職場のリーダーシップと創造性
ラディカルな創造性というのは,これまでにすでに存在している枠組みから大きく逸脱して異なるようなアイデアを生みだすことを指します。この種の創造性はイノベーションのエンジンにもなるようなものであり,企業や組織にとっても大きな利益をもたらします。
では,何がラディカルな創造性に関連するのでしょうか。これまでの研究では……
◎内発的動機づけ
◎ビッグ・ファイブ・パーソナリティの開放性
◎知識のネットワーク
◎上司と部下との社会的ネットワーク
これらがラディカルな創造性に影響を及ぼすとされているようです。
リーダーシップのタイプ
ラディカルな創造性に,リーダーシップが影響するのではないかという研究もよくおこなわれているようです。しかし,どのようなリーダーシップがかかわっていくのかが大きな問題です。たとえば,父性的リーダーシップというのは,課題に注目して達成に向かわせようとするリーダーシップです。この対応のリーダーシップが従業員の創造性に影響するのではないかという研究はあるそうです。
近年,エンパワーメント・リーダーシップというものも注目されています。これは,権力を共有し,動機づけを支援し,開発を支援するという要素から成り立つリーダーシップで,従業員の心理的なエンパワーメント(ひとりひとりの能力を発揮させること)を促すようなリーダーシップのスタイルだとされます。このようなリーダーシップのもとでは,従業員がより創造性を発揮しやすくなると考えられています。
しかし,このリーダーシップのスタイルが本当に従業員の創造性を伸ばすことに影響するのか,また何がリーダーシップと創造性を繋ぐのかといった観点からは,十分に検討されていないようです。そこで,従業員のエンパワーメントを発揮することで従業員が安心してリスクを取ることができるようになり,それが創造性につながるのではないかという仮説について取り組んだ,こちらの論文を見てみましょう(The relationship between empowering leadership and radical creativity)。
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