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ダークな人物の職務遂行能力

割引あり

パーソナリティ(性格)特性と,仕事の遂行能力とのあいだの関連については,これまでにも数多くの研究が行われてきています。そして,比較的頑健で明確な関連も報告されています。

それは,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのなかの勤勉性(誠実性)の高さと神経症傾向(情緒不安定性)の低さが,全体的な職務遂行能力や結果に関連するというものです。


ダークな性格

職業場面でのダークなパーソナリティの研究も増加しています。

◎マキャベリアニズム:他者を自分の利益のために利用する
◎ナルシシズム:誇大で他者より優越しており特別で当然という感覚
◎サイコパシー:冷淡で倫理観が薄く反社会的行動をとる傾向
◎サディズム:他者の痛みを楽しんだり快楽を抱く

だいたい,仕事をする上ではでネガティブな結果につながるようなパーソナリティ特性ですが,実際にはどうなのでしょうか。


職務遂行能力

仕事における職務遂行能力には,3つの主要な側面があるとのことです。

◎タスク・パフォーマンス(TP):職務内容に直接関連する行動
◎コンテクスチュアル・パフォーマンス(CP):職務固有の活動
◎逆生産的職務行動(CWB):組織や構成員の幸福を害するネガティブな意図的行動

これらが,ダークなパーソナリティにどのように関連してくるのかについては,不明瞭な部分が残されているようです。予想としては,逆生産的職務行動が強く関連しそうではあるのですが……。

職務遂行能力と性格

ダークなパーソナリティだけでなく,ビッグ・ファイブ・パーソナリティやHEXACOモデルの正直さ・謙虚さ(H因子)などと職務遂行能力とのあいだに,そのような関連が見られるのかを検討した研究がありますので,結果を確認してみましょう。

こちらの論文です(Bad guys perform better? The incremental predictive validity of the Dark Tetrad over Big Five and Honesty-Humility)。

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