無欲でいることは幸福につながる
幸福感について,Self-centeredness/Selflessness Happiness Model(SSHM)というモデルがあるそうです。「自己中心性・無私無欲幸福モデル」とでもいいましょうか。ただ日本語訳はこれでいいのか,よくわかりません……。
これは,自分ばかりのことを考えることと,ものごとをあるがままに受け入れることが幸福の異なる側面に関連するという考え方です。
2つのプロセス・3つの仮定
このモデルでは,次のような仮定があるようです。
第1に,自己中心性と無私無欲な状態は対極にあるのではなく,同時に存在しうる状態であるということです。自己中心的な状態というのは「自分が中心」で,無私無欲の状態というのは「相手が中心」というイメージなので,真逆の関係にあるように思うのですが,必ずしもそうではないということが前提となっています。
第2に,幸福には2種類があり,持続する本物の幸福と,変動する幸福の要素だという仮定です。そして,本物の幸福の要素は無私無欲の状態によって促進され,変動する幸福の要素は自己中心的な状態によって影響を受けるということが想定されています。幸福の要素によって,それぞれ促進させる要素が変わるということのようです。
第3に,この安定して持続的な幸福を高めるプロセスと,変動する幸福を高めるプロセスはそれぞれ別のプロセスとなっているという仮定です。特に,持続的な幸福には感情の安定性や調和している感覚,変動する幸福には苦痛に対する対処のような要素がかかわっているとされています。
プロセスの検証
では,このような幸福のプロセスを検証した論文がありますので,見てみましょう(Self-centeredness and selflessness: happiness correlates and mediating psychological processes)。
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