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ダークな性格のホテル従業員は退職しやすい

ダークなパーソナリティ特性が存在するということも世の中に広まってくると,就活の時にそういったパーソナリティを測定して「排除しよう」とする動きが出てくるのではないかと心配になります(すでにあるみたいですけどね……)。

何らかの心理検査を使って「あなたはダークな性格を持っているから採用しない」と決断したとき,相手が司法に訴えてきたらどうするのでしょうか。「あなたの性格はダークだから採用しなかった」と言って,社会的に認められるのでしょうか……。

ダークな従業員

そもそも,マキャベリアニズム(自分の都合のいいように他の人を利用する),サイコパシー(冷淡で罪悪感を抱かない),ナルシシズム(自分の素晴らしさを皆もわかるはず)という,ダーク・トライアドのような特性が高いことは,職場にどのような問題をもたらすのかについても,そんなに明確になっているわけではありません。

むしろ,ダークな特性が有利に働く場面も,仕事の場面では少なくないように思うのですけどね。

ホテルの従業員

とはいえ接客業となると,また違うかもしれません。

今回紹介する研究は,ホテルの従業員のダーク・トライアドを検討したものです。ただし接客の様子について検討したのではなく,従業員同士のコミュニケーションです。特に,上司や同僚に対して積極的に自分の意見を述べて,改善点を指摘していくようなコミュニケーションについて,ダーク・トライアドとどのような関連があるかを検討したという研究になります。また,「離職の意図」についても調査が行われています。ダークなパーソナリティの持ち主は,すぐに職場を辞めようと思うものなのでしょうか。どうでしょうね。

果たして,ダークなパーソナリティをもつ従業員は,積極的に改善策を提案していくのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Exploring the relationship between the Dark Triad personality traits and voice behaviour of hotel employees with the moderating effect of intention to leave)。

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