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「悩む」ことは、正常な状態。「今より改善しよう」とする、健康の証拠。そんな自分が好き??

最終的なデザインの構成要素が少なければ少ないほど、反比例して、その裏側にある資料・リサーチ内容の数は莫大だったりする。

ロゴマーク・ロゴタイプはもうホントいい例で、人から見れば、ただのマークであり、ただの文字。しかし、その要素が、買う/買わない、だったり、入る/入らない、といった判断基準の一つとなるのだから、“その形”になる理由が集約され、パッと見の完成度は高くないともちろんダメダメ。

理由を見つけ出すための資料として、デザイン関連書籍を買います。急ぎの時はアマゾンが多いです。たまーにアマゾンで取り寄せの本になっちゃっていて、一刻も早く届けてほしい! って時はヨドバシのオンラインストアを利用。本が売ってることが意外だからか穴場。しっかり在庫があって、翌日届けが願ったりした時は、新宿西口がより好きになる! ありがとう! ヨドバシ! 余裕があるときゃ書店でじっくり!

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名刺の制作を依頼される。話を聞くと、私が名刺を受け渡しをする相手は、基本、事前にアポイントを取っているので、連絡先とかお互い、既に知っている場合が多い。だから、情報記載ではなく、アイデンティティを表す場にしたいんだ。とはいっても、自己主張したいわけじゃない。らしさ、をさりげなく出したいんだ。

名刺は分身。手に渡った瞬間、色々悟られるし、悟る。情報量が、他媒体に比べて少ない分、生命が細部に宿る。分身の術。スタンド。ドッペンゲンガー。

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さて、春がくる。春といえば、新しい一歩を踏み出すタイミング。年末年始よりも4月の訪れの方が、あぁ、また1年経ったか、と感じさせる季節でもある。月日が経っても、年月が過ぎ去っても、“頭の中にずーっとこびりついて離れない言葉”があなたにはあるだろうか?

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私の場合、

「カップ焼きそばって、焼いてなくて、ゆでてるだけだよね」

と、高校時代、古典の授業中になんの前ぶれもなく言い放ったAくんの言葉。そして、

「まぁ、エロにまっっったく興味ない人間なんて、この世にいないから」

と、大学時代、学校から夜のお台場へ僕を車で運びつつ、アクアシティから海浜公園に向かうカーブで右折ハンドルを切りながら、なぜか怒り口調でつぶやいたSくんの言葉。

あー、こびりついてる。うん。……ちがうちがう! もうちょっといい話しようとしてたんですよ。いきます。

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デザイン会社1社目を辞め、転職活動をはじめていた時期。憧れていた「デザインを仕事にする」が叶ったはずなのに、「指示通りの内容を形にする」ことに嫌気が指し、会社を辞めた。転職活動を始める。ところが、思うようにうまくいかない日々。(20社以上、書類段階で流されていた)

ある時、「JAGDA 学生の日」なるイベントが行われていることを知る。JAGDA(ジャグダ)とは、「日本グラフィックデザイナー協会」のことで、その名の通り、「日本のグラフィックデザインの継承・啓蒙を軸とした活動を行う団体」のことである。日本には様々なデザイン団体があるけど、このJAGDAが一番、会員数が多い。

で、「JAGDA 学生の日」とは、第一線で活躍しているデザイナーさんが、学生に向けに、ありがたい話しや、作品・ポートフォリオを見て、アドバイスくれるってイベント。詳細を見ると、まぁ、スゴイ顔ぶれ。当時、まだSNSが途上だった時代。「誰がすごいデザイナー??」を知るには、大手メディアのWebサイト、または、デザイン雑誌が主であった。

そこで知った、「有名で著名なデザイナー」の名前がズラーッと並んでいる。これはもう、ありがたい話しを聞けるにちがいない! 転職活動で落ちまくる自分に何かいい気づきが生まれるにちがいない! と、すぐさま参加を申し込んだ。学生でもないのに。(一応、学生じゃなくても参加可と書いてあったよ)

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先に伝えておくと、よく、

「“尊敬するデザイナー”の方はいますか?」

と聞かれた場合、私は、

「いません」

と答える。なぜなら、「“同じ業界”の、“その人自身”を尊敬する」ということは、「その人を超えられない」ことを意味する、と考えているからだ。本当にその人のことを尊敬しているのであれば、「その人を超えられる勢い・姿勢」を持つべきではなかろうか。ただし、

「○○デザイナーさんの、“△△の表現”については尊敬します」
「□□デザイナーさんの、“仕事の取り組み方”については尊敬します」

は、たーくさんあるよ。“部分”へのリスペクトだ。ちなみに、ご本人が目の前にいたら、話しは変わる。即刻、あなたを尊敬してますモード発動。……あっ、話しそれちゃった。

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「JAGDA 学生の日」当日。会場にて周りを見渡すと、友人どおしで来ている若々しい学生の中、私は一人、ポツンと立っていた。うん、なかなか、いい。人は本来、孤独なものだ。これが自然体なのだよ、と自分に言い聞かせ、グレートなデザイナーの深イイ話を聞けるのを待つ。

何名か出てくるデザイナーさんの中で、“頭の中にずーっとこびりついて離れない言葉”があった。その話しをしよう。

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佐藤卓(敬称略)。「デザインあ」の総合企画・ディレクションに始まり、「ロッテ・キシリトールガム」 「明治おいしい牛乳」パッケージや「文化庁メディア芸術祭」「美術出版社」ビジュアルアイデンティティを手掛ける、デザイナーからしたら、言わずもがな。

登壇される。スライドで投影されたのは、仕事作品ではなく、ご本人がサーフィンをやっている写真だった。仕事の合間、よく波にのるらしい。

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「どうも、佐藤卓です。いきなりですが、皆さんには『悩み』がありますか? 僕にはあります。というか、この仕事を始めてから、『悩み』が尽きたことは一度もない。もっとこうした方がよくなるんじゃないか? 自分の判断は正しいのか? そんなことばかり、毎日毎日、考えている」

「ある時、こんなにも自分が『悩んでいる』のは、ひょっとして、ちょっとおかしいんじゃないかって感じて、僕よりももっと上のデザイナーの方たちに話しを聞きにいった。すると、皆、同じように『悩み』続けていた。僕も『悩んでいる』。僕より上の巨匠クラスの方々も、みんな『悩んでいる』

「……ということは、むしろ、『悩む』ことは『正常な状態』、じゃないか? と気づいた。『正常な状態』ということは、『健康』である。『健康』だということは、『元気』が出る。つまり、『悩んでいる』状態は、『元気』な証拠!」

「逆に一番マズいのは、“悩みもなにもない”状態。いずれ大問題につながる、見えない問題を抱えたまま、過ごしているかもしれない。だから、皆さん。今、『悩んでいる』人。それ、『正常な状態』です。これからも大いに悩み続けましょう」

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これが、“頭の中にずーっとこびりついて離れない言葉”なのだ。この言葉には正直、今までの窮地を、何度も何度も救われてきた。改めて、伝えよう。ありがとうございます。心から。言葉をややスライドさせ、私の中では、こう解釈している。「悩むことは、“今より改善しようとする”、健康の証拠」

悔しい思いをしよう。疑問を持とう。なにクソ精神。もっとできることはないか、頭から血が出るほど考えよう。もがこう。うまくいかないことを楽しもう。そんな自分を、全部ひっくるめて愛そう。

文字通り、心から元気をもらった私は、「悩み」を「力」に変換し、「できる方法」を考えた。転職する意味は? なんのためにデザインする? それを形にするには? ……悩む、悩む、悩む……。だが、この状態こそ、正常だ。これでいい。いい。イイ!! ぴゅっ

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“できそうにない、無理そう”という思考は現実化してしまうので、考えるのならば、「できる方法」のみを考える。自分で自分を信じられなくなったら、誰が信じてくれるっていうんだい? 自分で自分を好きじゃない人が、誰が好きになってくれるっていうんだい? もう一度。本心・意志は、現実化する。

あれだ。「悩み」は、「跳び箱のロイター板」みたいなもんだ。それがあるからこそ、より高く飛べる。悩め。踏み込め。もっといい景色が見れっから。

おほっ、春ですよー!!

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