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コロナ禍の飲酒
みなさん,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制限中,お酒はどうでしたか?それ以前に比べて,飲酒量が増えたでしょうか,それとも減ったでしょうか。
もともとお酒は自宅外で飲む,という人とおもに自宅で飲む,という人がいるかと思いますが,私自身のことを考えても,家で飲むお酒の量が増えたんじゃないか……となんとなく思っています。
脳に悪影響
こんなニュースも目にしました。「量にかかわらず飲酒は脳に悪影響 英研究」というものです。もしもコロナ禍で飲酒量が増えるなら,何か良くない結果へと結びついているのでしょうか。
家飲み
欧米諸国のみならず,欧米化した国々では,自宅でのアルコール摂取(家飲み)が,生活の一部となる傾向があるそうです。
たとえばオーストラリアでは,COVID-19の感染拡大前でも,アルコール消費全体のうちのほぼ3分の2が,自宅で飲まれていたという調査結果があるそうです。イギリスでの生活をイメージすると,お酒はパブで飲むものという印象があるのですが,1970年代から21世紀初頭にかけて,家庭内の飲酒割合が増加していったそうです。2009年のイギリス人成人を対象とした調査では,飲酒機会の78%が自宅だったということですから,なかなかの高割合です。
家飲みの弊害
自宅でのアルコール摂取が増えている一方で,家飲みは,アルコール関連の問題にかなり関連しているといわれています。というのも,ようは「飲み過ぎてしまう」傾向があるというわけです。
オーストラリアでは,自宅での飲酒によるアルコール消費の約56%が,飲酒ガイドラインで推奨されている量(1日平均2杯,アルコール20g)を超えていたそうです。結果的に,アルコールに直接起因する問題だけでなく,広く健康を害することにもつながっていくというわけです。
パンデミック下の飲酒
このように見てくると,自宅での飲酒機会を増加させると考えられるパンデミック下での飲酒は,何をもたらすと言えるのでしょうか。
30歳から65歳までの40人を対象にインタビューを行った研究があります。どんな話が出てくるのか,こちらの論文を見てみましょう(Affordances of home drinking in accounts from light and heavy drinkers)。
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