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スマホアプリの助けを借りると性格は変わる

性格(パーソナリティ)特性を変えるためのスマホアプリがあるのを知っていますか?

そもそも「性格は変わるのか?」と疑問に思う人がいるかもしれません。これまでの研究から,それほど急激に変化するわけではないのですが,成人期を過ぎてからでもパーソナリティ特性は変化していくことがわかっています。

また年齢とともに徐々に変化していくこともわかっていて,
◎自尊感情の平均値が上昇していく
◎協調性の平均値が上昇していく
◎勤勉性の平均値が上昇していく
◎神経症傾向の平均値が下降していく
◎外向性や開放性はあまり変化しない
といったことも報告されています。これは日本でもだいたい同じです。


可鍛性

「鍛えれば変化する」というニュアンスを込めて,「可鍛性」という言葉が使われることもあります。生活を変化させたり,教育を施したり,社会のなかで政治的な立場から投資をしたりすることで,人びとのパーソナリティを変容させることができる可能性があるということを意味しています。

そして,「よりよい」パーソナリティ特性を伸ばしていこうとする試みも,すでに実行されようとしています。


デジタル・デバイスによる介入

これまでの研究では,人生の中の移行(進学や就職)がパーソナリティを変えていくこと,臨床場面での介入でパーソナリティが変容していくこと,また毎週の日常生活の中での取り組みでパーソナリティが変化していくことも報告されています。

パーソナリティを効率的に変化させて行くには,次のような要素が必要だと考えられています。

1.現実の自分と理想の自分との不一致を自覚すること
2.行動の開始と維持を活性化するようなフィードバックをもたらすこと
3.信念や期待,動機について本人の気づきを促し,高めること
4.それまで行ったことがない新しい行動への実践を教えること

こういったことをうまく組み合わせていくことが,パーソナリティの変化には必要だと考えられるそうです。そして,これらを効率的に進める方法の一つが,スマホのアプリを使った介入です。

効果はあるのか

今回紹介する研究では,実際に3か月間のスマホアプリによるパーソナリティを変化させる試みについて,その有効性を検討するものです。

では,こちらの論文を見てみましょう(Changing personality traits with the help of a digital personality change intervention)。

この研究では,PEACH(PErsonality coACH)と呼ばれるスマホアプリが用いられています。スマホの画面などは,このリンク先を参照してみてください。

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