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マインドフルネスは集団自己愛者の偏見を沈静化させるか

割引あり

性別や性的指向,人種,身分に基づく偏見は,なかなかなくなりません。これまで心理学でも,偏見そのものに対して,また偏見を減らすために多くの研究が行われてきています。しかし,社会的な情勢の混乱などを背景に,個々人の偏見を減少させる可能性を探ることは急務の課題として求められています。


集団的ナルシシズム

自分が所属する集団(内集団)に偉大さや素晴らしさを強く感じており,自分が所属していない他の集団よりも自分たちの集団が優れていると感じることを,集団的ナルシシズムと言います。一方で,個人のナルシシズムと同様に,自分が所属する集団の素晴らしさが十分に認められていないのではないかという疑惑も抱きやすい傾向があります。

集団的ナルシシズムは,偏見に強く結びついていると言われます。集団的ナルシシズムが高い人は防衛的な反応をとりやすいと言えます。また,他の集団に属する他者に対するネガティブな反応をしやすいとも考えられます。このような特徴は,偏見や差別的な思想に結びつきやすいのではないでしょうか。

弱める要因

偏見を防止するひとつの要因に,マインドフルネスが考えられます。マインドフルネスは,現在経験していることに集中することです。また,マインドフルネスは介入やトレーニングをすることも可能です。

マインドフルネス的な経験をすることは,偏見の減少につながることがこれまでの研究で報告されているようです。たとえば,週1回のマインドフルネスを応用した瞑想を経験すると,アメリカにおけるホームレスや黒人に対する暗黙の偏見を減少させたそうです。

集団ナルシシズムとマインドフルネス

集団ナルシシズムは偏見を強め,マインドフルネスは偏見を弱めます。では,これらを組み合わせたらどうなるのでしょうか。

マインドフルネスを使った感謝のトレーニングは偏見を減少させるのか,集団的ナルシシズムが高くてもこのような介入は偏見を減少させるのか,このような観点から研究をおこなった研究があります。では,こちらの論文を見てみましょう(Mindful-Gratitude Practice Reduces Prejudice at High Levels of Collective Narcissism)。

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