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グラフで見る日本

以前も紹介したことがあるGapminderについて,今回も書いてみたいと思います。

Gapminderは,世界中のさまざまな統計資料を,視覚的にグラフで表示できる,とても面白いシステムです。web上だけでなく,アプリをダウンロードしてオフラインでパソコン上で動かすこともできます。

グラフの例

Gapminderといえば,下のような2軸の散布図を描けることが知られています。

たとえばこのグラフは,横軸が一人あたりGDP,縦軸が平均寿命です。また,赤色がアジア地域,黄色がヨーロッパ,緑色がアメリカ大陸,青色がアフリカ地域を指しています。さらに,円の大きさは人口です。というわけで,中央の右側にあるとても大きな赤色の円が中国,その左にあるとても大きな赤い円がインドです。日本は,もっと右上にあるやや大きめの赤色の円になります。

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このグラフを見て分かるとおり,その国の平均寿命は,ひとりあたりの収入が多い国ほど,全体的に高い傾向があります。

時間変化

Gapminderのもうひとつ面白い点は,時間変化を表現できるところにあります。

たとえば先ほど横軸で描かれていた一人あたりGDPの時代変化をグラフで描くこともできます。ここで描いているのは,アメリカ合衆国,日本,ロシア,中国,ナイジェリアだけです。

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このように時間の変化を描きながら国を比較していくと,どの国がどの時代に成長していったのかがよくわかります。

そしてこのグラフを見ると,高度経済成長期の日本と最近の中国のグラフの傾きがとてもよく似ていることがわかります。当時の日本の毎年の変化の様子って,今の中国の変化と同じような感覚だったのかな?と想像してしまいます。

ランキング

あまりこのグラフを使ったことがないのですが,ランキング形式でグラフをつくることもできます。

このグラフは,一人あたりGDPを上位からランキングにしたものです。

1位がカタール,2位がルクセンブルク,3位がシンガポールです。

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日本は……?画面ををスクロールしていくと,フランスの下の28位にありました。そのすぐ下に,韓国もあります。

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日本の一人あたりのGDPはこの程度なのですよね。こういう話をすると「それは為替のためでしょう」と言われることがあります。それはもちろんそうで,どこかの通貨に合わせないと比較はできませんからね。でもせいぜい10%から20%上下にぶれる程度でしょうから,それだけで何十番も順位が変わるとも思えませんよね。

その他のグラフ

地図上に何かの量を円で表現するグラフを描くこともできます。また,積み上げ式のグラフを描くことができるのも面白いと思いました。たとえば下のグラフです。

このグラフでは,1日あたりの収入がどのレベルにある人がどれくらいいるかを視覚的に表したものです。2015年の段階で,人数のピークはLEVEL 2と3の間にあります。極めて貧しい段階に位置する人が多いのはアフリカだということもよくわかります。

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これも日本の場所が気になりますよね。

答えは,下の図です。多くの人々がLEVEL 3から4にある国だということがわかります。さらに,一番上の赤い色が中国なのですが,中国も豊かになってきていることがわかります。

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というのも,たとえば1994年のグラフは下のようになるからです。この頃だと,中国のほぼ半数は極度に貧困だというレベルにあることが分かります。21世紀に入ってからの中国の成長が大きかったことをグラフで見ることができますね。

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データを視覚化するというのは,惑わされることも多くて困る面もあります。でもその反面,視覚化することで一気に理解が進むこともあります。

ひとつ言えることは,世界を理解するためにデータや分析結果を知るのは不可欠な要素の一つだということです。それは,自分の思い込みを正してくれる存在だからです。

ぜひ,いろいろなグラフを描きながら,日本が置かれた位置について情報をアップデートしていきましょう。

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