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南アフリカで開催された国際心理学会の発表内容を振り返る報告

コロナウィルス感染症(COVID-19)のおかげで,今年海外で開催される予定だった国際会議が軒並みキャンセルや延期となっています。

心理学では4年に1度,世界規模の大きな学会が開催されます。ICP (International Congress of Psychology)と呼ばれる学会です。

  2016年の大会は横浜で開催されて,2020年はチェコのプラハで開催される予定でした。

ところがコロナウィルス感染症によって中止になってしまいまして,どうなったかというと,1年後の2021年7月に延期,という措置がとられたようです。

今年は他の学会に出席する予定でしたのでICPは見送ろうと思っていたのですが,来年ならなんとかなるかもしれませんね……再検討してみましょう。でも,本当に何とかなるのか......という気もしますが。

プログラムの検討

2012年のICPは,南アフリカ共和国で開催されました。私は参加しなかったのですけれども。なかなか行くことができない場所ですし,やっぱり参加しておくべきだったなと,少し後悔しています。

この2012年の大会のプログラムをふりかえって,その特徴を記録した報告があります。これを見てみましょう(The International Congress of Psychology (ICP 2012): A brief analysis of the scientific programme)。

どの国から参加しているか

南アフリカでの心理学の学会に,どこの国からどれくらい参加したのでしょうか。ペーパーセッション(口頭発表)と,ポスターセッション(パネル形式の発表)で,その件数を見てみましょう。左の数値がペーパー,右がポスターです。

1. 南アフリカ:569(25.5%)・216(18.1%)
2. 中国:360(16.1%)・142(11.9%)
3. インド:139(6.2%)・27(2.3%)
4. イラン:117(5.2%)・104(8.7%)
5.アメリカ合衆国:115(5.2%)・67(5.6%)
6. ドイツ:105(4.7%)・35(2.9%)
7. オーストラリア:68(3.0%)・14(1.2%)
8. ブラジル:51(2.3%)・48(4.0%)
9. イギリス:38(1.7%)・7(0.6%)
10.ロシア:38(1.7%)・17(1.4%)
11.カナダ:38(1.7%)・22(1.8%)
12.オランダ:35(1.6%)・7(0.6%)
13.スペイン:35(1.6%)・61(5.1%)
14.ナイジェリア:28(1.3%)・14(1.2%)
15.トルコ:28(1.3%)・8(0.7%)
16.日本:28(1.3%)・94(7.9%)
その他:441(19.7%)・311(26.0%)

全体で2,233件のペーパーと,1194件のポスターが発表されたそうです。

日本の特徴は口頭ではなく,ポスターで発表した研究者が多いのが特徴ですね。全体としては,人数比率はなかなかです。こんなに多くの研究者が日本から参加していたのだということがわかります。

また,なんとなく口頭発表が苦手,というのも日本の研究者らしさが出ているかもしれないな,と思ってしまいました。

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