思い出した風景
今回は,ちょっとした昔の思い出について。
学生時代,サークル仲間と一緒に,自転車で九州を旅行したことがあります。神戸でフェリーに乗り,下船した大分で自転車を組み立て,そこからスタートしました。テントを公園に立ててキャンプをしたり安い宿に泊まりながら。たしか,湯布院を通って阿蘇まで行き,高千穂を通って宮崎県へ。海沿いを走って韓国岳から鹿児島市へ行くという,若さだけが頼りのツーリングでした。
その時に目にした風景はどれも,とてもきれいな風景として記憶に残っているのですが,「ここは格別」という場所があります。
米塚
それは阿蘇にある小さな山で,名前は米塚です。
自転車で阿蘇までやっとたどりついて,この景色を目にした時は本当に感動した記憶があります。
高さは50メートルくらい,お椀を伏せたような形が可愛らしくて,今なら絶対にSNSに投稿していることでしょう。
レミニセンス
先日,家族で話をしていた時に,ふと米塚のことを思い出したのですよね。子どもたちにこの景色を見せてやりたいな,と思ってネットで画像を検索しました。
米塚のことを考えたのなんて,20年以上ぶりです。ずっと頭にも浮かばなかったのに,急に思い出しました。記憶というのは本当に不思議なものです。
心理学ではレミニセンスという言葉があります。いくつかの意味があるのですが,「長く忘れていたことを思い出すこと」とか「再学習していないのに忘れていたことを思い出すこと」といった意味で使われる言葉です。まさに今回の記憶が,「忘れていたことを思い出す」というその現象だな,と思えました。
地震の影響
さてこの米塚ですが,こんな記事も見つけました。熊本の地震で変形してしまったそうです。
また,学生の頃は米塚に登ることができたのですが,登山禁止になっているようです。ちょっと残念。でも,久しぶりに思い出した風景でした。
ちなみに……その旅行をきっかけに,花粉症になったのですよね……それも思い出すきっかけになったのかもしれません(そろそろそんな気配が……)。
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