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高齢者のサクセスフル・エイジングにつながる性格

サクセスフル・エイジング(successful aging)という言葉があります。英語でsuccessfulは,「成功を収めた」とか「達成した」という意味とともに,「上出来な」という意味もあります。成功したエイジングというよりは,全体的に理想的な老い方をしているという意味になるでしょうか。


パーソナリティと老い

老いの個人差にパーソナリティが関連するという研究は,予想以上にたくさん行われています。パーソナリティは長期的な身体的,精神的な健康やウェルビーイング,幸福に関連することが示されています。もちろん,パーソナリティがどのようにそれらにつながるのか,不明瞭な点はたくさんあるのですが。

縦断的な研究も行われていて,オーストラリアの研究では,神経症傾向が低く,外向性と勤勉性が高いことが,よりサクセスフル・エイジングに関連することが報告されています。ただし,まだまだ研究の蓄積が必要な状況のようです。

そこで,8年間隔の複数時点における,パーソナリティとサクセスフル・エイジングとの関連を検討する研究が行われています。サクセスフル・エイジングは,主観的な性向や身体機能,痛みや慢性疾患などで測定されています。こちらの論文を見てみましょう(The Prospective Association of Personality Traits and Successful Aging)。

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