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ガジェット好きは新しいものをもつと心が成長するのか

皆さんは新しいもの,とくに新しいデバイスやツールを手にすることが好きですか?私自身,若い頃は好きだったのですが,歳を重ねてくるとそこまで「ほしい」と強く思うこともなくなってきているような……それが「年をとる」ということなのでしょうか,それとも日々の生活でそこに意識を向けることができなくなっているのでしょうか……。

ガジェットへの関心

製品のお披露目イベントといえば,昔からアップル社の様子が思い浮かぶかもしれません。アップル社は,各種の製品イベントの準備に4か月以上の時間を費やしていて,年間5000万ドル以上をかけることもあるそうです。

新しい製品やサービスをお披露目するイベントは,新しいガジェット(IT関連でいえば道具や製品)の意義を消費者に向けて説得し,「それが欲しい」と思わせるのに一役買っています。


ガジェットを手にすると幸福なのか

では,購入する側は,ガジェットを手にすると幸福度が上昇するのでしょうか,それとも下降するのでしょうか。ここには,いくつかの考え方があります。

◎物質主義:物質的な価値を手にすることでステータスや価値を手に入れる。ただしこれまでの研究からは,物質的な価値を手にすることは幸福度や満足度,生活満足度の「低下」につながることが示されている。

◎学習:ガジェットを手にすることは新しいことを学ぶ機会を提供する。さまざまなブランドや素材,使用について知り,学び,技術に精通することは,自分自身の「成長」につながる。

個人差

単にガジェットを手にすることで幸福度が「上昇する」「下降する」ということだけでなく,個人差もそこに関連してくる可能性があります。ある人は周囲の刺激に深く関与することで幸福を得ようとし,また別の人は周囲の刺激から快楽を得ることで幸福を得ようとするかもしれません。こういった個人差は,ガジェットを手にするかどうか,またそのガジェットをどのように扱うか,さらにはそこから幸福感を得るかどうかに関係してくる可能性があります。

そこで,ガジェットを好むことが幸福感に関連するかどうか,またそこにはどのような要因が関与しているのかを検討した研究を見て見ましょう。こちらの論文です(Consumers' love for technological gadgets is linked to personal growth)。

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