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サイバー犯罪の危険因子は何か

オンライン上でトラブルになった経験はあるでしょうか。意図してトラブルを導くわけではないケースが大部分ではないかと思うのですが,中には意図して他の人を困らせようとする人もいるようで。


サイバー犯罪

世界中でコンピュータやスマートフォン,タブレットなどが普及し,利用者は低年齢化しています。

オンラインでの犯罪つまりサイバー犯罪も,低年齢化しているという報告があるようで,青少年の生活や人生について考える時に,いかにしてオンライン上での無茶な行為や犯罪を抑止することができるのかを検討することは,世界中の人々の関心を集めているようです。

サイバー犯罪とはいえ,テクノロジーに依存する犯罪と,利用する犯罪があるようです。テクノロジーがなければその犯罪が発生しないのか,実社会でも同じような問題が生じつつ,ツールとしてその犯罪が発生しているのかという違いです。

たとえばハッキングはテクノロジーに依存する犯罪で,ネット上のストーキングやセクスティング(画像の送りつけ)は,テクノロジーを利用して行われる行為です。

ビッグ4

犯罪行動の「ビッグ4」という枠組みがあるそうです。汎愛に至る危険因子のことなのですが,「反社会的行動歴」「反社会的パーソナリティパターン」「反社会的認知」「反社会的仲間」とされています。

人生の時期に特有の犯罪傾向もありそうです。青年期には目を外して逸脱するパターンと,生涯にわたって逸脱しがちな人もいそうです。反社会行動履歴を見ることで,一時的な逸脱を示す人なのか,ずっと逸脱しがちなのかが分かります。

反社会的なパーソナリティのパターンには,複数のパーソナリティが含まれます。しかし根底には,覚醒水準が低く罰や否定的な結果にあまり敏感ではないという側面と,刺激を求め感覚を追求するという側面があるようです。

反社会的認知については,犯罪に好都合な態度,価値観,信念,合理化,アイデンティティなどが含まれます。もっとも直接的に犯罪に関連しそうなのは,道徳的基準が低いことです。

反社会的な仲間については,若い世代が犯罪に手を染める大きな要因だと昔から言われています。

犯罪には多くの危険因子が存在します。実際に何がどのように関連するのでしょうか。メタ分析で検討した研究がありますので,こちらを見ていきましょう(Risk factors for juvenile cybercrime: A meta-analytic review)。

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