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宗教が盛んな州の人々はパンデミック下でもよく移動する

宗教と新型コロナウイルス感染症のパンデミックとは,どのような関連が想定されるのでしょうか。

たとえば,宗教の内容にもよるとは思うのですが,宗教を強く信仰する人々は科学に対して否定的な見方をしたり,パンデミックに対しても独自の理論をもつ傾向があるかもしれません。そのことから,あまりソーシャルディスタンスを取らなかったり,マスクをつけようと思わなかったり,予防接種を拒否したりすることにつながるかもしれません。

保守的な人々

特にアメリカ合衆国では,保守的なプロテスタント(宗教右派)が注目されることがあります。地域的には,アメリカ合衆国の南東部一帯,バイブル・ベルトと呼ばれるような地域です。

保守的なプロテスタントは,次のような傾向を示すことも報告されています。

◎環境悪化への関心が低い
◎科学の進歩に対して批判的
◎学校で進化論を教えることに反対する
◎人工妊娠中絶への反対

などなどです。

このような傾向は,新型コロナウイルス感染症への対応にも表れてくることが想像されます。本当にそういう関連は見られるのでしょうか。アメリカの州レベルで宗教心への強さとパンデミック下での人々の行動との関連を検討した研究があります。この論文を見てみましょう(Love thy Aged? A State-Level Analysis of Religiosity and Mobility in Aging Populations During the Novel Coronavirus (COVID-19) Pandemic)。

宗教と年齢

研究の仮説は,次のようなものでした。

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