ダークな性格の年齢差と性差
社会的にあまり望ましくないパーソナリティ特性として,ダークなパーソナリティが盛んに研究されています。
ダーク面
他の人を自分の利益のために利用するマキャベリアニズム,冷淡で倫理観が欠如するサイコパシー,誇大で他者にも特別扱いを求めるナルシシズムの3つをまとめてダーク・トライアド,これに,他者の苦しみを見て喜びを抱く傾向であるサディズムを加えてダーク・テトラドという枠組みで研究が進められています。
近年,ダークなパーソナリティの共通点を総合したダーク(D)因子の研究もちらほら見られるようになっています。パーソナリティのD因子は,次のように定義されます。
◎自己の個人的効用を最大化しようとする一般的傾向
他者の不利益を軽視したり,受け入れたり,悪意をもって挑発したりする
正当化の役割をする信念を伴う
パーソナリティのD因子は,知能の一般因子(g) のように,「すべてのダークなパーソナリティの特質の根底にある一般的な傾向」だとされています。
年齢変化
ダークなパーソナリティは,女性よりも男性の方が平均点が高い傾向にあることは多くの研究で示されています。しかし,年齢に伴う違いについては,あまり明確ではありません。D因子に注目した場合はどうなのでしょうか。年齢とともに上昇するのか,低下するのか,あるいはあまり変化しないのでしょうか。
加えて,年齢によってダークなパーソナリティの構造が変わったりもしないのでしょうか。このあたりについて詳細な検討を行った研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Age and gender differences in socially aversive (“dark”) personality traits)。
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