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性格と偏見,偏った世の中を見る視点

パーソナリティ特性が偏見や先入観に影響するという考え方は,心理学の中で古くから研究されてきました。たとえば権威主義的な性格は,差別的な思想に結びつきやすいとされるパーソナリティ特性のひとつです。



社会的支配志向性

もうひとつの重要な個人差特性が,社会的支配志向性(Social Dominance Orientation; SDO)と呼ばれるものです。これは,集団において階層構造を望む程度をあらわすものです。「誰であれ人々は平等であるべきだ」といった考え方はSDOの低い考え方で,「上に立つ人が恩恵を受けるのは当然だ」といった考え方はSDOの高い考え方になります。

これらが1つのまとまりになるのではなく,2つの因子になるという研究もあります。

皆さん自身は,どういう考えをもつほうだと思いますか?

パーソナリティ特性との関連

権威主義的パーソナリティ(右翼的権威主義)や社会的支配志向性や実際に偏見を行う傾向というのは,パーソナリティの包括的なモデルであるビッグ・ファイブ・パーソナリティと,どのような関連を示すのでしょうか。

これをメタ分析で検討した研究がありますので,見てみましょう。この論文です(Personality and Prejudice: A Meta-Analysis and Theoretical Review)。

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