SAKE DIPLOMA 試験対策を「超える」対策 その6 【日本酒の製造の概略】

こんにちは。

「あと」です。

今回から、いよいよ日本酒の製造工程についての記事となります。

何回かかるのか検討もつきません・・・。それくらい、日本酒の製造工程は複雑さを極めます。

そこで今回は導入編として、日本酒の製造工程の全体像を捉えていきたいと思います。各工程について細かく見ていく前に、全体の地図をつくる作業を一緒にしていきましょう!

日本酒の製造工程の理解を難しくしているのが、「精米」、「製麹」、「酒母」、「上槽」・・・これら専門用語の数々です。少し詳しい方ならまだしも、初心者にとっては近寄り難い印象を抱きかねないほど、耳慣れない言葉の数々。

難しい話を抜きにして、日本酒がどのようにして造られるのかを、ざっくり理解しておきましょう。

日本酒の原料は、米です。日本酒造りは、米に手を加える所からスタートします。具体的に言うと、まず、米の表面を削って、雑味の元を除去します。

綺麗になった米を蒸したら、そこからは3つの使い道に分かれて処理されます。

1つは、麹づくりです。

酒は、原料の糖分がアルコールに変わることで完成していきます。糖分をアルコールに変えてくれるのは、酵母という微生物たち。彼らは、糖分をいわばエサとして、アルコールを生み出すのです(正確にはアルコールと二酸化炭素)。しかし、日本酒の原料である米には彼らのエサとなる糖分は含まれていません。そこで活躍するのが、麹です。麹とは、蒸した米に麹菌を振りかけて繁殖させた物。その麹菌が生み出す酵素が、米に含まれるデンプンを分解して糖に変えてくれます。つまり、麹無くしてアルコール無し。日本酒造りの中でも麹を造る「製麹(せいきく)」の工程は、トップクラスに重要と言えるでしょう。

2つめは、酒母です。

先程、酵母たちが糖をアルコールに変えてくれるという話をしました。その酵母を育成するのが、酒母造りの工程です。酒母の材料は、蒸した米、麹を繁殖させた麹米と水、そして酵母です。これらを元に、様々な雑菌から守りながら、酵母の増殖を促しながら酒母を仕込んでいきます。「酒母」という字の通り、酒を生み出してくれる酵母たちを正に母親のように大事に大事に育てていく。それが、酒母という工程です。

3つめは、醪づくりです。

手塩にかけて育てた麹と酒母に、蒸した米と水を少しずつ加えながら仕込むのが、醪づくりの工程です。ようやく邂逅した麹と酵母が、力を合わせて米を醪へと変えていきます。完成した醪を搾ると、いよいよ日本酒の原酒の完成!!ちなみに、醪づくりの過程では、麹がデンプンを糖に変える作業と、酵母が糖をアルコールに変える作業が同時進行でなされます。これを「並行複式発酵」と言い、世界中の酒の中でも稀有な技術となっています。

原料米を処理し、製麹·酒母·醪という3つの工程を経る。そして、完成した醪を搾ることで、日本酒の原酒が完成します。その後は、殺菌や瓶詰めの作業が行われ、消費者の元へと出荷されることになります。

ここまで、ざっくりと日本酒の製造工程を見てきました。

原料処理

麹·酒母·醪づくり

搾る(上槽と言います)

原酒の完成

瓶詰め·殺菌

出荷

このような形です。

まずはイメージとしてこの流れを頭に入れておきましょう。

次回以降、いよいよ各工程を順を追って見ていきたいと思います。


注)私は、まだまだ日本酒を勉強したての身であります。記載事項に関しては、自らのSAKE DIPLOMA認定試験合格の武器になったことは事実ですが、専門的見地からすると誤りであることも多々あるかと思います。その際は、ご指摘を頂けると非常に助かります。




この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?