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日常を豊かにする、「なんかいいな」と思える瞬間が、「デザイン」だ。“人デ展”を振り返る。リアルな出来事があった。

……ひょっとしたら世の人は、“合理的ですぐに何かしらの役に立つこと”よりも。“どーでもいいこと”に対し、各々の解釈で「なんかいいな」と感じることを求めているんじゃないか? それこそが、デザインを伝える、ベストな瞬間なんじゃないか? この気づき、「人デ展」企画の種。……

先日、2017年10月28日〜11月5日に行った、約8年ぶり、私企画の「人の顔が魅えるデザイン展」が終了しました。(現在、私のnote内にて、展示作品と文章を公開してます)。

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ご来場いただいた方々、本当にありがとうございました。

遠方や他の予定で来れなかった方々も、この文章を読んでいる、ということは、何かしらの琴線に触れているのだと思います。ありがとうございます!

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本デザイン展の詳細は、「気になるあの子をデートに誘う口実。“デザイナーではない人”に、デザインを伝える。日常? 生活? リアルな場。」でも書きましたが、改めて、簡単に展示概要を伝えちゃうと、

◎「人の顔が魅えるデザイン展」概要
「“デザイナーではない人”に、デザインを伝える。」ことが目的。
クライアント11人の「デザイン事例 + 背景ストーリー」を紹介。
デザインを見て、文章を読んで、各々の解釈で、「日常を豊かにするヒント」を感じてもらうのが、嬉しいゴール!

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……でした。「“技術の高さ”や“表現の面白さ”を伝えるデザイン展」は本当にたくさんあります。それはそれでありがたいのですが、そういった展示は、あくまでも、「デザイナー」、または、「デザインにがっつり興味がある人、勉強してる人」向けのものなんですね。

で、私の考えでは、「デザイン」は本来、「デザイナーではない人」、つまり、「生活者」のためにある、と考えています。だからこそ、その道に詳しい人だけが理解できるような、技術や表現にフォーカスした展示じゃなくて、「デザイナーではない人 = 生活者」に向けた、デザイン展があるべきだと、強く考えていました。

でもって、「デザイナーではない人 = 生活者」は別に、勉強をしたいわけじゃないんで、「日常の中に溶け込む、カジュアルで、笑いとユーモアを練り込んだ、ふんわりと共感できる展示」だったら、いいんじゃないか!?っつーことで、「人の顔が魅えるデザイン展(人デ展)」を企画、開催したんだじょ!

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えーと、真面目なこと語ろうとしましたが、ちょっと限界がきたんで、ここで感想ツイートを抜粋し、紹介していきます。目にもとまらぬ速さで、グリグリとスクロールしてみてください。速読力が鍛えられます。↓↓↓↓↓




◎「人の顔が魅えるデザイン展」の様子が書かれた、メディア & ブログ
・ WEBマガジン「箱庭」 : “デザイナーではない人”に、デザインを伝える。「人の顔が魅えるデザイン展」に行ってきました!
・ブログ : 人デ 中目黒 デザインのオモシロさ。(美容室 moloco)

↑↑↑↑↑……はい! ありがとうございます!! よく読めましたね? 読めなかった場合は、ゆっくりとスクロールしましょうね。


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「人の顔が魅えるデザイン展」を振り返る。リアルな出来事があった。

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来場いただいた方より多くの声。「こんなデザイン展を待っていた」。これからの時代、「つくり手」は上っ面のいいとこ取りではなく。ダサいとこ、悲しみ、喜び、恋愛……自身に起こる、「日常のリアル」も見せる。分離しない。だからこそ、共感や理解につながる。そう信じている。

夜、ほろ酔いでギャラリー内に入ってきた、洒落たカップル。おもしろーい! なんていいながら、文章を読み、特殊加工の印刷物にふれる。赤くほてった顔で、デザインっすね! と言う。これだ。流れでふらっと入れる場所。主役は、個々一人一人の日常であり、生活なんだ。

私は、名だたるデザイナーではないし、開催場所は、銀座や六本木にあるような立派なギャラリーじゃない。微力だけど……ではなく、「微力だからこそ」やる意味がある。そうだろう? 目の前で、2歳の女の子が展示ツールをぶわぁー! となぎ倒す。それでいい。本能のまま、動き続けろ。その勢いを忘れちゃだめよ。

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人の喜ぶ顔を見た。「箱庭、みてきました! インスタ、みてきました! Facebook、みてきました! Twitter、みてきました!」メディアの強さを知った。あふれんばかりの甘い差し入れに、しばらくコンビニでの間食購入は不要になった。最終日、10分前に名刺交換したばかりのMdN編集の方に、膨大な搬出作業を手伝ってもらった。「Iさん、延長ケーブルかたしたら、次、ガラス板を戻してください!」

開催初日を終えた瞬間。身体に残っていた搬入と設営疲れがジンジンと蘇り、ギャラリーのコンクリ床にそのまま眠る。午前3時、背中の痛さと寒さで起きる。ギャラリーは大きなマンションの1階にあって、地下には複数の部屋。深夜にもかかわらず、人の話し声やダンス練習の音が聞こえる。みんな、がんばってんな。

金髪のかわいい女の子が、とても長い時間をかけて、作品ひとつひとつをじっくり、ゆっくりと見てくれた。僕はその様子をじっと見つめていた。

進路に悩みがあるって言ってた、大学3年生の女の子が、ぜんぶのパネルを見終わった後、涙目だった。「“悩む”ことは改善に向かって、必死になっている証拠。つまり、正常だ」。そんなことを伝える。いろいろやって全部がダメダメで、僕も大学3年生の時に、逃げるように、この世界に初めて足を踏み入れたんだよ。こわかったよ。

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会社帰りやデート途中、飲みの前。デザインの「背景にあるストーリー」を読む。気持ちが上がる、シーンのひとつ。これからも、僕はくだらない文章を書き続けるだろう。一人一人、もっと話したい気持ちは、「つくること・伝えること」を通して、これからも会話していく。じっくり、コトコト。「人」と築きあげて、「人」に伝える。それも、大切なデザインなんだ。


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日常を豊かにする、「なんかいいな」と思える瞬間が、「デザイン」だ。

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8年前、同じ中目黒の地で、「20代の成功を助けるデザイン展『アトオシ』」を開催した。当時、20歳半ばの人が「本当にやりたい」と思うことを、先に形にする(デザインする)ことで、視覚的に「本当にできそう!」とモチベーションを上げていただく。そんな内容だった。

時を経て、私自身が感じていた「本当にやりたいこと = 個の人とつくるデザイン」ができるようになった。仕事からプライベートまで、様々なシーンで接してきた方々のおかげ。改めて、深く感謝。今回の「人デ展」は、感謝の形であり、“デザイナーではない人”にデザインを伝えるための企画でもある。

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8年前。来場者に言われた言葉がある。「作品の下に貼ってあった、解説パネルみたいなのが、一番おもしろかった」……一番は作品じゃないんかい! と思いつつ、その言葉が妙に気持ちよく、ずっとずっと頭の片隅にこびりついていた。「作品解説のようなもの」と題した文章。クライアントさんとこんな掛け合いがあった、とか、制作時にこんなトラブルがあった、とか。正直、端からみたら、“どーでもいいこと”。しかし、“どーでもいいこと”が面白いと。

そっか。ひょっとしたら世の人は、“合理的ですぐに何かしらの役に立つこと”よりも。“どーでもいいこと”に対し、各々の解釈で「なんかいいな」と感じることを求めているんじゃないか? それこそが、デザインを伝える、ベストな瞬間なんじゃないか? この気づき、「人デ展」企画の種。

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僕はでっかい組織よりも、個々、一人一人の方が好きだ。一人一人、主役のストーリーを持っている。とても面白い。来場された一人一人も、今、この文章を読んでいる一人一人も。生まれてから、今、そして明日につながるストーリーがあるだろう。そんなストーリーの中。人デ展の場とか、つらつらと書かれたnoteの中で、ほんのちょっとでも「なんかいいな」と感じる瞬間があったら、とっても嬉しい!

日々、辛いこととか、しんどいこととか、そんなことばっかかもしれない。でも。身近な人の笑顔とか、くだらなさで吹き出す会話とか。小さくても、確実にいいことはある。そういったことにアンテナを向けて、意識するのもデザイン。日常の中で、「なんかいいな」と感じる瞬間こそ、「デザイン」。

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デザイナーも、デザイナーではない人も。そういった“共通のデザイン”にふれる、すべての人たちが。日々、笑顔で過ごしていけるように。心から強く願っています。もう一度。本当にありがとうございました。いつもありがとう。グッドラック。幸あれ。笑え!

グラフィックデザイナー 永井弘人

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* 「“人デ展”の展示作品・ストーリー」は、下記マガジン内にて、読むことができます!

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最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!!

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