどが続々とオープン、アートフェスティバルも開催されるようになり エンターテインメント産業の場ともなり、今は新しいカルチャーやトレンドを生み出す注目エリア。 最後に。 本作も最近のハリウッドに良く見受けられる、 いろいろな点で多様性の存在を取り込んでいるんだろうな、という姿勢は分かる。 本来のストーリーや展開に無理感を出すまでいかないように・・・。 2024年4月5日 公開

          「ブルックリンでオペラを」

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