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曖昧さへの寛容さとビッグ・ファイブ・パーソナリティ

世の中はあいまいなことばかりです。はっきりと原因がわからないことは数限りなくあり,将来もよくわかりませんし,見えていないことも多々存在しています。

ところが私たちはそのような状況を基本的に嫌っていて,「どういうことかはっきりしろ」「原因が何なのか明確にしろ」「どうしてそんなことになるのか説明しろ」といつも思ってしまうものです。


曖昧さ耐性

曖昧で不確実な状況を「脅威」として捉えるか,「魅力的」だと捉えるかには個人差があります。ある人はよくわからないものを「はっきりしてほしい」「いいかげんにしてほしい」と考えてしまいますし,別の人は「面白そう」と考えます。

このような個人差は,曖昧さ耐性とか,不確実性への不寛容とか,いくつかの言葉で表現されて,これまでに数多くの研究が行われています。

そして,曖昧さに寛容な人ほど,次のようなことが生じることも示されています。

◎幸福度が高い
◎学習意欲が高い
◎自己効力感が高い
◎異文化体験に従事する
◎心配や不安,落ち込みが少ない
◎ストレス反応が少ない

ビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連

曖昧さの耐性は,パーソナリティ特性とどのような関連を示すのでしょうか。様々なものを受け入れる傾向に関連しそうですので,開放性に関連するかなという気がします。実際はどうなのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(To fear or fly to the unknown: Tolerance for ambiguity and Big Five personality traits)。

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