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黒人ハーフのジュニア運動選手が注目?

下に紹介するような記事を見つけました。

読んだ時,この内容はちょっとひどいなあ……と思ったのですが,その内容は世相を反映してもいます。それは,長い時代の風潮の変動を見てみると,現在は「遺伝を重視する」世相になってきているという点です。

ただし,遺伝重視の世相は簡単に「優生学」「人種」「排除」「選別」の思想に結びつきます。私自身,これは人間にとって避けられない思考の結びつきだと思っていて,このような連想に陥ってしまうことについては,なかば諦めてもいますし,授業のなかではよく,「心理特性の遺伝について安易に考えていると,とても簡単に優生学的思想に陥るものだ」とも言っています。

しかし,たとえ人間の思想がそこに行き着きやすいものだとは言っても,人間全体の幸福や生きやすさを考えた時には,そこは抗うべきだとも思っています。何でも自然に思うとおりであれば良いとは限りません。

心理学では不幸なことに,歴史的にこれまでにいろいろなことをやらかしてきました。差別の根拠となる思想やツールの作成を通じて,人々の不幸に加担してきた歴史をもっています(これはいわば,一種の目的外使用のようなものですが)。そしてもちろん,それらを抑制しようとする研究も多数行ってきました。いずれにしても,このような問題に対して多少は敏感でいるべきだと思っています。

ひとつの方法は,「別の例を考えて比較してみること」です。「この例だと違和感がないのに,どうしてこっちだと違和感を抱くのだろう」という「不一致の感覚」を生み出すことで,この問題について少しだけ深く考えることができると思うからです。では,やってみましょう。

もとの記事はこちらです。

この記事に対する私のツイートです。

ということで,自分で書いてみようと思います。まずはもとの記事記事から文章を抜き出して要約してみます。

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