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よい創造性とわるい創造性につながる性格

創造性のなかには,よい創造性と悪い創造性があるのを知っているでしょうか。

そもそも創造性というのは,斬新なアイデアを生み出すことそのものや,そのようなアイデアを生み出そうとするときに使われる認知プロセスや行動プロセスに関連する作用のことを指します。さらには,結果的に社会を良い方向に変えたりさまざまな新しいことを生み出すことへとつながるアイデアを生成することも,創造性と呼ばれます。

一方で,悪意のある創造性もあります。たとえば,他社に損害を与えるために意図的に計画された創造性です。テロや虐待,非生産的な仕事など,さまざまな活動のなかで悪意のある創造性が発揮されます。


就活場面

学生から聞いた話なのですが,就職活動のなかでオンライン適性検査を受けるときに,

◎計算や英語が得意な友人に隣に控えてもらい,受験する
◎家族や恋人に部分的に代わりに答えてもらう

といったことをする学生が,結構いるそうなのです。

悪意があるかどうかはわからないのですが,私の想定外の受験方法だったので(しかも大手を振ってやっているらしく),個人的には悪意のある創造性に含めてもいいんじゃないかと思ってしまいました。

創造性検査

心理学では創造性は,拡散的思考とも呼ばれています。拡散的思考を測定するテストは創造性そのものではありません。通常,何かの課題が示されたときに,どれだけ独自の回答をするか,どれだけ他の人が思いつかないような回答をするかが評価されます。

とはいえ通常は,あまり悪意を伴った課題ではありません。そこで,悪意を伴う目標を設定し,かつそこで創造性が発揮されるような課題を設定することで,悪意を伴う創造性が測定できるのではないかと考えられます。たとえば,意地悪をする人に復讐をするような場面を設定して,その状況のなかでどれくらいオリジナリティ溢れる復習方法を思いつくか,などです。

どうでしょうね?

パーソナリティとの関連

悪意を伴う創造性と,相ではない創造性について,パーソナリティ特性との関連はどのようなものになるのでしょうか。創造性に最も関連することが予想されるビッグ・ファイブ・パーソナリティの開放性に,ダーク・トライアドのなかでもサイコパシーというパーソナリティ特性を取り上げて,創造性との関連を検討した研究があります。

では,こちらの論文を見てみましょう(Psychopathy and Openness-to-experience as predictors of malevolent and benevolent creativity)。

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