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シゾイド・パーソナリティを測定する

割引あり

シゾイド・パーソナリティ障害とか,スキゾイド・パーソナリティ障害と呼ばれる特徴的なパーソナリティ障害が知られています。なお最近では,通常のパーソナリティと症状としてのパーソナリティの連続性を考えて「パーソナリティ症」と呼ばれることもあります。


シゾイドパーソナリティ障害

MSDマニュアルに示されているように,シゾイドパーソナリティ障害の特徴は次のような内容です。

シゾイドパーソナリティ障害は、社会的関係から距離を取ることと全般的な無関心、また対人関係での感情表現の少なさの広汎なパターンを特徴とします。

精神疾患の診断マニュアルであるDSM-5を作成する際に,スキゾイドパーソナリティ障害の削除が提案されたこともあるそうです。ただし,他のパーソナリティ障害も削除を提案されつつも残されているものもありますので,このあたりは微妙なところです。

シゾイドパーソナリティ障害の診断基準は,次のような内容になっています。これも,MSDマニュアルから引用してみましょう。冷淡で無関心で一人でいることが多いといった特徴が示されています。

シゾイドパーソナリティ障害の診断を下すには、以下の4つ以上によって示されるように、社会的関係から距離を置くこととそのような関係に対する全般的な無関心、また人付き合いで感情を表すことの少なさが持続的に認められる必要があります。
・家族も含め、親密な関係を求めたり、楽しんだりすることがない。
・一人で活動することを強く好む。
・他者との性的活動に対する興味がほとんどなく、あるとしてもごくわずかである。
・楽しみを得る活動がほとんどない。
・場合により第1度近親者がいること以外に、親しい友人や相談相手がいない。
・他者からの賞賛や批判に対して無関心であるようにみえる。
・感情的に冷めていて、無関心であり、出来事への反応や人付き合いにおいて感情を表さない。
また、症状は成人期早期までに始まっている必要があります。

測定

障害というまでのレベルではない,シゾイドパーソナリティを測定して研究を進めようとする試みが行われています。

文献によれば,シゾイドパーソナリティは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのうち外向性の低さと開放性の低さの組み合わせを特徴とするようです。一方で,神経症傾向は高い可能性もあるようです。

どのような尺度が完成するのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(The Development of the Five-Factor Schizoid Inventory)。

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