睡眠と攻撃の関連
なんだか最近,よく眠れません。ストレスなのか更年期なのか,いやはや困ったものですね……。
睡眠
睡眠は基本的な生物学的な活動で,人間の障害のあらゆる段階で,心身の健康にとって不可欠なものです。睡眠の問題は,うつ病のリスク,不安,ストレス。攻撃性,認知機能など,ウェルビーイングの多くの重要な要素に影響を与えることも分かっています。さらに睡眠障害は,認知症,パーキンソン病,ハンチントン病,統合失調症,うつ病,不安障害など多くの臨床症状に共通する特徴です。
私たちの睡眠時間の減少は,世界中で観察される問題です。ということは,世界中で睡眠不足に起因する問題が発生しているということでしょうか。
攻撃性
攻撃性というのは,危害を加えられることを避けようとする動機づけをもつ他の人に対して危害を加えようとする行動のことを指します。これはスペクトラム状に理解されていて,軽いものから重篤なものまで段階があります。
よく知られた枠組みでは,4つの主要な要素から攻撃性をとらえています。怒り,敵意,言語的攻撃と身体的攻撃です。前者2つは感情の次元,後者2つは行動の次元です。
睡眠不足になると怒りっぽくなる,というのは多くの人がイメージをもつのではないでしょうか。しかし,では研究でこのことが明確に示されているのかというと,必ずしもそうでもなさそうです。
問題は,睡眠をどのように測定するのかというところにありそうです。本人が認識する睡眠の質の悪さなのか,実際の睡眠の客観的な悪さなのかという問題もあります。これらが攻撃性とどのように関連するのでしょうか。メタ分析で検討した研究があります。
では,こちらの論文を見てみましょう(Measurement type moderates the relationship between sleep and aggression: A meta-analytic investigation)。
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