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性的コンテンツを送りつける若者たちの特徴

「セクスティング」という言葉があります。これは,自分のプライベートな画像,特に裸体など性的に露骨なコンテンツを,電子機器を介したメッセージや動画の送信,転送を通じて,他人に送信する行為のことを指します。相手が受信に同意している場合には,セクスティングは恋愛や性的関係における一種の親密な表現行為となりますが,相手が同意していない場合には,嫌がらせや攻撃的な行動の一種と捉えることも可能です。

2016年から2020年の間のティーンエイジャーたちのセクスティング行動を検討した研究によると,約5人に1人が,同意なしに誰かにせくスティングを送信し,3人に1人がなんらかの形で受信しており,7人に1人が受信したセクスティングの内容をどこかに転送しているという結果が示されているそうです。


リスクテイキング

リスクの高い行動をとる傾向のことを,リスクテイキングといいます。飲酒や喫煙,ドラッグなどの依存,また無軌道な行動や衝動的な行動も,リスクテイキング行動に含まれます。

そして,思春期や青年期の時期というのは,リスクテイキング行動が多いことでも知られています。この背景には,青年期の若者たちが生理学的,脳神経科学的にも衝動的になりやすい傾向を示すようですし,友人関係や仲間関係の中でリスクテイキング行動につながりやすい関係性をもつという特徴もあります。

合意のないセクスティングは,まさにリスクテイキング行動の一種とも言えます。お互いに合意のあるセクスティングと,合意のないセクスティングでどのような違いが見られるのでしょうか。メタ分析で検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Consensual and Non-consensual Sexting Behaviors in Adolescence: A Systematic Review)。

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