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やりたいことを形にする、出世術。「時間とお金と要因」の話です。

さて、以前公開した「何の取り柄もない自分が、グラフィックデザインで独立するまでのお話し。」では、勉強も運動もできず、女の子にもモテない、なーんの取り柄もない私が、デザイン業で独立するまでの話しをしました。このnoteは、独立以降のストーリーです。

独立時、私の中で「やりたいこと」が、明確にありました。「目標」ってやつですね。「01. “個人” から、デザイン・ブランディング “依頼” をいただく」(当時は、大規模や予算豊富な方々が、デザインを取り入れることが一般的だった)。クライアントワークとして制作したデザイン事例が、「02. “デザイン誌掲載や受賞” することで、世の中から “評価” される」。そして、「03. 培ったデザイン構築の “ノウハウ” を形にして “伝える”」

01. “個人” からのデザイン “依頼”。
02. “掲載や受賞” という “評価”。
03. “ノウハウ” を形にして “伝える”。

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独立したのが2011年。約5年目で、3つの目標は「振り幅ある、個人規模業態からのご依頼」「デザイン誌や書籍、デザイン賞受賞」「デザイン入門書の執筆・出版」という具体的な形で達成。「やりたい」と強く思っていたことが、実際に「形」にできました。

つっても、現状にまだまだ、満足しているわけではない。目標を達成すると、次の目標が見えてくるのは自然なこと。感動とは「稀に起こること」のみに与えられる。一度、感動したことは、二度目に遭遇しても感動はグッと半減するのです。再度、感動を呼び起こすには、「新しい感動」に出会うこと。これしかない。つまり、同じことを繰り返してても、感動度がマヒしちゃって、喜び中枢がそこまで響かないってわけよ! だから、次、見据えてるよ〜。

でもね。ここにくるまでの経験値は、次にも生かせる。生かしてほしい。

……というわけで! 独立直後に立てた、「やりたいこと形にする」目標、実際にどんなことをしたら、達成できたのか? リアルな体験談と、8つの気づきポイントをガッチャンコして、お伝えしますわ。目次です。

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◎「やりたいことを形にする」8つのポイント【 目次 】

・ポイント01. 「時間と金の投資」は必須。
・ポイント02.
「複数の要因」で次ステップにつながる。
・ポイント03.
「背伸びする」くらいがちょうどいい。
・ポイント04.
自分を否定する言葉 = 「チャンス」。
・ポイント05.
世の中の「新たな快楽のツボ」を探る。
・ポイント06.
スキルよりも「生き様」。
・ポイント07.  
自分の「礼返し」を意地でも最後に。
・ポイント08.
「萌え」パワーが宿るか。

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各ポイントと体験談。時系列はチャンプル。今このnoteを読んでいる方々。もし、生かせることがあったら、やり方、手法をパクったり、アレンジして、ぜひ生かしてください。これは役に立たねぇなぁ、犬も食わねぇ、ってことがあったら、笑って素通りしてください。ハハハ。さ、では始めます。

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・ポイント01. 「時間と金の投資」は必須。
・ポイント02. 「複数の要因」で次ステップにつながる。

先ほどお伝えした通り、「デザイン構築の “ノウハウ” を形にして “伝える”」、という意図で、書籍出版を考えていました。当然ですが、出版につなげるためには、編集者から見て、「この人に、こんなことを書いてほしい!」と思われることが必須。で、「本、出してぇなぁ」と頭ん中でモヨモヨしていた頃。デザイン書籍関連の出版編集者の方々からみて、「永井弘人ってやつに、本、出してほしい!」と思われてるかなって考えると、まぁ、ないな。

客観的にみて、自分で自分をみて、ないな。その原因は何か? 「実績」です。仮説として、誰かが誰かに何かを「初めて」依頼する時、まず「安心」を求めます。遊びや趣味だったら、実験的にコイツに頼んでみて、ダメだったらダメでいっか!ってのもありかもしれんけど、「仕事」となり、出した本がダメダメで、売れなかった場合、執筆者のみならず、編集者にも責任はおよぶ。……ということで、「客観的」にみた、「実績」と「安心」はマストよね。

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独立時のオレには何もなかった。実績? 安心? ふん。気持ちいいぐらい、ない。っちゅーことは、やっぱ、優先してやるべきことは、「実績」と「安心」を築くことだなぁ。と考えたんですね。で、「実績」と「安心」を築く、初めのゴールとして、自費にはなるけど、まずは1冊、「書籍の形」にしようと考えた。形にするにしても、ネタはどうすんだ? それがこれ。本日のアトオシ」。

正確にいうと、この「本日のアトオシ」。アトオシ(私の屋合名)立上げのちょい前から、仕事とは別軸で、グラフィックデザイナー永井弘人とイラストレーター安井隆人の2人で、“当たり前の日常の良さを再認識する作品” をつくっては発信する、ってことをやってました。そのユニット、そして、作品発信の場の名称だった。

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もともと友だちだったボクらは、本当に仲がよかった。真面目な話し、くだらない話しもたくさんした。専門学校から5年以上の付き合い。いい関係が続いたのは、適度な距離感があったからだろう。ガッツリ2人きりで作品づくりを進める毎日。意見のズレとか、そっから生じる微妙な空気とか、オレはこんなにやってんのに、とか。まぁ、活動を続けていく中で、フラストレーションがお互いたまりまくってたんだ。

ボクは稼ぎも少ない上、安井に生活費を貸していた。必死に活動する。しかし、色々とギリギリでもある。この状態から、1日でも早く突破しないと。なぁ、お前もそう思うだろ? じゃあ、なんでもっとやらないの? 今思うと、キツいこともたくさん言った。

ある日の朝。玄関の扉を開けると、安井から「お元気で」という置き手紙と、貸していたノートPCとか外付HDDが段ボールにつっこんであった。フタはあいたまま。(雨ふったらどうすんだ?)夜逃げ同然で、地元の和歌山に帰っていった。……なんでもっと優しくできなかったんだろう。自由奔放な「彼の良さ・作風」を引き出す接し方を、ボクはできていなかったんだ。(今はその教訓を、心底、生かしている)ディレクターとして失格。心はドシャ降りだった。

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相方、そして、イラストという表現がなくなる。自分と向き合う。本当に伝えたいこと、発信したいことはなんだ? “日常とデザインを拡げる”。“デザイナーではない人に、デザインを伝える”ここはブレない。ならば、「言葉と文章」で闘おう。伝えよう。「言葉と文章」は、視覚的効果を使わない「デザイン」だ。決めた。そっから、「言葉と文章」のみで、“日常とデザインを拡げる雑文”を、ほぼ毎日、発信していった。

このスタイルになったのが、2013年8月16日。コツコツ、書いていく。直感的には役に立たない、しかも、誰が見てるかもわからない雑文。でも、楽しい。書いてて、楽しい。一番初めの客は、オレだ。そのオレが、迷いなく、自信もって楽しい、面白いって言っている。まずは、それでOK。むしろ、必須。ひたすら書く。続ける。日常とデザインの間口を拡げていく。

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2014年11月24日。テキスト量はたまってきた。当初予定していた「書籍の形」にする意図で、文学フリマ(文学作品の展示即売会)に出店。オンライン上からリアルな場へ。リアルな形へ。

そうです。自費出版。約30万円。まわりは言う。「いやいや、その金あったら、美味いもの食えるよ? 海外旅行いけるよ? 風俗もイケるよ?」まぁ、そうでしょう。でも、この本をつくることは、オレん中での、美味いものであり、海外旅行であり、自分で自分を攻めるM性感なんだ。イクイク! ためらわず、ぶっ込む。

出店時、そこそこ売れた(ブースで立ち見してくれた人からは、そこそこ評判がよかった。ありがとう。オモロイって自信があったら、形にしたんだよ)けども、毎日イベントがあるわけではない。これまた、そこそこの在庫に囲まれながら、懲りずに、雑文を毎日書いては、発信していく。だって、楽しいんだもん。当然、そのつもりだ。

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文学フリマ出店から、たった4日後。2014年11月28日。1通のメールが届く。

「弊社はデザイン関連の雑誌・書籍を発行している出版社でして、現在当編集部におきましてデザインの入門書の企画を進めております。」

「ウェブ上で永井様のご活躍を拝見し、本書籍のご執筆をお願いさせていただくのが可能かどうか、ご連絡させていただきました次第です。」

「発行は○○○○年○月を予定しておりますが、もしもご興味がおありでしたらもう少し詳しい情報をお知らせできればと考えております。」


……詐欺か? 正直な第一印象。いやいやいや、そんなぁ都合のいいことはないない。HAHAHA、出会い系のサクラじゃないんだからって、言ってる場合じゃなくて、即レス、ドン! ぜひ、今すぐに、あいあいあいあい会いましょう。ワタシ、ハナシ、スル。

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この問い合わせメールを送っていただいた方こそ、デザイン書籍を出版するMdNの編集者Sさん a.k.a. 神。アンド、執筆させていただいたのが、デザイン入門の入門書「デザイナーになる。伝えるレイアウト・色・文字のいちばん大切な基本」だったのです。

編集者Sさんに聞く。どうやって、私を見つけました? なんで、私に頼もうと思いました? だって、気になりますよね? 他にも、既に出版している人とか、ベテランさんとか、候補者はたくさんいるはず。Sさんの答えはこうだ。

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「まず、出版社内、本を出す新企画は定期的に行ってます。内容は、時代性に合わせた企画やシリーズ継続物など、様々。今回、今までにあまりない、『“よりやさしく、カジュアルな雰囲気で、丁寧に解説” する、デザイン入門の入門書』を考えました。」

「その『デザイン入門の入門書』を書く執筆者は、過去に依頼してた方よりも、より適する人を探すため、ネットリサーチしました。そこで、永井さんを見つけたんです。」

「永井さんにお願いしようと思った理由。まず、当然ですが、『
グラフィックデザインの仕事』をしている。事例紹介Webサイトのアバウトページを見ると、『初心者にもやさしく伝えてくれそうな印象』を感じた。『デザイン専門学校の講師』をやっている。何やら、『文章の発信』をしている。『書籍の形』にしている。」

「それら、“トータル的にみて、適している” と感じて、メールを送ったんです。」


……ですって! 照れちゃう! あんまーり、ダラダラと長くなっちゃうのも、おしっこ漏れちゃうんで、まとめます。(高円寺の上島珈琲店でこれを打ち込んでいる。となりに座った女子高生が気になって、集中力が切れてきた。JKに集中するため、まとめよう)

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・ ポイント01. 「時間と金の投資」は必須。

・「時間の投資」 : 人からの依頼仕事外に、自分がやりたいことをDoする「自分仕事」を、1年以上、ほぼ毎日、コツコツと続けてきた。

・「金の投資」 : 客観的にみた「実績」と「安心」を形にするため、自費出版で、30万円を支払った。(自費出版であることはそこまで気にされてなく、「形」になっている意味や効果の方がより強い、と感じました)

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・ ポイント02. 「複数の要因」で次ステップにつながる。

・ 要因01 : グラフィックデザインの仕事をしている。
・ 要因02 : やわらかい印象でデザインを伝えている(意識している)。
・ 要因03 : デザイン専門学校で講師をしている。
・ 要因04 : 文章を書き続けている。
・ 要因05 : 書籍という形にしている。

……何か「1つだけの要因」で、ググッと飛躍することはむずかしく、これとそれとあれ、「複数要因のミクスチャー」があってこそ、「その人のオリジナリティ・強さ・売り・魅力」が生まれ、それが、「世の中のニーズ(今回は編集者Sさん)とガチッと重なった」時、「次ステップにつながる階段」がガガガガガと出来上がる。

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大事なのは、世の中のニーズが生じてから、準備をするんじゃ、遅すぎるってこと。ちょいと先にくるだろう、こんなことが求められるだろう、ってことを予測、真剣に考えながら、自分の複数要因力をつけていく。形にしていく。これだ。(そうだよな? となり席のJKよぉ? あ、いない)

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そして、

◎「やりたいことを形にする」残りのポイント

・ポイント03. 「背伸びする」くらいがちょうどいい
・ポイント04. 自分を否定する言葉 = 「チャンス」
・ポイント05. 世の中の「新たな快楽のツボ」を探る。
・ポイント06. スキルよりも「生き様」。
・ポイント07. 自分の「礼返し」を意地でも最後に。
・ポイント08. 「萌え」パワーが宿るか。

これらはですね……おぉーと待った!! こんにちは、こんばんは、おはようございます。「やりたいことを形にする、ポイント03.〜08.のnote」は、私はじめての有料マガジンに、執筆次第、追加していきます。(来月には書き終わる予定)……有料? そう、稀なこと。感動感動。さっき言ったわ。

選択の判断。やりたいことを形にするって、リアルRPG。適度にむずかしい設定こそ、やる気、やりがいが生まれるっていうでしょ? イージー、ノーマル、ハード? 楽しめる状態をキープして、プレイ、プレイ、プレイ。

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いやぁ、それにしても上島珈琲店の黒糖ミルク珈琲、はずさないな〜。グビグビいっちゃうよ。サンマルクのチョコクロといい勝負だ。飲み物と食べ物、別次元の争い。うまい。ありがとうございます。読んでいただいた皆さんも、本当にありがとうございます。以上、上島珈琲店のステマでした!

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◎ 次の出世術のお話、「ポイント03. 『背伸びする』くらいがちょうどいい。」はコチラです。

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最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!!

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